241.エピローグクエストに向けて②
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≪従魔フローラの習得度が一定に達したため、スキル「棒術」を習得しました。≫
≪従魔フローラの習得度が一定に達したため、スキル「危険察知」を習得しました。≫
≪従魔フローラがレベルアップしました。≫
≪従魔マリアがレベルアップしました。≫
≪従魔フローラのレベルが一定に達しました。種族進化ができます。≫
≪従魔マリアのレベルが一定に達しました。種族進化ができます。≫
2匹が進化可能レベルになったところで、一度マイルームに戻りフォローオラズを付け替えながら進化先を確認していく。
しばらく付け替えて選択肢を確認していたが、生まれたてでスキルが少ないためか、フォローオラズを付け替えても特殊と思われる進化先は出なかった。
しかし、ワスプ種らしく様々なスキルを覚えることができ、それを得意とする進化先もたくさん出てくる。
戦闘系はもちろんの事、「料理」スキルを覚えればフォレストワスプ・コックになり、「読書」スキルを覚えさせればフォレストワスプ・ライブラリアンになる事が出来た。
今回は新たな戦闘要員が目的なので、非戦闘要員系の進化先は見送る。
NAME「フローラ」
種族「フォレストワスプ・スカウト ♀」LV20 種族特性「飛行」「昼行性」「器用貧乏」
スキル
「牙術LV3」2UP 「運搬LV2」2UP NEW「棒術LV1」 NEW「水魔法LV1」NEW「危険察知LV1」
NAME「マリア」
種族「フォレストワスプ・マジシャン ♀」LV20 種族特性「飛行」「昼行性」「器用貧乏」
スキル
「牙術LV2」1UP 「運搬LV2」1UP NEW「風魔法LV3」 NEW「魔力上昇 LV1」
最終的にフローラは速度重視、マリアは魔法を得意とする種族に進化してもらった。
フローラに関しては、今後俊敏力を中心に鍛えていこうと考えている。
速度を生かしたヒットアンドウェイ戦法に切り替える事で、遠距離攻撃から卒業し近接戦闘を担ってもらうつもりだ。
逆にマリアはそのまま魔法を専門とする種族に進化してもらった。
魔法使いとしてはジェイミー、ベルジュがいるが、純粋な攻撃魔法を使うスタイルとは言えない。
どちらも特殊な種族なので、回復役や近接戦闘も兼任している。
そこでマリアには純粋な魔法攻撃を担当してもらおうと思う。
ジェイミー達が覚えていない系統の魔法を任せ、俺やエラゼムの周りで高威力の魔法を放つ役などやらせても面白いかもしれない。
ただ、戦力になるまで2~3進化は残しているので、スタイルが大きく変わる事もある。
そのあたりは進化先を確認しながら臨機応変に対応しよう。
……………………。
≪従魔メリーがレベルアップしました。≫
≪従魔フローラの習得度が一定に達したため、スキル「迷彩」を習得しました。≫
≪従魔マリアの習得度が一定に達したため、スキル「不動心」を習得しました。≫
≪従魔フローラがレベルアップしました。≫
≪従魔マリアがレベルアップしました。≫
≪従魔メリーの習得度が一定に達したため、スキル「魔力上昇」を習得しました。≫
≪従魔メリーのレベルが一定に達しました。種族進化ができます。≫
≪従魔マリアのレベルが一定に達しました。種族進化ができます。≫
≪従魔フローラのレベルが一定に達しました。種族進化ができます。≫
数日経て2度目の進化タイミングがやってきた。修行先は変わらずアールヴ皇国だ。
もし、レベル上げだけ考えればもっと効率のいい狩場がある。そこで鍛えれば、1日でレベル40まで上げられるだろう。
しかし、真面目に従魔を強化する場合、できるだけゆっくりレベル上げをした方が良い。
取得しているスキル多いほど進化先が増える仕様なので、進化できるレベルまでに多くのスキルを持っていた方が進化先の選択肢が広がるからだ。
そのような観点から見ても、アールヴ皇国近辺は都合がいい。
普通のモンスターであれば、レベル1~20までは早く上げることができ、20~40まではゆっくり上げることができる強さのモンスターが出てくる。
第一進化で様々な事ができる程度のステータスを確保し、第二進化までに様々な経験をさせられる環境が整っているのだ。
霧が出やすい森林では探し物をさせる事で、索敵や隠ぺい、採集に役立つスキルを覚えやすい。
少し歩けば水たまりや湖もあるため、水場に関するスキルの習得に使える。
スキル習得とレベル上げを並行して行えるのだ。
この事もアールヴ皇国周辺がテイマー御用達の理由になっている。
今回は「器用貧乏」を自前で持っている従魔を育成するので、他の従魔が持っていないスキルを狙って育成した。
その成果としてフローラは「突撃」と「収穫」、マリアは「看破」と「見通し」スキルの自力習得に至った。
「突撃」スキルは体全身でぶつかっていく攻撃スキルだ。
俊敏力が上がってから「牙術」スキルで一撃離脱する戦闘を繰り返していたのだが、勢い余って体ごとぶつかる事も多かった。
そういう戦闘を繰り返した結果、「突撃」スキルの習得に至ったわけだ。
……先輩従魔が「突撃」スキルを習得できていない事は、体をぶつけるような事はしていないという事になる。
「爪術」、「牙術」、「嘴術」などは一歩間違えれば、体がぶつかっても不思議ではない。
フローラの体が小さいから体当たり判定されやすいのだろうか?
もしくはフローラの性格が関わっているのかもしれない。
ここ数日共に戦闘してわかったが、フローラは単純な性格をしている。
お腹が空けばそこら辺の果実をもぎ取り、戦闘をすれば恐れ知らずに敵に突っ込んでいく。
思ったまま、指示されたまま深く考えずに行動する。
体が敵にぶつかっても攻撃を当てられれば良いという考えが「突撃」スキルの習得につながったのかもしれない。
そういう性格なので、書物や本棚に近づく場合の注意事項をしっかり説明している。
説明さえしておけば、その指示に従ってくれるので今のところ問題は起こっていない。
……面倒なのか、本棚そのものに近づかなくなったのはご愛敬である。
逆に思慮深い性格なのがマリアだ。
落ち着きなく周囲を観察しながら、物音がしたら其処を凝視する。
戦闘になれば敵モンスターはもちろん先輩従魔達も観察し、立ち回りを考えて行動しようとしていた。
まだ、経験が浅いので思ったように動けていないようだが……。
俺の肩辺りで足を組んでいるマリアの姿に題名をつけるなら、『考える蜂』である。
そんなマリアが習得した「看破」と「見通し」はどちらも索敵に有用なスキルである。
「看破」は擬態するモンスターや罠などを見つけやすくなるスキルだ。
また、高レベルであれば隠された称号などを見極める事もできる。
懲罰を受けているプレイヤーを見分けるのに用いられることも多いスキルだ。
「見通し」スキルは霧などで視界が悪い場所でも遠くまで見通せるようになるスキルである。
ヌエなどが持っている「遠見」のスキルは見える距離伸ばすスキルだが、視界不良だと効果を発揮できない。
この二つは併用できるので、ヌエとマリアには「見通し」スキルも「遠見」スキルも取得してもらいたいところだ。
新しいスキル以外にも「迷彩」や「不動心」など先輩従魔が持っているスキルも自力習得できているので、進化先はかなり期待できると思う。
俺は進化先を熟考するため、アールヴ皇国の館に引き返すことにした。




