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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
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105.派生アーツ

 マイルームで読書をすることにした俺は、本棚からある本を取り出す。

 以前、迷宮ダンジョンで手に入れた召喚契約の本(低)だ。

 前から時間があるときに読もうと思っていたのでちょうどいいだろう。

 俺はアンティーク調のイスに腰かけて読書を始める。


 ……………………。


≪習得度が一定に達したため、スキル「指揮」を習得しました。≫


 俺が召喚契約の本を読み終えたところで新たなスキルを覚えた。

 召喚契約の本を読んでいたので、覚えるなら召喚魔法かと思っていた。

 俺はステータスからスキルの詳細を確認する。



「指揮」LV1  アクティブスキル

 アーツ  

・LV1  拡声 消費MP5 ・・・アーツの使用後、最初に発する声を広範囲に響き渡るように増幅させる。


 

 スキル名とアーツを見るに、もう少しスキルレベルが上がらないと真価がわからないスキルなのだろう。

 俺はアーツの効果がどれほどか確認するために、マイルームでテストしてみる事にした。

 ここなら大きな音を出しても、周りに迷惑は掛からないだろう。

 今回、ハーメルは起きているようで、しっかり耳をふさいでいる。

 ヌエは装備しているスカーフで頭を包む。カレルはリュックサックの中に潜り込んだ。

 エラゼムとグリモは大声を近くで聞いても大丈夫らしいので、そのまま待機してもらう。


「拡声! アーーーーーー!」


 拡声器で増幅したかのような大きな声が、マイルーム内に響き渡る。

 俺としてはそれほど大声を発してはいないので、アーツで増幅されたものと思われる。

 マイルーム内にいたハーメルたちにも被害はないみたいだ。


≪「調教術」「空間魔法」「指揮」スキルを使用しました、「調教術」スキルの派生アーツ「精神感応」を習得しました。≫


 なにやら、新たなアーツを習得できたようだ。

 俺はスキルの内容を確認する。



 アーツ  

・派生  精神感応 消費MP5~ ・・・パーティー内の召喚獣もしくは従魔の1体と遠距離で会話することができる。会話時間は消費MP5に対して10分。



 これはなかなか有用なスキルだろう。俺たちのパーティーでは隠れることが多いハーメルや、空を飛ぶヌエ、水の中を泳ぐカレルと連携を取るときに役立つかもしれない。

 ただ、一つ気になることがある。声を発することが無いエラゼムやグリモはどうやって会話するのだろうか?

 俺はテストも兼ねてグリモに対して「精神感応」を使用してみる事にした。


 エラゼムにグリモを持ってもらい、マイルームの隅で待機してもらう。

 俺はグリモに対して「精神感応」を発動する。

 すると、俺の目の前に小さなウインドウが現れる。


「(≧▽≦)」


 どうやら、グリモに「精神感応」を使用した際は、普段ページに現れる顔文字がウインドウに出るらしい。

 他の従魔にも試してみたが、小さなウインドウが現れて顔を見ることができるようだ。

 この時、背景を見る事はできない。


 表情や顔の動きを見ることができるので、エラゼムでもかろうじて意思の疎通ができる様だ。

 ……ひと昔前にあったビデオチャット? みたいな感じを想像してもらえばいいだろう。

 これはメリットも大きいがデメリットも存在する。


 従魔たちの表情がわかるので相手の状況をより理解することができるが、視界がふさがるので戦闘中などに使うのは致命的な事になりかねない。

 便利なのは間違いないので、使いどころを間違えないようにしたいところだ。


 俺は新しく覚えたアーツの確認を終えたところで、称号を確認することにした。

 確認する称号は「才能を示す者」である。

 今回、召喚契約の本を読んだので召喚魔法を覚えると思っていたのだが、実際に覚えたスキルは指揮スキルだった。

 その為、現在は何のスキルが1番覚えやすいのか調べてみる事にしたのだ。



「才能を示す者」   チュートリアル中にスキル及びアーツを取得できた者に贈られる称号。

効果 ・・・未習得のスキルでもっとも習得が近いスキルがわかる。現在最も習得に近いスキルは「鞭術」



  現在もっとも習得度が高いのは「鞭術」スキルのようだ。

 ……おそらくゲーム開始当初から初級ダンジョンまで装備していたことで習得度を得たのだろう。

 

 どうやら召喚魔法を覚えるには、他の召喚契約の本も読まないといけないようだ。

 ほとんど使う事が無かった鞭術の習得度が召喚魔法より高いとなると、召喚契約の本(低)ではあまり習得度を上げる事は出来なかったのだろう。

 俺が持っていた低級の本でさえレアアイテムだったことを考えると、次の本を手に入れるのは絶望的ではなかろうか?

 続きを読むのは期待しない程度に考えておこう。


 アーツのテストでだいぶ時間を使ってしまったようで、ログイン時間が限界を迎えていたのでログアウトすることにした。


 ……………………。


 再びログインした俺は馬車に乗ってラビンスに向かう事にした。

 今の王都では司書ギルドですれ違ったパーティーと接触する恐れがある。

 そのような状態では読書に集中するのは難しそうなので、騒ぎが落ち着くまでカレルのレベル上げをする事にしたのだ。

 俺は馬車の発停所に向かう為、総合ギルドを出る。


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