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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
110/268

102.カレルのレベル上げ

 次の週になって、ラビンスに戻る。

 今日からしばらく、資金稼ぎとカレルのレベル上げだ。

 馬車を降りた俺は、総合ギルドに向かう。


 総合ギルドまで来るといつにもまして、大きな喧騒が聞こえてくる。

 どうやら、第2陣のプレイヤーが大量にラビンスに来ているらしい。

 それを第1陣のプレイヤーがクランに勧誘しているようだ。

 俺はそこを素通りしてマイルームに入り、一度ログアウトした。


 休憩した後に再びログインする。

 ログアウト中に、ゲームのホームページを確認したが、イベントについて新たな情報が公開されていた。


 どうやら、第2陣のプレイヤーが多く所属しているクランは、イベントの拠点が有利な位置からスタートできるらしい。

 俺がラビンスに戻ったときに、第2陣のプレイヤーをクランに勧誘していたのはこれが原因だったようだ。


 第2陣の勧誘が激しいからか、ダンジョンの入り口辺りはだいぶ空いていた。

 俺はDランクダンジョンの入り口に向かう。

 カレルも幼体の状態を脱し、ステータスの低下が無くなっている。

 このステータスならDランクダンジョンに行っても問題ないだろう。


 俺はカレルのレベル上げを考慮して、山登りダンジョンに入る事にした。

 あのダンジョンは登るときのコースに常に川があり水の心配がない。

 すぐに使わないとしても、水術スキルのテストはしておこうと思う。


 山登りダンジョンに入った俺は、スタート地点の川のそばまで寄る。

 俺は背負っていたリュックサックを下ろし、カレルが頭を出している口を川のそばに寄せる。


「ガーー!」


 俺が何か指示するよりも先に、カレルが川の中に飛び込んでいく。

 カレルは飛び込んだ勢いのまま川の中をはしゃぐように泳いでいる。

 普段はリュックサックに入っているからおとなしいだけで、もしかしたら動き回るのが好きなのだろうか?


 俺がそう思っていると、カレルは俺たちがいる川辺の近くまで来た。

 そのまま俺が動き出すのを待つかのように、川の中に漂っている。

 しばらく俺が動かなかったので、カレルは顔だけ自ら出して首を傾げる。


「ガーー?」


 俺はカレルに気になったことを聞いてみる事にした。


「カレル……、お前はリュックサックの中にいて窮屈じゃないか?」

「ガ、ガーー!」


 カレルは首を横に振りながら返事をする。

 顔や仕草から見るに、こちらに気を使っているわけでは無く本当に気にしていないようだ。

 とりあえず、すぐに水槽やマイエリアの購入は必要ないようだ。

 ……どちらにしろお金が足りないのだが。


 気を取り直して、もともとの目的を果たすことにする。

 俺はまた川を泳ぎ始めていたカレルを呼び寄せる。

 カレルも再び俺の元まで寄ってきた。


「カレル。あの木に向かって水術スキルで水をぶつけてみてくれないか?」

「ガーー!」


 俺は今いる川辺の反対側にある木を指さして、カレルに指示する。

 指示を聞いたカレルは返事をしてから、向かいの川辺のそばまで泳いでいく。

 向こうの川辺にたどり着いたカレルは俺の指さした木に向かってスキルを発動する。


「ガーー!」


 カレルが鳴くと同時に、カレルの周りの水が浮き上がってくる。

 大体、水魔法のアクアボールくらいの水が集まったくらいで、木に向かって水の塊が飛んでいく。

 早さはアクアボールよりもやや遅いくらいだ。その勢いのまま木にぶつかるが、表面が濡れた以外の変化はない。

 アクアボールなら木の表面ぐらいは削れていただろう。ダメージ無しというのは本当のようだ。


 俺はカレルをねぎらった後、リュックサックに戻すことにした。

 さすがにレベル1の状態で川の中を泳がしておくのは危険と判断したのだ。

 しばらくは、リュックサックの中から水魔法で攻撃してもらう。


 レベルが2ケタになったら、川の中から戦闘に参加してもらった方がいいだろう。

 俺が背負いながら戦闘に参加するより、川の中から戦闘に参加した方が、戦闘に対する貢献度は高いだろうと思うからだ。


 俺はカレルが入ったリュックサックを背負い、グリモとタワーシールドを装備する。

 ハーメルとヌエには辺りの警戒をしてもらい、エラゼムは後方待機だ。

 理由はグリモの時と同じで、カレルに積極的に戦闘に参加してもらうために俺が前に出る必要があるからだ。

 準備が整ったところで、山登りダンジョンを進んでいくことにした。


 ……………………。


≪従魔カレルがレベルアップしました。≫

≪従魔グリモがレベルアップしました。≫

≪従魔グリモの熟練度が一定に達したため、スキル「火魔法」がレベルアップしました。≫

≪従魔カレルの熟練度が一定に達したため、スキル「水魔法」がレベルアップしました。≫

≪従魔グリモの熟練度が一定に達したため、スキル「水魔法」がレベルアップしました。≫


 カレルのレベルが数回上がったところで、グリモのレベルも上がった。

 おそらくボス戦の経験値のおかげだろう。

 しかし、ハーメルたちのレベルアップは無かった。本当にこのダンジョンでのレベル上げができなくなってきている。


 山登りダンジョンの後半での戦闘を、カレルが問題なくこなせるようになったら、一度Cランクダンジョンに行こう。

 旅に出る前に、様子を見に行くくらいは大丈夫だろう。

 もちろん、無理しないためにアイテムを整えて細心の注意を払ってだが……。

 俺はしばらくカレルのレベル上げをした後、中ボスエリアの沼で亀を倒して帰還の魔法陣で地上に戻るのだった。


 カレルの種族名を決めるときにオオサンショウウオの英訳を調べたのですが、

よく火妖精の名前になっているサラマンダーで焦りました(;^_^A

 調べてみると、意外とそういったことが多くて固有名を決めるのって難しいですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 〉しばらく俺が動かなかったので、カレルは顔だけ自ら出して首を傾げる。 〉「ガーー?」 カレルかわいいなぁ。勿論従魔はみんな可愛いけど。 水棲なのにリュックにいてくれて、川ではしゃいでるのみ…
[一言] (・・)(。。)うんうん サンショウウオはサラマンダー 火蜥蜴じゃなくて、サンショウウオなのよ~ サラマンダーには、サンショウウオタイプと、蜥蜴タイプがいて、サンショウウオタイプは…
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