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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
109/268

101.命名と旅の予定

 修正しました。

 種族名を確認した俺は、このモンスターが何の生物をモチーフにしているかわかった。

 おそらく、オオサンショウウオだろう。

 俺はリュックサックの口から顔だけ出しているそいつを眺める。

 よく見てみると、じっとしているわけでは無く、ゆっくりではあるがキョロキョロ辺りを見回しているようだ。


 このリバーマンダーであるが、山登りダンジョンで普通に出てくる。

 俺が遡っていた川の中に生息している。しかし、基本的に憶病なので、戦闘に参加してくることは無い。

 リバーマンダーの素材が必要でもない限り戦う事はほぼ無いと言っていいだろう。


 俺はリバーマンダーに名前を付ける。



NAME「カレル」


種族「リバーマンダー ♂」LV1 種族特性「淡水棲」「鈍足」



 名前の由来はオオサンショウウオのSF小説を書いた作家の名前からもらった。

 読んでいたおかげで、こいつの名前を付けるのには助かった。

 俺はカレルのステータスを確認する。



 特性

「淡水棲」   淡水での生活を好み、地上や海では徐々にダメージを受ける。他の特性を持っていた場合、淡水内においてはあらゆるデメリットは消える。


「水術」LV1  アクティブスキル

 アーツ  

・LV1  水鉄砲 消費MP5~ ・・・自分の周りにある水を集めて、飛ばす。集められる水の量は消費MP5ごとに1L。ダメージはなし。



 まず種族特性だが、エラゼムも持っていた鈍足については割愛する。

もう一つの「淡水棲」であるが、これもデメリットの大きい特性と言えるだろう

 淡水以外の環境に置くと徐々にダメージを受けてしまうので戦闘に参加させづらい。

 ただ、淡水内限定で100%の力を発揮できるので、状況によっては活躍できる可能性はある。

 それにエラゼムのようにデメリットの消える進化先が出てくれば、もともとのステータスが高い分、大幅にパワーアップされる可能性を秘めているわけだ。


 続いてスキルであるが、ハーメルが持っていた「隠者」、俺の持っている「水魔法」スキルについては説明しなくてもいいだろう。


 「水術」スキルについてだが、一見水魔法のアクアボールのようなアーツであるが性質が異なる。

 1つは消費MPを調整することで、水球の大きさが選べることとダメージの基準。

 もう1つは周りの水を使う点だ。


 おそらく、「泥術」「水術」系のスキルは周りの物に作用するスキルなのだろう。

 これはカレルにとって大きなデメリットをはらんでいる。

 カレルがこのスキルを使用するためには、リュックサックの水か俺かカレル自身が作ったアクアボールの水を使うしかない。


 しばらく、このスキルが日の目を見ることは無いだろう。

 少なくとも、カレルが進化してこのリュックサックから出ても問題ない種族にならないと使いづらいからだ。


 カレルのステータスチェックが終わったところで、今後の予定について考える。

 本来ならば、王都の図書館で調べものをした後にそのまま旅に出るつもりだった。

 しかし、テイマーギルドでこのリュックサックを購入したことで、軍資金が大幅に減った。

 この状態で旅に出ても、消費アイテムの補給や新たな本の購入に問題が出る恐れがある。


 俺は少し予定を変更することにした。

 とりあえず、今週は王都の図書館で行く予定のある国や町について調べる。

 次の週からイベントまでの間は、ラビンスでカレルのレベル上げをするとともに資金稼ぎをすることにした。

 おそらく、休憩がてらにマイルームで読書をはさむことはあるだろうが……。


 俺は今後の予定も決めたところで、従魔たちを連れてマイルームを出る。

 テイマーギルドでカレルの従魔登録をしてから、商店街に向かう。

 目的は従魔たちのエサの購入だ。

 特にカレルについては好みがわからない。リアルのオオサンショウウオは肉食だった気がするが、ゲーム内では何が好きなのかわからない。

 とりあえず、商店街で様々な食品を物色することにした。


 ……………………。


 いろいろな食品を物色した結果、カレルが好きなものは貝や甲殻類のようであることが判明した。

 基本的に食材のストックが植物由来だったので、今回の買い出しでは魚介類を中心に買う事にした。


 買い物を終えた俺はマイルームにグリモ以外の従魔たちを置いていき、王都図書館に向かう。

 予定通りに、今後向かう地域の情報収集が目的だ。

 グリモを連れてきた理由は種族特性の学習スキルの為だ。

 ただし、基本的に図書館にモンスターを連れていくのは禁止なので、一度確認が必要である。


 図書館に入る前に司書ギルドに向かい、グリモを連れて図書館に入って良いか聞いてみる。

 確認した結果、毎回司書ギルドに届ければグリモを連れて行ってもいいという返事をもらったので、グリモも連れていくことにした。


「 (≧▽≦) 」


 王都図書館に入った俺はいつも利用している小説エリアをスルーして、地図や地域についての本が納められた一角に向かう。


 ……………………。


≪習得度が一定に達したため、スキル「風土知識」を習得しました。≫


 イベント前に植物について調べて以来の知識系スキルを習得した。

 スキルの内容を確認すると、どうやらスキルレベルに応じてNPCからの印象が上方補正されるらしい。

 国や地域について理解があるから住人からの印象がいいという事だろうか?

 レベルが低いので微々たるものだろうが、今後の旅の助けになるかもしれない。


 このスキルを手に入れるまでに読んだ情報を整理して、旅の予定を決める。

 大体のコースは決めていたが、細かいところの変更をしていく。

 今回旅するコースは比較的出てくるモンスターが弱く、先に進むのに障害の少ない旅路である。


 しかし、詳しい情報を集めていると、地域によっては住人同志のいざこざが絶えない場所があったり、怪しい噂が絶えない町もある。

 なので、できるだけそういう地域は避けるようなコースに調整していく。

 さすがにすべてを避ける事はできないが、より安全な旅路にすることができたと思う。


 調べものを終えた俺は、余った時間を小説を読むことに費やすのだった。


 前の話でカレルの持つスキルを1部変更しています。


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― 新着の感想 ―
[一言] 金策の前に本を読んじゃうのなら、ペットが居て、食料を確保しなきゃならない事はいいのかもしれん…………… お父さん(飼い主)は稼がなきゃww
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