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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
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98.ダンジョンボス戦

 どうやら、モンスターの卵のようだ。

 こういった形で手に入る事もあるんだな。

 モンスターの卵はヌエのも含めて2つ目だ。


 ここに沢山の卵があるが、同じモンスターの卵だと思うので、1つ持っていけば十分だろう。

 俺はアイテムボックスを整理し、手に入れたモンスターエッグをしまう。

 他に目ぼしい物が無かったので、その場を離れる事にした。

 

 俺は洞窟を出て、わき道まで戻る。

 先ほどの滝の件で水の音は信用できないが、渓流が近いのは確認できた。

 滝周りからのショートカットはできなかったが、それほど時間はかからないだろう。

 俺は戦闘を繰り返しながらわき道を進んでいく。


 滝の音がした辺りからそれなりに進んだところで、ようやくわき道の終わりが見えてきた。

 地面も砂利からゴツゴツした岩に変わっており、その先に川が流れている。

 どうやら、沼地の先にたどり着いたらしい。

 俺は再び渓流に沿って登り始める。


 出てくるモンスターは徐々に種類が変わってきている。

 登り始めた頃には珍しかった熊や鹿のモンスターが頻繁に出てくるようになった。

 空に飛んでいる鳥モンスターも増えてきており、空からの奇襲も気にしなければならない。


 ヌエに空のモンスターを牽制してもらいつつ、戦闘を避けながら進んでいく。

 本当はここまで戦闘を避けていかなくてもよかったのだが、滝の裏にあった洞窟で予定外の戦闘をしてしまったので、多少アイテムを消費してしまった。

 ここから先はできるだけ戦闘をせずに進むようにしなければいけないだろう。

 ハーメルを先頭に俺たちはボスのいる頂上を目指す。


 ……………………。


 しばらく進んでいると、前方に霧が立ち込めているエリアが見えてきた。

 情報が正しければあの霧の中に入ればボス戦が開始されるはずだ。

 俺はハーメルたちを回復した後、霧の中へ突入した。


 霧の中に入ったので、ハーメルに辺りの警戒をしてもらう。

地形的には湿地帯のようなエリアらしいが、霧でどうなっているかわからない。

 山登りダンジョンのボス戦はこの霧の中で行われる。

 視界が悪い中襲ってくるので、相手を見つけるスキルか動きを封じるスキルが無ければ難しいボスとなっている。


 しばらく、霧の中を進むと何かが這ってくる音が聞こえてくる。

 どうやらここのボスのお出ましのようだ。

 俺はタワーシールドを構える。ヌエを俺とエラゼムではさむような陣形を取る。

 

 俺とエラゼムならボスの攻撃を受けても1撃で倒れることは無い。

 しかし、ハーメルとヌエは怪しい。

 なので、極力ボスモンスターの攻撃がハーメルたちに当たらない陣形にしたのだ。


「チュウ!」


 ハーメルが俺の頭の上で注意を促す。

 次の瞬間、視界に大きな影が差した。俺は影が出てきた方向に盾を構える。

 盾に強烈な衝撃を受ける。

 このままで後ろに吹っ飛ばされると、ヌエを巻き込んでしまうので、相手の攻撃をそらしながら自分も後ろ斜めに転がる。


 俺に攻撃してきた物体にヌエが闇魔法の行動阻害をかける。

 それと同時にハーメルが泥固めでさらに相手を拘束する。

 相手が泥による拘束でもがいているところに近づいていく。


 近づいていくと霧で見えなかったモンスターの姿が顕わになる。

 ここの湿地帯の主であるボスモンスターは大きな白い蛇だ。

 全長10m以上、胴回りが1m以上の大きさがある。


 ハーメルにかなりの範囲を固めてもらったので、体のほとんどが湿地のぬかるみに浸かっていた蛇は身動きが取れていない。

 後はタコ殴りにするだけだ。ここから全員での総攻撃で一気に倒す。

 俺はグリモを開き、魔法による攻撃を開始する。



「チュウ!」


 しばらくタコ殴りにしているとハーメルが再び注意を促したので、攻撃をやめて蛇から離れる。

 すると、泥による拘束を解いた蛇が暴れだす。

 暴れた後の蛇はすぐに攻撃してくることは無く、再び霧の中に紛れた。

 俺達は蛇の初撃を受けた時の陣形に戻る。


 今回のボスとエリアは一見、俺たちの得意なパターンのように見える。

 しかし、一歩間違えるとこちらが、圧倒的に不利な状況になってしまう状況なのだ。

 このボス戦はずばり、ハーメルがやられなければ、こちらの勝ちである。

 ここが、ただの湿地帯ならもう少しやりようがあったのだが、ここには霧が立ち込めている。


 ハーメルの泥固めによる拘束と、危機察知スキルによる攻撃の予知が無ければ、途端にこちらの優位性が全て崩れさる。

 そうなれば、あとはボスモンスターの攻撃を一方的に受ける的でしかなくなってしまう。

 前回の初級ダンジョンのボス戦のように、途中でハーメルを失うわけにはいかないのだ。


 慎重に戦えば一方的に戦えるので、ハーメルには俺のタワーシールドの後ろ側に隠れてもらっている。

 ここからは長期戦になるので、いかに集中力を切らさないかが勝負だ。

 俺は盾を握り直し再びボスの衝撃に備える。


 ……………………。


 蛇を拘束すること7回。ようやく蛇がポリゴンに変わった。

 ボスは蛇らしく牙に毒があり、俺やエラゼムは何度か毒状態になってしまったが、持ってきた毒消し用のアイテムで解毒することができた。

 だいぶアイテムボックスはスッキリしてしまったが、これでダンジョン攻略の戦利品は全て持って行けそうである。


 さて、宝箱の中身を確認するとしますか。

 俺は蛇が消えた後に残った宝箱を確認することにした。


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水属性のドラゴンかな〜…
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