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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
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97.ダンジョン攻略中に

 次の日、ログインした俺は今回攻略するDランクダンジョンの前に来ていた。

 昨日、準備を整えてマイルームを出たはいいが、時間的に攻略は無理だったので、次の日に繰り越しとなった。

 俺はここ最近の調査で最も攻略しやすいと思ったダンジョンに突入する。


 俺が攻略に選んだダンジョンは山登りダンジョンだ。

 正直、ボスのタイプは大軍を指揮する以外はそれほど大差なさそうだったので、選んだ理由はこのダンジョンの特殊性にある。


 渓流をさかのぼっていけば最短でボス戦に行けるダンジョンではあるが、裏技みたいなものが存在する。

 要するに近道をしないルートをたどると、中ボスの沼地をスルーしてボス戦に挑戦できるのだ。


 中ボスエリアから再スタートできるダンジョンは、30階層のダンジョンである。

 ダンジョンは先に行けば行くほど強くなる関係上、モブの最高レベルは20階層のダンジョンより、30階層のダンジョンが高い。


 アイテムボックスが俺にしかないのでできるだけアイテムを消耗したくない。

 なので、強いモブと戦ってアイテムを消費するより、時間がかかっても消費を抑えて進むことを選んだわけだ。


 イトス達に予備の装備を頼んだのもこのためだ。

 普通のパーティーなら使い慣れた装備を切り替えるメリットは少ない。

 しかし、持っていけるアイテムが極端に少ないテイマーは少し事情が違う。

 消費アイテムで装備を修復するより、予備の装備に切り替える戦法の方が、結果的に持っていくアイテムを抑えられるのだ。


 俺は沼地の手前まで渓流に沿って進む。

 以前、攻略した時は道筋通りに中ボス戦に突入したが、今回は手前で横道にそれる。

 このダンジョンは地形が変わることが無いので、間違えて中ボス戦に突入することは無い。

 俺は渓流のわきにあった獣道のようなルートに入っていく。


 この獣道であるが、最初この辺りに来た時に見つけていた。このダンジョンについて調べた時もこのわき道の存在は書かれていた。

 そもそも、前回突入した時の目的の一つは中ボス戦に挑んだ方がいいのか、わき道を使った方がいいのか確かめる目的もあった。

 結果的に、中ボスとの相性はいいが、時間とアイテムを消費しすぎたのでわき道を選択したわけだ。


 わき道に入った俺はハーメルとヌエに周りの警戒をしてもらう。

 ただし、ヌエに空を飛んでもらう事はできない。

 渓流付近と違って空中のスペースがあまりないので、歩いてついてきている。

 多少戦闘をしているが、大きくモンスターの強さは変わっていないので問題なさそうだ。

 俺は従魔たちとともにわき道を進んでいく。


 わき道は緩やかに弧を描いており、先の方が見えづらい。

 俺が調べた時はこのわき道に沿って行けば、中ボス戦をすることなく渓流に戻ることができると書いてあった。

 しかし沼地がそこそこ大きかったからか、なかなか渓流に戻る事ができない。

 少し不安になりながらもわき道を進んでいく。


 しばらく進んだところで、ようやく水の流れる音が聞こえてくる。

 俺はほっとして水の音のした方向に向かおうとするがここで1つ違和感を覚える。

 水の音が聞こえる方向に目を向けると、少しわき道から逸れているのだ。


 山登りダンジョンを資料で調べた時はこんなこと書かれていなかった。

 少し気になるが、先が沼地でさえなければ中ボス戦になることは無い。

 俺は水の音がする方向へ向かう事にした。


 水の音が段々大きくなってくるがなかなか岩場のようなところに出てこない。

 判断を早まったか? 幸い水の音に真っ直ぐ向かっていったので問題なく引き返すことができる。


 あきらめて引き返そうとした時、少し開けた場所に出てきた。

 視線の先には高さ4,5mの滝があり、そこから水の音が落ちる音が響いていた。

 おそらくこの先に渓流があるのだろう。


 しかし、滝の周りで登れそうな場所があっても進むことができない。

 エラゼムが登ろうとすると足場が崩れたり、木の枝が折れてしまうからだ。

 俺はおとなしく、来た道を引き返してわき道に戻る事にした。

 そして、滝の側面まで戻ってきた時、俺はあるものを見つける。

 滝の幅も大体4、5mくらいあるのだが、どうもその滝の裏側に真っ暗な空間があるようなのだ。

 ダンジョンでは、こういった場所に宝箱などが眠っている場合がある。


 俺は少し悩んだ後、滝の裏側に進むことにした。

 最悪、戦闘になってアイテムを消費した時はボス戦はまた今度にすればいい。

 しかし、ボス戦以外で出てくる宝箱はランダムで出現するらしいので、あの時調べておけば良かったという事もある。

 俺は滝に打たれながら裏側に入っていく。


 滝の裏側には予想通りの洞窟が続いていた。

 俺は光魔法で視界を確保しつつ先へ進んでいく。

 ここは常に薄暗いので迷彩スキルを持つ3体は戦いやすいかもしれない。

 俺は罠やモンスターに警戒しながら進んでいく。


 しばらく洞窟を進んでいるが、出てきたモンスターはコウモリ系や虫系ばかりだ。

 強さ的には洞窟に入る前に戦っていたモンスターと同じくらいだ。

 モンスターの強さがこのままなら、洞窟を出た後そのままボス戦もできそうだ。


 俺がそう思った時、唐突に足元から水の音が聞こえてくる。

 足元を確認すると、薄っすら水が溜まっているようだった。

 ここからモンスターが変わる可能性が出てきたので、少しペースを落として進むことにする。


 さらに先に進んでいくと、洞窟の行き止まりに着いた。

 ここまで横道もなく特に宝箱らしき物も見つからなかった。

 しかし、洞窟の行き止まりの辺りに何やら白い塊があった。


 近づいてみると、いくつもの白い球体が集められているようだ。

 球体の大きさは、バレーボールほどの大きさがある。

 俺は球体の一つを手に取ってみる。



モンスターエッグ「水棲」   水辺等で手に入るモンスターエッグ。

 魔力を込めることで孵化する。水棲モンスターの卵だが、親が不明なので鑑定しないと種族がわからない。

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