表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
5.Dランクダンジョン攻略と第二回イベント
101/268

94.山登りダンジョンへ挑戦

 クランの加入手続きが終わったのでハルたちと別れる。

 俺はこのまま、ダンジョンでレベル上げをすることにした。

 最近はグリモ以外のメンバーのレベルが上がりにくくなっているとはいえ、スキルレベルは問題なく上がる。

 グリモのレベル上げをしている間に、他のメンバーはスキルレベルを上げていきたい。


 今週はグリモの進化を目指しつつ、迷宮ダンジョン以外のダンジョンも挑戦しようと思っている。

 もしかしたら、迷宮ダンジョン以上に簡単にクリアできるダンジョンがあるかもしれないからだ。


 これまで迷宮ダンジョン以外のダンジョンには挑戦してこなかった。

 他のダンジョンには、フロアごとの帰還用の魔法陣が無かったからだ。

 しかし、迷宮ダンジョンはすでに19階層まで攻略しておりボス以外に目新しいものが無い。


 この前、ダンジョン攻略に向けて迷宮ダンジョンのボスについて調べたが今の俺達では攻略が困難であることが分かった。

 理由は単純に手数が足りないからだ。


 迷宮ダンジョンのボスはエンペラースライムというモンスターだ。

 体からたくさんのスライムを生み出して戦うモンスターである。

 周りのスライムを倒しながら、エンペラースライムにダメージを与え続けなければいけない。


 俺達はしっかり役割分担して戦闘をこなしてきた。

 エンペラースライムのような、とにかく手数を必要とするモンスターとは相性が悪いのだ。

 このことがわかってから、他のDランクダンジョンの攻略に切り替える事にした。


 俺はいつも行く迷宮ダンジョンではなく、別のダンジョンの入り口に立つ。

 今回俺が選んだダンジョンは、山登りダンジョンだ。

 何故、山脈ダンジョンと言わないかというと、ちゃんと理由がある。


 山登りダンジョンは名前の通り、斜面を登っていくダンジョンである。

 このダンジョンは迷宮ダンジョンのようなフロアが存在しない。

 ひたすら上っていき頂上を目指していくダンジョンだ。

 一応、中腹辺りに中ボスもおり、帰還用の魔法陣も出現する。

 

 そして、なぜ俺がこのダンジョンを選んだかというとプレイヤーが進んでいくルートに常に川が流れているからだ。

 その川がダンジョンの最短ルートを示しており、中ボスやボスのいる辺りまで一直線に伸びている。

 この川のおかげでハーメルの泥術を生かしつつ、最短距離で攻略ができる。

 すでに準備は整えているので、俺は山登りダンジョンへと足を踏み入れる事にした。

 

 ダンジョンに入ると、目の前に川があった。

 情報通り、渓流が斜面を下るように流れている。

 これを辿っていけば最短ルートで中ボスまで行けるはずだ。


 渓流の左右には森が生い茂っており、木の実などがなっているのが見える。

 もちろん取りに行くこともできるが、今回は見送る。

 俺はヌエに空からの偵察を頼みつつ、斜面を登り始めた。


≪従魔グリモがレベルアップしました。≫


 まだまだ登り始めた辺りだからか、戦闘自体は余裕だ。

 このダンジョンで出てくるモンスターは小動物・小鳥系がメインで、時々鹿や熊のモンスターが出てくる。


 ダンジョンの資料では、熊のモンスターには要注意と書いてあったが、俺達には良いカモだ。

 手数を必要としないパワー系のモンスターだが、同じパワー系でよりレベルの高いエラゼムがいるのだ。

 むしろ序盤の辺りでは、いい経験値をくれるモンスターと言えるだろう。


 とはいえ、グリモ以外のレベルアップは難しいらしくなかなかレベルは上がらないようだ。

 今週中には、攻略するDランクダンジョンの候補を絞っていきたいところだ。

 俺はさらに川に沿って登っていく。


≪従魔グリモがレベルアップしました。≫

≪熟練度が一定に達したため、スキル「杖術」がレベルアップしました。≫

≪熟練度が一定に達したため、スキル「土魔法」がレベルアップしました。≫

≪従魔ハーメルの練度が一定に達したため、スキル「泥術」がレベルアップしました。≫

≪従魔ヌエは習得度が一定に達したため、スキル「遠見」を習得しました。≫


 体感的には、迷宮ダンジョンの9階層くらいのモンスターが出てくるようになったところで、ヌエが新たなスキルを覚えた。

 どうやら、視認できる距離が延びるパッシブスキルのようだ。

 効力がレベル×1mくらいの距離、視力が延長されるようだ。

 覚えたてで、スキルレベルが低いので効果は薄い。今後の成長で偵察の役に立つようになることを期待する。


 確か、山登りダンジョンは迷宮ダンジョンと同じ20階層扱いのダンジョンだった。

 戦っているモンスターの強さ的にはそろそろ中腹にたどり着くころだ。

 俺は自分と従魔のステータスを確認してから、再び中腹に向けて歩き出す。


 歩き出してすぐに、少し開けた場所に出てくる。

 今まで歩いてきた場所は岩場が続いていたが、この開けた場所は地面がぬかるんでいた。

 どうやら、広場一帯が沼地のようである。


 その沼地の奥の方に泥が盛り上がった一角がある。

 ゆっくりと動いているようなので、どうやらモンスターのようだ。

 俺達はゆっくり泥の山と距離を詰めていく。


≪従魔エラゼムの練度が一定に達したため、スキル「斧術」がレベルアップしました。≫

≪熟練度が一定に達したため、スキル「土魔法」がレベルアップしました。≫


 泥の山の正体は5m以上の大きさの亀だった。

 強さ的にはストーンゴーレムと同じはずなのだが、倍近く時間がかかったのではないだろうか?


 ストーンゴーレムより攻撃力が無く、スピードも遅い。

 その代わり、圧倒的な防御力があった。

 ハーメルの泥術のおかげでほとんど行動させることなく倒すことができたので、ダメージを受ける事は無かった。

 しかし、ログイン時間を大幅に消費してしまったので、これ以上の攻略は無理だ。

 宝箱からアイテムを回収した俺は、帰還用の魔法陣で帰る事にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ