5 異世界恋愛と現実世界恋愛の境目
小説家になろうに投稿して気づいたことを呟くエッセイ。
今回も、ジャンル分けについて語ります。
前回は、投稿する時に、SFがいいのか恋愛がいいのか迷う話をしました。
今回は恋愛ジャンルのうち、異世界恋愛と現実恋愛の違いについて、語ってみます。
私は、他サイトで投稿してきましたが、昨年末から、こちら「小説家になろう」にお邪魔しています。
他のサイトだと、ジャンル分けは概ね大分類だけですが、小説家になろうには、中分類も設定されています。
ということで、大人気ジャンル「恋愛」は、さらに「異世界」と「現実世界」に分かれています。
なろうのヘルプからジャンルの説明をコピーしてみました。
異世界:恋愛を主題とし、異世界を主な舞台とした作品。
現実世界:恋愛を主題とし、現実に近しい世界を舞台とした作品。
さて小説を書かれる皆様、自分の恋愛小説を登録する時、異世界と現実世界、どっちに投稿したらいいのか、迷いませんか?
私は、次ような場合、異世界と現実世界、どっちに設定すべきなのかよくわからないのです。
・現代日本風舞台だが、地名は明らかに架空……これは現実でしょう。
・現代日本風だが、制度が現実と違うパラレルワールド。共和国、または独裁制など……まあ現実でしょう。
・現代日本風だが、陰陽師が政財界で活躍し、怨霊とバトルする世界……こうなってくると現実世界と言い切っていいのか、わかりません。
現代日本設定でも、ファンタジー要素が強くなってくると、現実世界と設定していいのか、悩ましいところです。
では、舞台を世界に移動します。
・現実の現代(20ー21世紀)が舞台だが、架空の地名の場合。
たとえば、ヨーロッパの小国の王宮や、アラブ世界のハーレムなど。
はい、これ、ハーレクインの鉄板なんです。まあ、これらも現実世界としておきましょう。
・近未来の月や火星での恋愛。『宇宙兄弟』世界の恋愛。
未来を現実の延長とすれば、まあ、現実恋愛でいいかな?
・『銀河英雄伝説』や『デューン砂の惑星』世界の恋愛
これ、どちらも地球の遠い未来の物語です。登場人物は地球人の子孫です。果たして、これを「現実恋愛」としていいのか……悩みどころです。
・アンドロメダ銀河星人の恋愛
こうなってくると、さすがに「現実恋愛」と言っていいか……そもそも宇宙ってメッチャ広いですよね。最近、マルチバース宇宙なんて聞きますが、私たちの宇宙とは違う法則で動く宇宙があるらしいです。
となると、人間が考える空想世界も、絶対現実に存在しないとは断定できない……ここまで拡大しちゃうとなんだかな~なので、とりあえず私は、パラレルワールドを含む地球が舞台で、時代が現代~近未来なら、現実恋愛でいいんじゃないかと思います。
さて時間を未来から過去にさかのぼりましょう。
・明治時代の恋愛
これは間違いなく現実恋愛でいいでしょう。
・江戸時代の恋愛
まあ、江戸時代は割と身近ですよね。現実とします。
・邪馬台国の女王、卑弥呼の恋愛
おお! いきなり時代がジャンプした。でも実在の人物だから、現実恋愛としてもいいかもしれません。
・ギルガメッシュ王の恋愛
ギルガメッシュは、シュメールに実在した王です。「ギルガメッシュ叙事詩」は、現存する最古のまとまった叙事詩として知られています。
モデルは実在の人物ですが、叙事詩のギルガメッシュは、バリバリのファンタジーです。
ギルガメッシュの恋愛は、現実恋愛としていいでしょうか?
・天照大神の恋愛
古事記や日本書紀に登場する神様で、現代の日本においても重要な神様です。がとはいえ神話なので、これを現実恋愛とするのは、厳しいですね。
・アダムとイブの恋愛
わお! いや重要なカップルですよ。聖書にバッチリ登場しますし。しかし……神話や伝説の世界を「現実世界」とするのは、抵抗があります。
・ホモサピエンスとネアンデルタール人の恋愛
近年の研究によると、我々ホモサピエンスに、ネアンデルタール人のDNAが混じっているそうです。
となると、我々の思う恋愛ではないにしろ、ホモサピエンスとネアンデルタール人は、つがいとなって子供を産んだわけですね。
なのでアダムとイブの恋愛より、ずーっと現実味があるのですが、やっぱり「現実に近しい」恋愛かというと厳しいものがあります。
・フニジア・ドロシアの恋愛
もう自分でも何言ってるんだか、です。フニジア・ドロシアとは、世界で初めて有性生殖行った生物らしいです。約5億6500万年前に生息していた管状の無脊椎動物です。ビジュアルはミミズっぽいですね。
というか、フニジア・ドロシアの「恋愛」を書いたとしても、もはや「恋愛」ジャンルが適切かどうかって問題になってくるよなあ。これ「SF」の世界だよなあ。
ここまで現実恋愛の範囲について考えてみました。
一方、実際に流行っている異世界恋愛小説は、19世紀のイギリス貴族世界風の恋愛物という印象です。異世界とはいっても、必ずしも魔法が出てくるわけではありません。
少なくとも「フニジア・ドロシアの恋愛」より、ずっと現実に近しい世界のようです。
私はハーレクインの漫画が好きですが、その中に「ヒストリカル」というジャンルがあります。メインは19世紀のイギリス貴族世界ですが、登場人物の多くは架空です。脇役として実在の人物が登場することもあります。
このハーレクインのヒストリカルと、流行りの異世界恋愛小説って、そんなにかけ離れてない気がするんです。
ここまで考えて、わけわからなくなりました。
私は「小説家になろう」の恋愛ジャンルの分け方にケチをつける気はありません。
実際「現実恋愛」と「異世界恋愛」のトップ作品を眺めたところ、いい感じにすみ分けている気がします。
私は恥ずかしながら無知で、「現実恋愛」に転生があることに驚きました。転生先が今の日本に近い世界なら「現実恋愛」でいいようです。
ざっと眺めたところ、私が気になるボーダーラインの恋愛、遠い過去や未来の恋愛は、現実ジャンルでは見かけません。
また「異世界恋愛」も、ほぼ近世~近代ヨーロッパ風世界で、少し和風ファンタジーが混じっている感じでしょうか。
実は私、二百年後の土星の衛星を舞台にした恋愛物を書きたいんです。一応、人間同士の恋愛です。
本文は一文字も書いていません。700文字ぐらいのチョーざっくりな設定とあらすじを書いただけです。
こういう場合、現実恋愛ですかね? それとも異世界恋愛ですかね? SF設定はありますが、恋愛要素がメインなので、SFよりは恋愛だな~と思ってます。
……いや、小説を完成させて投稿するときに悩めよって話ですね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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