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191話

本日は大量投稿します。

191話〜です。


 なんだか様子がおかしいレンジュさんにお皿を渡した後、酔いも覚めたみたいなのでカノンさんと合流する事にした。

 どこに行ったのかなー……あ。あの人溜まりかな?


 近付いてみると、やっぱり中心にアレイさんとカノンさん、それにルウザさんと陛下の姿があった。

 うっわ。大人気だなー。

 てかみんな、ルウザさんに違和感覚えないんだろうか。

 私が言うのもなんだけど、一応魔王軍四天王だぞあの人。


「おお、オウカ。楽しませてもらっているぞ」

「オウカじゃと? おう、久しぶりじゃのう」

「どもです。てか陛下、こんなとこ居ていいんですか? 魔王軍四天王ですよ、その人」

「ん? オウカが連れてきたなら大丈夫じゃろ?」

「何ですかその根拠の無い信頼は……」


 もうちょいこう、危機感とかさー。

 いや、信じてくれてるのは嬉しいんだけどね。

 ほんと護衛の人、大変そうだなー。


「オウカは良い子じゃからのう……何せ時期女王じゃからな」

「ふぐっ!? ……その話、やめません? てかまじで辞退したいんですけど……」

「なーに、反対意見が出れば撤回するから心配するでない」

「あ、それなら大丈夫ですねー」


 ただの町娘に国のトップ任せる訳無いからね。

 貴族の方とか、誰が反対するだろーし。

 胸を撫で下ろしていると、アレイさんが声を上げた。


「それより、ルウザ達は今晩どこに泊まるんだ?」

「あぁ、これはしまったな。失念しておった」

「……おい。まじかお前」

「いやはや、面目ない。しかしまあ、何とかなるだろう!」

「ならんわ!」


 アレイさんに同意だなー。今からだと宿も空いてないかもしんないし。

 かといって野宿はちょっとなー。最悪、ウチに泊めるか?


「なんじゃ、それなら城に泊まればえぇ。部屋は余っとるからのう」


 いやいや。陛下ー? それはさすがにまずくないか?


「何言ってんですか。一応魔王軍四天王ですからね?」

「元、じゃろ? それにオウカの客人ならワシの客人も同じじゃよ。つまり国賓(こくひん)扱いじゃな」

「いやおかしいでしょそれ」


 あ、やべ。素でつっこんじゃった。

 いやでも、どんな理屈よそれ。

 て言うかさすがに誰が止めようよ。


「あー……まあ、オウカちゃんが連れてきたんだしな」

「ええ、オウカさんですからね」

「じゃろう? 何も問題ないのう」

「なんでそうなるんですか……」


 いや、周りも頷いてないで、止めようよ。

 ……まあ、英雄も居るから警備は万全なのかも知んないけどさー。


「すまぬ。世話になる」

「おう。ジジイに色々話を聞かせておくれ」

「ああ、礼代わりにもならんが、その程度なら容易い事だ」

「これは楽しみじゃのう。魔族との親交はまだ浅いからの」


 あー、なるほど。国交的な意味もあんのか。

 ルウザさんもフレイアさんも知名度高いし、その二人をお城に招いたって言えば魔族との関係も良くなりそうだもんね。

 そこまで考えてんのか。やっぱりすごいな、この方。


「……いや、陛下。楽しんでるだけだろ?」

「む。バレたか?」


 おい。のほほんと笑っても誤魔化されないからね?


「まあ実際のところ、ルウザとフレイアなら問題はないだろうけどな。オウカちゃんセンサーに引っかかった奴らだし」

「……ん? センサーってなんですか?」

「あー……なんと言うか、探知能力、か?」

「私そんな能力ないですよ?」

「まあオウカちゃんが連れてきたなら大丈夫って事だ」


 なんだそれ。解せぬ。

 いやまー、アレイさんが言うなら大丈夫だと思うけどさ。

 一応英雄のリーダーだもんね、この人。

 それにカノンさんも賛成みたいだし。


「んじゃそれ、フレイアさんに伝えてきましょうか? だいぶ酔っ払ってましたけど」

「ああ、じゃあ悪いけど頼んだ。俺は一応陛下の護衛扱いだから離れる訳にもいかんしな」

「あいあい。お任せください。んじゃ!」


 びしっと手を上げて、そのままフレイアさんの所に向かう。



 先程のテーブルに戻ってくると、なんか人が増えていた。

 黒髪ツンツンヘアーだし、ツカサさん達か?


「どもですー」

「…オウカさん、もう大丈夫なの?」

「はい。ご心配おかけしました」

「…良かった」

「……あの。ところで、エイカさんどうしたんですか?」


 なんかテーブルに突っ伏してるけど。どした?


「あー。これな。つーちゃんがやらかしたと言うか……」

「うん? ハヤトさん、どゆことです?」

「いやなー。フレイアさんが二人を見て『お似合いですね』とか言うて、つーちゃんが『…ありがとう』って肯定しよってな」

「あー。なるほど」


 よく見るとエイカさん、耳まで真っ赤だわ。

 嬉しさと恥ずかしさで撃沈したのか。


「…俺、何かやらかした?」

「いいえ、ナイスです。その調子でお願いします」

「…よく分からないけど、頑張る」


 この調子で少しずつ距離を縮めて行って欲しい。

 頑張れ、エイカさん。私は応援してますよ。


「あ、そだ。フレイアさん、今日はお城に泊まってってください」

「ふぇ? お城に? いいんですかぁ?」

「陛下が良いって言ってるから良いんじゃないですかねー」

「じゃあ、お言葉に甘えますー。オウカさん、ありがとう!」

「むぐっ!? むがむがっ!?」

「あーほら、また息止まっとるから。離れてなー」


 だから正面からハグされたら苦しいってば! 幸せだけど!

 お胸がたゆんたゆんだけど!


「あー。ごめんねぇー」

「……ぷはぁ! ハグする時は加減してください。フレイアさん胸おっきいんですから」

「んー? はーい、気をつけますねぇー」


 駄目だこの酔っ払い。何も分かってないわ。

 まー近付きすぎなきゃ大丈夫かな。


「まあ、そゆことなんで。よろしくです」

「はーい!」

「ハヤトさん、お願いしときますね」

「おう、任せとき。ちゃんと見とくから」

「頼みますー」


 ハヤトさんにフレイアさんを任せ、ついでにエイカさんをツカサさんに任せてから、その場から離れた。


 さてさて。とりあえず、私もご飯食べましょかね。

 料理長さんは腕がいいし、学ばせてもらおう。


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