疾走
2013年11月24日(日)
八日目ですけど……身体が痛いです。
やはり、昨夜は横になれなかったからか、あまり身体が休まっていないようです。
これはまずいですね……。
とはいえ、今日は八戸のフェリー乗り場を目指します!
そして、フェリーに乗り、北海道へ行きますよ!
まあ、そこまでのルートは、ネットカフェで色々と調べて、昨夜のうちに決めました。
そのメモを、そのまま載せます。
4号→395号(沖)→340→33川沿い越えて少しして→340→251→104→馬淵川越えて19→蓮沼を右
なるほどわからんとか言わないでくださいね。
見返してみると、最初は「号」をつけているのに、途中からつけていないという、自分の雑さが出ていますね。
あと、フェリーの時間も調べまして、本日最終となる、22時発のフェリーに乗ることにしました。
ということで、朝は眠気覚ましのため、コーヒーを飲みました。
そして、筋肉痛の痛みを抑える薬を塗った後、準備運動をしてから出発しました。
……いや、これは体力がやばいですね。
昨日までは体力の消耗が激しいという話をしていましたが、今日はそもそもで体力がないのを感じます。
まあ、食べれば何とかなるかと、丁度あった牛丼屋で朝食を取りました。
はい、また牛丼ですね。
そして、再び出発しましたが……やっぱり調子が乗りません。
さらに困ったことがありましてね。
これまで説明していませんでしたが、コンビニなどでいつもスポーツドリンクを買って、それを自転車にあるホルダーに付けていました。
ただ、疲れから頻繁に飲んでいたら、今日はそれが空になってしまいました。
しょうがないので、コンビニに寄るか~と思っていたら……コンビニが全然ないです。
そんなピンチを迎えて、どうしようかと思っていた時に、ここから盛岡市だということを示す案内板を通過しました。
……あれ? まだ盛岡市に入っていなかったんですか?
昨夜泊まったネットカフェ、店名に盛岡って入っていたし、そもそもで盛岡市に入ったことを知らせる看板が昨日あったような気がするんですけど、気のせいだったんでしょうかね。
それより、今は飲み物がないという深刻な問題をどうにかすることが第一です。
とはいえ、ただ走り続けることしかできないんですけど……コンビニっぽい店を発見しました。
……今日は、休みだそうです。
……この場所は、自分を殺しにきているんでしょうか?
そう思っていたら、自販機が置いてあり、普通に動いています。
そこで、スポーツドリンクと書かれた見たことない飲み物を買いました。
そして、早速飲みまして……まあまあな味でした。
うん……まあまあな味でした。
とはいえ、これで無事に復活しました!
ただ、相変わらず坂が多く、なかなか速度が出ません。
何より、体力が全然ないなという感覚は消えず、しっかりとした休息ができていないんだろうなと感じました。
そのため、少しでも休息を取ろうと、彫刻公園という場所にあったベンチでしばらく横になりました。
まあ、この周辺に学校があるようで、少ししたら学生さんが近くを歩いていたこともあり、すぐに起きました。
そんな感じで、短い休息だったんですけど、多少は休めたと実感したうえで、また出発しました。
とりあえず、二戸を目標に進んでいますが、段々とまた山に入っていっています。
というか、この旅を通して思いましたが、県境は坂というか山が多い気がします。
二戸を目指す道も同じで、ドンドンと山に入っていくせいで、坂の連続です。
そういえば、最初の頃に予定していたルートでは、ビジネスホテルを経由するつもりで、ルートを作りました。
ただ、仙台でビジネスホテルに泊まれなかったため、ルートを変更した形です。
この最初の頃に予定していたルートだと、二戸のホテルに泊まるつもりでした。
その場合、ここを夜に通過する可能性もあったわけです。
……うん、ルートを変更して大正解でした。
飲食店とかコンビニもあまりないし、リアルに自殺行為でしたよ。
仙台でビジネスホテルに泊まれなかった時、仙台駅まで行ったのは無駄だったかと思いましたけど、そんなこと、やっぱりなかったです。
ちゃんと意味がありました。
とはいえ、店が少ないというのは、大きな問題です。
そのため、北海道へ行くための、最後の難関となりそうです。
そうして進んでいると、途中で、ある看板を見つけました。
国道4号最高地点 標高458m
……え!?
これは、朗報以外の何ものでもないです。
いや、これからも上り坂はあると思いますが、もうここよりも上がることはないということです。
それは、ここから先、自然と下り坂の方が増えるということです。
そんなわけで、早速下り坂に入りましてね。
それから少し走っていると、里やま市場という休憩所を見つけました。
まあ、寒くなるに連れてトイレが近くなっていたのですが、この辺りはコンビニが少ないので、コンビニを見つけるたび、トイレに行っていたんです。
ついでに、スポーツドリンクが上着のポケットに入ることがわかったので、ストックするようにしつつ、とにかくコンビニには頻繁に寄るようにしていました。
そして、この里やま市場もトイレがあるようなので、寄ったんです。
そうしたら、気さくなおばちゃんがいましてね。
みそ味の串餅を買って食べつつ、自転車旅をしていることを話しました。
そうしたら、ここを自転車で通る人、それなりにいるという話を聞けました。
恐らく、北を目指そうと思った時、国道4号を選択するというのは、いい選択だったんだと思います。
そして、自分が国道4号を進もうと思ったのは、事故に遭った際、相手の方からもらったアドバイスのおかげで、これもちゃんと意味がありました。
また、国道4号で一番標高が高い所を越えたから、この後は比較的楽になるだろうという、自分の予想を肯定してくれるような話も聞けました。
ちなみに、ここは一戸で、九戸まであるそうですよ。
つまり、一から九まで、順番に倒していけというやつです。
まあ、目標は八戸なので、九戸に行く必要はないんですけどね。
いわゆるゲーム脳で、九戸まで行きたくなってしまいそうです。
ただ、ここはそんなゲーム脳をそのままに、九戸は裏ボスだと考えることにします。
そして、今回の目的は、エンディングを迎えるため、表ボスの八戸を目指すことです。
だから、裏ボスの九戸には行かないです。
そんなくだらないことを考えるぐらい、国道4号で一番標高が高い所を越えたという情報は、心の余裕をくれました。
ただ、心の余裕ができたからこそ、できるだけ早く、目的地であるフェリー乗り場へ行きたいという気持ちが生まれました。
先述した通り、22時発のフェリーに乗る予定ですが、チケットがあるかどうかとかの心配もありますし、できれば20時には着いておきたいです。
そのため、あまり休憩し過ぎるのも良くないと思い、軽く店内を回った後、出発しようと思ったんですけどね。
ここで、先ほど話していたおばちゃんとは違う、別の店員さんが来ました。
「手袋、落としませんでしたか?」
店に入った時など、手袋を外して、後ろのポケットに入れるようにしていました。
ただ、手袋が入っているだろうポケットを確認すると……あ、ないです!
そんなわけで、いつの間にか落としていた手袋を受け取り、感謝しつつ出発しました。
そうして進んでいくと、下り坂に入りました。
しかも、超長いです!
ということで、グングンと速度が上がります。
そこで、ふとサイクルコンピュータに表示されている速度をチラ見しました。
……何か、時速40キロと表示されている気がします。
まさに、疾走している状態ですね。
というか、普通に危ないんですけど!
まあ、北海道へ向けてのラストスパートといった気分で、このまま疾走します。
そんなわけで、上り坂も多少はあるものの、下り坂が増えてきました。
そして、途中で、自然の中を流れる川が見られる場所があり、そこが丁度開けていたこともあり、すごく良い景色を見ることができました。
前にも言った通り、ただ北海道へ行くだけなら、宮城の仙台から出ているフェリーに乗った方が楽でした。
というか、茨城の大洗から出ているフェリーでも、北海道へ行くことはできます。
でも、それらのフェリーに乗っていたら、この景色は見られなかったです。
途中、メンタルが落ちて、諦めそうになったこともあります。
でも、やっぱり自転車で、ここまで来て良かったです。
心からそう思いました。
そんな思いを持ちつつ進んでいると、案内板を見つけました。
↑二戸 →九戸
ん?
真っ直ぐ行くと二戸というのはわかるんですけど、何か右へ行くとショートカットみたいな感じで九戸に行けるっぽいです。
まあ、目指すのは八戸なので当然スルーです。
そんなこんなで……青森県に入りました!
というか、早い段階で予想していた通り、岩手県を抜けるのは本当に大変でした。
とにかく坂の連続でしたしね。
でも、どうにか抜けられました。
そうしたら、また長い下り坂がありましてね。
……また、時速40キロを超えて、疾走している状態です。
あと、途中で歩道に入りそびれて、車道を走ることになり、かなり危なかったです。
ただ、また前に山が見えまして、上り坂になるかなと思っていたら……トンネルです!
トンネルを作ってくださった方々、ありがとうございます!
いや、自然には申し訳ないですが、自転車旅をしている人のために、トンネルを増やしてほしいと心から思ってしまいましたよ。
そうして結構下っていると、市街地に出ましたが、周りは山に囲まれています。
そして、沖という信号を曲がれば、国道395号に入るという案内板もあります。
ここで曲がるのが、昨夜決めたルートなんですけど……スルーします。
というのも、ルートを決める際、ここを曲がった先に「峠」という気になる文字があったんです。
ただ、距離的には近いという理由で、このルートを進もうと思っていました。
とはいえ、実際にここまで来て、思っていたのと違うなと感じました。
周りは山に囲まれているし、明らかに山越えをする気配です。
それなら、最高地点を通過した国道4号を走り続けた方がいいんじゃないかと思ったんです。
あと、途中の電工案内板に八戸(104号)と書かれていて、距離的には80キロぐらいですし、まあ行ける距離だったんです。
そんな理由で、ここは国道4号を進み続けることにします。
ただ、途中で歩道がない場所が増えてきましてね。
これまでもありましたが、歩道が左右のどちらかにしかないとか、左右どちらにもないとか、そんなことがここでもありました。
まあ、こうした時、迂回路を進むのにも慣れましたと思いつつ、途中で横に抜けました。
しかし、国道4号は上り坂なのに、迂回路は下り坂ということで、違和感を覚えたんです。
ただ、下り坂だったので、そのまま流れで進んでしまったら……国道4号に戻れなくなりました。
ここで迷うのはきついと思いつつ、引き返して下った坂を上るのもきついです。
そのため、何とか進みながら国道4号に戻ることにします。
そうして、広い道を目指せば、国道4号に戻れるだろうと思いつつ進んでいたら、それなりに広い道に入りました。
この道が国道4号かどうか確認しようと辺りを見回したところ、案内板を見つけて……ここは、残念ながら国道104号のようです。
……国道104号?
ちょっと考えましてね。
電工案内板を思い返しつつ、ネットカフェでルートを調べた際、メモしたものを確認します。
4号→395号(沖)→340→33川沿い越えて少しして→340→251→『104』→馬淵川越えて19→蓮沼を右
というわけで、自分はしっかりと『104』と書いています。
つまり、単なる偶然ですが、国道104号に入ったのは、むしろラッキーかもしれないです。
そのため、引き返すことなく、そのまま進んでいくと……
八戸 17キロ(18キロだったかも)
なんて案内板を見つけて、マジでラッキーでした!
いつの間にか、目的地へ向かう道に入れたようです。
とはいえ、当初の予定とは別のルートで向かう分、フェリー乗り場までどうやって行くかが微妙にわからないです。
ということで、途中にあったコンビニに入りました。
立ち読みは良くないと思いつつ、地図を見て、道を確認しようとしたものの、よくわからなくて断念しました。
そして、店員さんに聞くのが早いだろうと、フェリー乗り場への行き方を聞いたんですけどね。
店員さんも、どう答えようか困っている様子でした。
最初、本の地図で説明してくれようとしたんですけど、それだとこのコンビニの位置が地図の範囲外らしく、上手く説明できないとのことでした。
ということで、テーブルに大きな地図をバサーっと広げると、それを使って説明くれましたって、そこまでしてもらっていいんですか!?
まあ、そんな驚きを持ちつつ、説明してもらいましてね。
……想像以上にわかりづらいです。
これは、しっかりと聞いて正解でした。
そうして道を教えてもらうと、自分は礼を言って、コンビニを出ました。
去り際、自転車に乗っている時に、店員さんがテーブルに広げた地図を畳むのに苦労しているのが見えて、申し訳なかったなと思いつつ、そこを離れました。
そうして進んでいると、途中で案内板に「フェリー埠頭」と書いてありました。
というか、案内板があるなら、コンビニで聞かなくても良かったですね。
店員さん、ごめんなさい。
そして、教えてもらった通り、川を越えてから右折しようとしたところ……案内板にフェリー埠頭と書かれていなかったので、違うのかなと真っ直ぐ進みました。
ただ、何かおかしいなと思いつつ進んでいくと、線路がありました。
はい、ここで道が違うと気付きました。
というのも、先ほど店員さんから地図を使って説明された時、線路までは行かないなんて説明を受けていたんです。
これを聞いた時、間違っている道を教えられても……と思いましたが、実際に間違ったわけで、本当に助かりました。
というか、店員さんも間違いやすいと知ったうえで、説明してくれたんでしょうね。
ちゃんと意味のある説明だったと気付き、改めて心から感謝しました。
ということで、引き返しましてね。
途中コンビニに寄った後、フェリー乗り場に入りました。
いや~、ついにここまで来ました!
……ガタン!
腕が~!
いや、何かすごい段差があって、知らずに突っ込んだら衝撃をもろ腕に受けてしまったんですよ。
そんな微妙な負傷もしつつ、自転車を止めると、受付のような所へ行きました。
そして、心配していましたが、普通にチケットも取れました。
そんなわけで、ここから北海道までフェリーで移動します。
ちなみに、フェリーに乗る際、自転車及びバイクは二輪車という扱いらしく、同じ場所で待機することになったんですけどね。
……自分しかいないです。
まあ、この寒くなってきた時期に、二輪車はないですよね。
それから、しばらく待機した後、案内されましてね。
自転車を指定された場所に置きつつ、フェリーに乗船しました。
ちなみに、今夜泊まるのは、二等室という相部屋とのことです。
そして、そこに入ったら、知り合い同士なのか、一緒に酒なんかを飲んでいるグループがいました。
ということで、上手くタイミングを見計らって、そのグループに入ってみました。
人見知りの人からしたら、意味がわからないでしょうけど、自分はオフ会などにも頻繁に参加しているので、こういったグループに入っていくみたいなこと、割とやっているんです。
その経験をいかして、もし良かったらまぜてくれませんか~的な感じで、まぜてもらいましてね。
まあ、相手のグループが気さくな方ばかりで、すんなり受け入れてくれました。
そこで、この旅の話とか、音楽の話とか、何なら人生論に近い話もしました。
また、この方達も札幌へ行くらしく、また明日合流して、どこかで酒でも飲みましょうといった話にも発展しました。
そのため、連絡先を聞きまして、それをメモしておきました。
まあ、あまりにも話し過ぎて、近くで寝ていた人に、うるさいと怒られてしまったんですけどね。
こんな所でも、素敵な出会いがあるんですね。
しかも、ビールをたくさんもらってしまい、500mlを3缶も飲んじゃいました。
そして、せっかくだからと甲板に出て、暗いながらも水平線と星空を見ました。
そうして、深夜1時前で、ようやく寝ることにしました。
そんな一日でした。
―――――
<サイクルコンピュータのデータ>
・アベレージ
速度: 時速14.6キロ
ケイデンス: 54
下りが多かったせいか、上昇しました。
・マックス
速度: 時速43.9キロ
ケイデンス: 100
どちらも大台です。
走行距離: 124.8キロ
総合走行距離: 673.6キロ
総合走行時間: 45時間31分41秒




