疲労
2013年11月21日(木)
五日目です。
今日は仙台まで行くのが目標です。
……仙台まで行くのが目標なんですけどね。
全然、起きれないです。
完全に疲労が溜まっている感じです。
そのため、ギリギリまでゴロゴロしてから行くことにしました。
ということで、9時過ぎに出発です。
さあ、走り始めて……やっぱり右膝が痛いです。
左脚の痛みは引いているのに、右膝の痛みだけがそのまま残っている感じです。
予想通り、右膝の痛みとは今後も付き合っていかないといけないようですね……。
まあ、頑張りますよ!
というか、昨日から下り坂が多かった分、今日は上り坂を覚悟しましょう。
ただ、それよりも問題がありまして、雲行きが怪しいです。
まあ、天気予報で今日の天気が良くないというのは知っていましたけどね。
これまでは天気に恵まれていましたが、さすがにそれも続かないようです。
そんな心配もありつつ、白石に到着しました。
相変わらず、体力の消耗が激しくなっているので、昨日の途中からこれでもかってぐらい食べまくっています。
というか、一回一回は少ないものの、間食が異様に多くなっている感じですね。
一日十食とか、普通にいけちゃうかもです。
ということで、コンビニを見つけるたびに寄る感じになっていたんですけどね。
あ……雨だ。
しかも、目の前には上り坂がある……。
この旅を通して、一番の難所が来たかもしれないです。
とりあえず、持ってきた雨合羽のうち、ズボンだけ履きましてね。
上は、昨日買った上着が防水っぽいので、このまま行きます。
そうして進んでいくと……
あ、雨が弱まりました。
というか、止みました。
ということで、早々に難所が終わりました。
ただ、ここで気付いたことがありまして、上り坂とかだと、やはり体温が上がってしまい、着込むと暑いです。
特に、雨合羽は空気が籠るようで、下しか履いていないのに、メチャクチャ暑いです。
そのため、雨も止んだので、すぐ雨合羽を脱ぎましたが、雨の中だとこうしたことも考える必要があるといった、新たな課題が見つかりました。
その後、坂が続いたものの、それを越えると、岩沼に着きました。
このまま仙台まで行けそうですが、途中でベンチを発見しましてね。
昨日は弾けなかったし、ギターを弾くことにしました。
というか、こんな状況でもギターを弾きたいと思ってしまうあたり、自分は本当にギターが好きなんですね。
そうして休憩した後、仙台に向けて、改めて出発しました。
右膝の痛みは慣れたというか、力が入らないことを考慮して、ギアを軽くするという対策をしながら行くと、まあ、何とかなりそうです。
その分、スピードは落ちますが、しょうがないですね。
そんなこんなでゆっくり進んでいき、ようやく仙台市に入りました!
この辺りは、ホテルがいくつかあるようです。
ただ、今夜は仙台駅付近のビジネスホテルに泊まる予定なので、とりあえず仙台駅を目指します。
……なんて考えていたものの、仙台駅が見つかりません。
というか、普通に通り過ぎたかもしれないです。
そんなわけで、交差点で止まっている時に、近くの女性に道を聞いてみました。
「仙台駅って、どっちの方かわかりますか?」
「センダイエキ?」
彼女の日本語は片言でして、どうやら日本人じゃないようです。
説明に困っている様子ですし、悪いことをしてしまったかなと心配になったんですけど……。
「イマ、イエニイクトコロデ、トチュウマデトオルノデ、イッショニイキマス。ツイテキテクダサイ」
仙台駅まで一緒に行ってくれるそうです。
ただ、軽く聞いた感じ、仙台駅までそれなりに距離があるようで、だったらわざわざ行かなくてもいいかなとか、そんな風にも思ったんですけどね。
せっかくのご厚意ですし、今日は仙台駅を目標にしていたこともあり、道案内をお願いすることにしました。
そうして移動している間、多少の会話をしましてね。
「ドコノクニノヒトデスカ?」
「日本人です」
「エ、ニホンジンナノニ、センダイエキワカラナインデスカ?」
いや、ここに来るの初めてなんですけど?
日本人=日本のすべてを知っているわけじゃないんですけど?
そんなツッコミを心の中で入れつつ、その後も会話しながら進みましてね。
彼女は、先月から日本語の勉強をするために、中国から留学してきた方でした。
まあ、ニュースで中国の反日運動が……という報道があったのを思い出しましたが、少なくとも彼女は、こうして初対面の自分を道案内してくれる良い方で、日本を嫌っている感じじゃなかったです。
年齢はわからなかったものの、キレイな方で、片言ながらも色々と話してくれる、気さくな方でした。
まあ、日本語は勉強中で難しいと言っていたので、こっちの言葉が通じなかったり、反対に彼女が何を言っているかわかりづらかったりってこともあったんですけどね。
駅までどれぐらいで着くかとか、どこに住んでいるとか、北京や上海はオススメだからいつか行ってみてくださいとか、荷物が重そうだとか、そんなことを彼女が言っているのは、伝わりました。
反対に、ニーハオとシェイシェイしか中国語はわからないな~とか、上海蟹は食べてみたいんですよね~とか、そんなことを自分は話しました。
まあ、自分が自転車で北海道を目指しているという話もしたんですけど、それは上手く伝わらなかったみたいで、彼女はずっと首を傾げていました。
そんな微妙なコミュニケーションでしたが、これまで自分は一人で走り続けてきましたからね。
こうした形で、一時的とはいえ、並走してくれる人ができたというのが、すごく嬉しかったです。
まあ、彼女が信号のない所で普通に車道を横断して、数日前に事故に遭った自分としては、ハラハラな感じだったんですけどね。
彼女の案内で仙台駅に着き、ここで彼女とは別れました。
最後に自分が「シェイシェイ」と言ったのに対して、彼女は「バイバイ」と返して、最後まで微妙なコミュニケーションでしたが、それが何だか楽しくて、思わず笑ってしまいました。
それから、軽く仙台駅付近をうろうろした後、某牛丼チェーン店でカルビ丼を食べました。
そうして食事を終えた後、ホテルに行ったところ、トラブル発生です。
今夜、自分はこの付近のホテルに泊まる予定だったんですけどね。
「予約とかしていますか?」
「え?」
「すいません、今夜は空き部屋がなく……」
……詰みました。
この辺り、ホテルが異様に多いなと思うほどあったので、どこかには泊まれるだろうと思っていたのに、どこへ行っても空き部屋はないと言われました。
また、予約をしていないなら、どこのホテルも泊まれないだろうなんてことまで言われてしまいました。
ということで、この付近にあるホテルに泊まるという、昨日立てた計画は、完全に破綻しました。
普通にやばいですね……。
まあ、それならしょうがないということで、若干仙台駅に来たことを後悔しつつ、素敵な出会いもあったからいいや~と前向きに考えましょう。
そんなわけで、国道4号に戻ろうと思ったんですけど、普通に迷いました。
そのため、近くを歩いていたおじさんに道を聞きました。
「すいません、国道4号に出たいんですけど……」
「え、4号!?」
ああ、そうですよね。
普通、道を聞く時って、目的地を聞きますもんね。
国道4号という、道そのものに行く手段を聞いてくる人なんて、あまりいませんよね。
おじさんの驚いた反応から、そんなことを感じつつ、一応道は教えてもらえました。
そうして進んでいると、カラオケ店を発見しました。
そのため、フリータイムを利用して、いつまでいられるかを確認しました。
しかし、フリータイムは3時までとのことで、ここはスルーしました。
その後、すぐに別のカラオケ店を見つけて、そこでも同じ確認をしました。
すると、ここのフリータイムは4時までとのことでした。
この時点では、まあ、いいかな~と判断しまして、外に荷物を置いているので、それを取りにいってきますといった形で、一旦店を出ました。
そして、すぐ店に戻ろうと思ったんですけどね。
……いや、ネットカフェを探します。
急に考えが変わり、店員さんに荷物を取りにいくと言ったまま、その場を立ち去りました。
店員さんからすると、戻ってくるはずの人がいくら待っても戻ってこないという、不可思議なことが起こったわけで、マジでごめんなさい。
ただ、とにかく疲労がひどいので、一睡もできなさそうなカラオケ店で一夜を過ごすという選択はできないと思ったんですよね。
そうした理由もあり、さらに少し進むと……やっとネットカフェを見つけました!
ということで、入ります!
まあ、何故ネットカフェに拘ったかというと、昨日立てた計画を早速見直すためです。
結果的に、仙台駅まで道案内をしてもらったことで、ホテルに泊まれないという事態になったわけですけど、そうした可能性があると知ることができたのは、大きなことです。
これからさらに北を目指すわけで、季節的にも寒くなっていきます。
そうした中で、このような想定外は、できる限り避けたいです。
那須の時みたいに、ヘトヘトになった状態で、泊まれる所が見つからないなんて状況になったら、冗談抜きで命にかかわります。
仙台駅に寄ったことで、無駄に走ったというのは事実です。
ただ、仙台駅まで案内してくれた人との出会いがなかったら、こんなリスクがあると気付くことはできませんでした。
だから、今日の出会いも、必要なことだったように感じます。
そして、これから改めて今後のルートを考えます。
そんな一日でした。
―――――
<サイクルコンピュータのデータ>
・アベレージ
速度: 時速14.4キロ
ケイデンス: 51
ドンドン落ちる速度……。
・マックス
速度: 時速37.6キロ
ケイデンス: 94
更新なしです。
走行距離: 104.6キロ
総合走行距離: 362.0キロ
総合走行時間: 24時間44分12秒




