<100話目記念>番外、「質問に答えないと出られない?」ふーん、おもしれー部屋
<あらすじ>
王都の宿屋にて宿泊中の魔王様御一行。
ふと気付くと、彼らは何故か真っ白い部屋の中にいた!
扉は一つしかない上に不思議な力で閉ざされていて、魔王様のアホみたいな馬鹿力を以てしても開く事は出来ない。
部屋の中央に置かれた巨大水晶には「質問に答えないと出られない部屋(嘘は厳禁。パスは一人三回まで)」と映し出されており、従うしかない状況であった。
導入が雑だって?
伝われば何でも良いんだよ!
◇
(魔王様視点)
うぅむ……全くもってよく分からん状況だが、差し当たって危険は無さそうである。
「どーする? 答えちゃう?」とグルオに視線を送ると、奴もまた渋々といった様子で頷いた。
「仕方ありませんね。犯人の目的は分かりませんが、さっさと終わらせましょう」
怯えるカロンと呑気に水晶の種類を調べるエーヒアスを促し、俺達は直径一メートルはあろうクソデカ水晶を取り囲むように立った。
水晶内の文字がウニョリと変化していく。
どうやら質問とやらが始まるらしい。
我々は無駄口もそこそこにサクサクと回答していく事にした。
◇
Q1、皆の好きな色は? 理由もあれば是非。
回答者、マオー
「黒は落ち着いて良いが、白も清潔感があって良いな。利便性を考えなければ深緑が一番好きだ。馴染み深い色だからな」
回答者、グルオ
「白。汚れが目立つのは助かる」
回答者、カロン
「明るい色が好きです。オレンジ色とか元気が出ます!」
回答者、エーヒアス
「銀色かしら。なんだか落ち着くのよね」
Q2、マオー様の兜、本当のところ皆はどう思ってる?
回答者、グルオ
「…………(必要な物とはいえ)邪魔そうだなぁとは思いますね」
回答者、カロン
「始めこそ『変な兜だし、鬱陶しいから脱げば良いのに』と思ってましたが、無理強いは良くないですからね。いくら私でも詮索する程野暮じゃないですよぅ」
回答者、エーヒアス
「第一印象は癖が強いというか、目立つなぁとは思ったわね。例え周りが気にしなくても、本人が気にしてるなら触れないのも優しさだと思うわ」
「え、もしかして俺、女性陣から禿げてると思われてる?」
Q3、皆の好きな異性のタイプは?
回答者、マオー
「優しくて一途な黒髪清楚の巨乳美人!」
回答者、グルオ
「私は家庭的なブロンド女性(美人だとなお良し)です」
回答者、カロン
「うーん……優しくて頼りになる、カッコいい人ですかねぇ?」
回答者、エーヒアス
「無邪気で面白い人が良いわ」
Q4、マオー様は好みの女性(黒髪清楚な巨乳美人)と実際にお付き合いした事はあるの?
回答者、マオー
「キレそう」
「今のが魔王様の答えのようです」
Q5、グルオの初恋相手はどんな方?
「パスで」
「早っ!? 先生、もう少しパスは慎重にした方が……」
Q6、カロンの家族はいるの?
回答者、カロン
「シューバン大陸に両親と姉二人と兄がいます。実家は村の配達業者で、上の姉は結婚していて、下の姉は絵描き見習いです。兄は村で塾講師(非常勤)をしてます」
Q7、エーヒアスは恋人いた事ある?
「無いわよ。皆と旅する前はずっと師匠と鍛冶の修行に明け暮れてたし。もし恋愛に現を抜かしていたら師匠の鉄拳が飛んでたでしょうね」
Q8、マオー様とグルオはファッションにこだわりあるの?
回答者、マオー
「俺は黒系統でカッチリした服が多いな。マントは深緑色のが気に入っていたが、レオの家で駄目にしてしまった。今は刺繍の入ったえんじ色のマントがお気に入りだ」
回答者、グルオ
「動きやすければ別に何でも……軍手やゴム手袋はその日の気分によって使い分けてます」
Q9、このパーティーで旅していて、一番しんどかった事は?(全体質問)
回答者、マオー
「やはりG……いや、この話は止めておこう」
回答者、グルオ
「ギャンザク邸でのドールザー戦ですかね。普通に強い相手でしたし、個人的に思う事も多い現場だったので」
回答者、カロン
「ん~、色々と怖い思いも大変な思いもしましたけど……あ、モチット町で人質になった時とかはとても怖かったです!」
回答者、エーヒアス
「ギャンザク邸での一件が辛かったけど、パーティー加入後ならお城でのG駆除かしら? あとはある意味ナルサーノさんの歌ね」
Q10、恋人にして欲しい事は?(全員お答え下さい)
回答者、マオー
「そりゃもう優し~く癒やして欲しいよな。……何をどうとは言わないけど。あとは清潔感を保って欲しい位か。楽しくお喋りしまくるのも良いよなぁ」
回答者、グルオ
「仕事に口を出さなければ特にない」
回答者、カロン
「えっと、美味しい物を食べに行ったり、綺麗な景色とか見に行きたいです。デ、デート……ってやつですね。えへへ」
回答者、エーヒアス
「そうねぇ。鍛冶仕事に寛容である事は大前提として……疲れた時に労って欲しいかしら?」
Q11、マオー様はお風呂で体を洗う時どこから洗う?
回答者、マオー
「何この質問、怖っ。まずは両手だな」
「えぇ……ちょっと独特過ぎません?」
Q12、グルオの夢はなんですか?
「…………」
「どうした、グルオ。早く言え」
「全員、部屋の隅に行って強く耳をお塞ぎ下さい」
「「「いやどんだけ」」」
~全員離れて強く耳を塞いだのを確認後~
「魔王様の伴侶となる方と御子をこの目で見る事と、自分亡き後も魔王様を支えられる後継者を見付け、育て上げる事です(小声早口)」
Q13、カロンは一流の魔法使いを目指しているそうですが、弱い魔物が多いサイッショ大陸に着いたらどうするの?
「え? そりゃ勿論、魔法使いとしての実力をつけて……えっと……あれ?」
「フフッ。カロンは私と同じで旅そのものが目的な所があるわよね」
「確かに! えっと、えぇと……か、考えておきます!」
Q14、エーヒアスはマオー様やグルオを好きになったりしないのですか?
「ないわね」
「無慈悲か? 泣くぞ」
「二人には恩があるし、特にマオーさんは仲間に誘ってくれて感謝してるわ。優しいしね。先生も何だかんだ新商品開発でお世話になっているけど……」
「……けど、何だ? 平日は鼻毛出てるとか?」
「流石に怒りますよ、魔王様」
「単に好みじゃないのよねぇ、二人共」
「なら仕方ない!(壁殴り)」
Q15、皆の好きな食べ物の傾向は?
回答者、マオー
「俺は割と食に関しては適当でな。強いて挙げるならぬるい麦茶と新玉ねぎの
「ブベックシュン!(※カロンのクシャミ)」
……が好きだな。あとカロンの作る食事は基本何でも美味い」
回答者、グルオ
「肉料理全般」
回答者、カロン
「シチューとかスープとかの温かい汁物です。ホッとして元気になります! あと、お菓子は何でも大好きです!」
回答者、エーヒアス
「今真っ先に浮かんだのはカロンの作る肉野菜炒めね。それと普通に甘いものが好きよ」
Q16、カロンに質問です。コエダにプレゼントするならどっち?
A)程よく柔らかな土入りの植木鉢
B)程よく乗り心地の良いマオー様の肩
回答者、カロン
「いやもう、これはA一択ですよ。植木鉢なら鉢ごと抱っこして移動出来るじゃないですか。マオーさんにコエダを独占なんてさせません!」
Q17、皆さんはこの旅で出会った異性の中で、デートするなら誰が良い?
回答者、マオー
「今までの流れでエーヒアスを指名できる奴、いる? いねぇよなぁ。ラピスは固いし、フュベルダ嬢も癖強そうだし……そもそも女性とそんな出会ってない件。つらたん」
回答者、グルオ
「パs……じゃあカロンで」
「今完全にパス出し惜しみして適当に妥協しましたよね!?」
回答者、カロン
「えぇ~……先生と出掛けても洗剤とかの荷物持ちさせられるのが確定ですし……じゃ、じゃあ、いつもつるんでるマオーさんで。ほら、扱い馴れてますから!」
回答者、エーヒアス
「ユートかしら。面白そうだもの」
Q18、マオー様はどうして潔癖症になったんですか? いつからかも教えて下さい。
「特にこれといった切っ掛けのようなものはないな。幼い頃から綺麗好き……というより、汚い物が嫌いでな。成長するにつれ汚れへの嫌悪が増していった感じだ。ずっとそれが普通と思っていたのだが、ある程度成長してから『自分は潔癖症なのだ』と改めて自覚させられた」
「? 自覚する強制イベントでもあったんです?」
「……つまる所、グルオとか友人が出来たって事だな」
「??」
Q19、グルオはマオー様の正体wをいつ知りましたか? また、その時の反応はどんな感じでしたか?ww
「……(なぜ草を生やした?)確か出会ってから二、三年後くらいか。あまりにも怪しかったので私から聞きました。大体予想通りだったから特に驚きはしなかったです」
「???(やっぱりマオーさんって高貴な生まれなのかなぁ?)」
Q20、皆の宝物を教えて下さい。
回答者、マオー
「あまり物に執着しない故、改めて聞かれると難しいが……人から貰った物が宝になりがちだ。最近なら誕生日にコエダがくれた雑草(押し花に加工済み)とか、エーヒアスがくれた『けやきの剣(仮)』とかな」
回答者、グルオ
「……(掃除道具の入った圧縮魔法鞄を持ち上げて)……仕事道具です」
※この鞄は昔グルオの昇進祝いに魔王様が贈ったものです。
回答者、カロン
「えへへ、やっぱりエーヒアスが作ってくれたこの杖ですかねぇ。あとこの帽子も宝物です。家を出る時に家族がくれたんですよ~」
回答者、エーヒアス
「武器にしてるハンマーよ。仕事用とは別にしてる古い物なんだけど、師匠のお下がりだし……色々思い入れがあるのよね」
Q21、コエダが一番懐いてるのは誰?
回答者、マオー&カロン
「「俺(私)だな(です)!」」
Q22、皆の習得言語と学習法を教えて!
回答者、マオー
「まぁ……主だったものは人語と魔物言語だな。エルフ言語は二種類で、一つは簡単な読み書きしか出来ん。あとは古代文字を二種読める。簡単なドワーフ文字も読めるぞ。なにせ時間があったのでな……幼い頃よりじっくり詰め込ませて頂いた。リスニングと話す事が苦手な言語が多いのは、本で得た知識が多いからだろう」
回答者、グルオ
「……(人間と魔物の)共通語位のものです。生活で必要となれば嫌でも勝手に覚えます」
回答者、カロン
「マオーさんの教養がエグい! 私なんて(人間の)共通語だけですよぅ」
回答者、エーヒアス
「私は(人間の)共通語と、エルフ言語が挨拶程度ね。エルフ言語は使わないから殆ど忘れちゃったの。その点、ドワーフ言語は話せないけど読めるわ。師匠のくれる教材は全部ドワーフ言語で書かれてたから」
Q23、コエダの特技は何ですか?(代理で魔王様がお答え下さい)
回答者、コエダ
「キ?(両枝をワサワサ振りながら)キィ、キー!」
代弁者、マオー
「歌……いや、ダンス……? のようだ。たぶん」
Q24、魔族や半エルフの寿命ってどの位なの?
回答者、マオー
「さ……さぁな。一説によると魔族は何百だか何千年だかは生きられると聞いたな。俺は一般人だからよく知らんけど」
回答者、エーヒアス
「人間とエルフの間に生まれた子の寿命はかなり個人差があるそうよ。人間寄りなら数百年、エルフ寄りなら何千年とか。私がどちらの血を濃く受け継いだのかは、その時にならないと分からないわね」
Q25、仕事以外の皆様の趣味、特技を教えて下さい。
回答者、マオー
「日記……とか? 絵を描くのも好きだぞ。最近ならそうだな……広場のイベント参加が楽しかった。早口言葉ダンスバトルとか裏声しりとりコンテストで優勝したしな」
回答者、グルオ
「趣味は食う事。特技は掃除以外だと特にない」
「おま……特技なしは流石に謙遜が過ぎない?」
回答者、カロン
「趣味はお料理とお散歩がてらのウインドウショッピングです。一番の特技はファイアの魔法です!」
「おま……あの火力で特技はおこがましくない?」
回答者、エーヒアス
「趣味は木彫りとヘアアクセサリー集めね。特技は鍛冶以外だと何かしら……あ、親指が腕につけられるわ(ぐにぃっ)」
Q26、皆さんの弱点や苦手な物、嫌いな物はなんですか?
回答者、マオー
「言わずもがな、不衛生なもの、不潔なものだ。あとはそうだな……不自由で窮屈な事が嫌いだ」
回答者、グルオ
「飢える事と酢が嫌いだ。酢は清掃には使うが飲む奴の気が知れない。あとは……人の唐揚げに勝手にレモンかける小娘だな」
回答者、カロン
「ヒェェ、今朝はすみませんでしたぁ! えっと、えぇと……やっぱり戦う事とか、大声で怒鳴る人は苦手ですかね。虫もマオーさん程ではないですけど、気持ち悪いのはちょっと無理です~」
回答者、エーヒアス
「型にはまった堅苦しい事と料理が苦手ね。他人にあれこれ指図されるのも嫌だわ」
Q27、皆さんの持ち物は何ですか?
回答者、マオー
「えーと、左腰に剣、右腰に圧縮魔法鞄位だな。ちなみにポーチの中身は着替えとかの日用品と財布、父上の形見に薬草や聖水、メラミンスポンヂなんかが入っている」
※聖水とメラミンスポンヂについては第一章3話参照
回答者、グルオ
「ベルトや上着の下にナイフを仕込んでいます。ショルダー型の圧縮魔法鞄には旅に必要なアイテムのアレコレや魔王様用の折りたたみベッドなんかが入っています。肩掛けの圧縮魔法鞄は仕事道具専用です。そして腰回りの小さな圧縮魔法鞄には魔王様からの預かり物(マイホーム資金)が入っています」
回答者、カロン
「私の武器はエーヒアスが作ってくれた白い杖です! 鞄は小さな肩掛けの鞄で、可愛くてお気に入りなんです。日用品とか着替えとか、料理道具と食材、回復薬なんかがギッシリ入ってるんですよ!」
回答者、エーヒアス
「私はポーチを三つ(腰回りの左右と後ろ)提げているわ。一つは生活用品とアイテム、武器のハンマー入れ。二つ目は仕事道具入れ(かまど、熔鉱炉、金床等)で、三つ目は素材や燃料、作った商品なんかをしまっているの」
「何度聞いても持ち物が常軌を逸している件」
Q28、皆さんに最後の質問です。仲間一人一人に対する思いを教えて下さい。
回答者、マオー
「うわダルっ! えーと、グルオは有能すぎて腹立つが良い奴。カロンは手が掛かるが、ほんの少し強くなってきた。エーヒアスはまた変な男に目を付けられないか心配。コエダは可愛いうちの子だ」
回答者、グルオ
「……魔王様は面倒事を持ち込まないで欲しいです。カロンは清掃力に見所があります。エーヒアスは新商品の開発で役立ちます。コエダは魔王様とカロンのペットとしか思ってません」
回答者、カロン
「マオーさんは普段ふざけててアホっぽいけど、いざという時は頼りになります。先生は厳しいけど、基本的にいつも頼りになります。エーヒアスも優しいし、たまに悪ノリしてて面白いです。コエダは可愛いです!」
回答者、エーヒアス
「マオーさんは強いけど、ふざけてばかりだから底が知れないのよね。先生は素直じゃない頑固者ね。カロンは少し手のかかる妹みたいな存在よ。コエダは可愛いわ」
◇
全員の回答が済んだ所で、水晶に「お疲れ様でした。どうぞお帰り下さい」の文字が浮かびあがる。
──カチャリ。
ふいに扉から鍵が開く音がした
かなり長い質問タイムだったがどうやら本当に終わりらしい。
それでも警戒しまくるグルオを軽く押しやり、俺はゆっくりと扉に手をかけた。
キィィ──と扉が軋む音にコエダが反応する。
「キィ、キィ!」
「ほぅ、トレントも遠吠えするのか……って、ん?」
扉を開けた瞬間、眩い光が室内に差し込んだ。
いやマジで何も見えん!
目が、目がぁ!
仲間達の驚く声と共に、俺は秒で意識を失ったのだった。
◇
「ハッ!?」
俺は一体何を……?
確か早く仕事が終わってヤッター! と浮かれてた事までは覚えている。
宿屋の一室に手を掛けているという事は、今帰ってきたって事だよな?
なーんか記憶が曖昧なのは何でだ?
パトロール疲れか?
背後ではカロンもぼんやりとしているし、きっと疲れが溜まっているのだろう。
何か忘れてるような気もするが、きっと気のせいだ。
それはそうとこの日は何故かグルオとエーヒアスも帰宅が早く、皆して首を傾げる不思議な日であった。
ま、そんな日もあるわな(適当)
<あとがき>
質問内容は作者によるものと、期間限定で活動報告のコメント欄やメッセージで募集していたものを順番シャッフルして採用しております。
コメント下さった方、メッセージ下さった方、誠にありがとうございました!
◇
さて、魔王様の旅も終盤に差し掛かってます。
引き続きお付き合い頂ければ幸いです。
改めまして、ここまでお付き合い下さった全ての方に全力の感謝を。
本当にありがとうございます!




