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後日談 狛田 琴音編  嫌悪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



〇狛田 琴音 嫌悪



東北の田舎に向かう平日の電車とあって席はガラガラだった・・・しかし・・・


「俺は、2年の相馬そうま 明憲あきのりだよぉ、隣の袴田はかまだ さきの彼氏で~す!」


「てめぇ~彼女もちは死ねぇぇ」


「あはは!明憲ってばやめてよそんな大声で」


この状況は・・・4人掛けの席で私の目の前にさっき自己紹介した相馬君、その隣にチームメンバーの袴田さん、そして・・・


「はいは~い!俺は明憲と同じ2年の黒原くろはら 崇哉たかやでぇ~す!じぁ俺も琴音ちゃんの彼氏になっちゃうぅぅ」


「ちょっと・・・やめて下さい・・・困ります・・」


隣からやたら私の肩に手を回してきてブラの紐を服越しに触ってきたりする・・・嫌だ・・気持ち悪い・・・


「それじゃ琴音ちゃんも自己紹介してねぇ」


袴田さんから急に話を振られ・・渋々自己紹介する


「1年の狛田 琴音です・・・」


「あ、あははは・・・琴音ちゃんてもしかして緊張してる?」


『ちょっとぉ!琴音ちゃん、もう少し愛想よくしてくんなきゃ気まずくなるじゃん!!』


「ご、ごめん・・なさい・・」


通路を挟んだ他の男女4人もお互いに自己紹介しながら楽しそうに談笑していた・・・が・・・


「ちょ・・ちょっと・・やめて下さい・・」


目の前にすわる相馬君がワザと私の足の間に自分の足を入れようとしてくる・・・


小声で注意するが、隣の彼女の袴田さんが通路を挟んだ友達と談笑してるのを良い事にこっちを厭らしい目で見ながらニヤニヤして避けても避けても足を入れてこようとする・・


隣の黒原君は通路を挟んだ友達と話すふりをして私の腰から胸を触ろうとしてくるのでそっちも手でガードしていた


3時間の電車の移動は正に地獄だった・・・・


ようやく目的の駅に着くと、私は安心からか少し油断をしていて目の前の人にぶつかって、尻餅をついてコケてしまった


「っっ・・あ、すいません・・・私、ぼ~としてて・・・」


「いえいえ、此方こそ・・・お怪我はありませんか?」


そう言いながら手を差し伸べてくれた人は、「え?剣兄?」


目の前に居るのは、切れ長の目元に高身長のずっと会いたかった、剣兄






・・・・・・では無かった・・


「あ、すいません・・・知り合いに似ていたもので・・・」


差し出された手を取り起こして貰うと目の前の男性は剣兄に良く似てるけど、茶色いパーマがかった髪や目元にある黒子など、剣兄とは別人だと判る


「そうですか・・でも、田舎の駅で人も少ないとは言え気を付けて下さいね・・・って僕もつい最近越してきて土地勘もあまり無いんですがね」


そう笑う顔がどことなく剣兄に似てる気がした


「ちょっとぉ!琴音ちゃん置いてくよぉ!!」


駅の入り口で袴田さんが怒ってる・・・私は目の前の男性に頭を下げると荷物を持ち袴田さんたちと合流した


すこし駅から歩いた所に見える旅館が今日泊まる旅館だ・・・が


「えっと・・・相馬さん達もここに泊まるんですか?」


当たり前の様に私達と同じ旅館に入る男性陣に尋ねると


「何言ってんの?当たり前じゃない、この旅館俺達が予約したんだからぁ」


「あれぇ?言って無かった?ごめ~ん、私こういうの苦手でさぁ明憲に任せちゃったのぉ」


私の心配をよそに目の前でイチャつく二人に何も言えないでいると・・・


「早く部屋にいこぉ」


袴田さんに手を引かれて、旅館の中に入って行く・・・





案内された部屋は・・






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