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第27話 義兄から託された物

●時間は遡り、剣一が狛田家を出ていって数日後


剣兄が私達に絶縁を告げ家から出ていってから、毎日のように母から学校で義兄に会って謝罪して

家に戻ってもらう様、キツく言われる。


「琴音!いつになったら剣一君帰ってくるの!?」


「学校でも、その・・・目も合わして貰えなくて・・・」


「そんなのアンタが剣一君に酷い態度を取ってたせいでしょうが!何とかしなさい!!」


「この際、色仕掛けでも誘惑でもして、とにかくこの家に連れて来なさい!」


「・・・・」


実際に学校ではすれ違っても無視され、声をかけても振り向きもしてくれない

今さら学校で不動先輩は義兄でしたなんて口が裂けても言えない

それから暫くして、剣兄が入院したと学校で噂になった

何とか連絡したかったがことごとく打つ手が無い

聞くと軽いストレスと過労という事だったので心配は心配だが大人しく回復を願う事にした

そんなある日帰宅すると、家の前に大きな車が停まっていた、

気になり中の様子を伺おうとしたら、急にブラインドのドアが開き中から、ミディアムショートの目元のキリッとしたスーツ姿の美女が顔を覗かす


「失礼ですが貴方、狛田 琴音さんでお間違え無いでしょうか?」


私は警戒していて、直ぐに返事をしなかったが、私の様子に納得したのか車のドアを開け降りて来て、私の前に立つと深々と頭をさげ名刺を差し出す

「私、エンシェントジャパンに所属する顧問弁護士 三船みふね 創子そうこと申します」


「あ、いえ、その弁護士さんが、私に何か御用でしょうか・・・」


すると三船さんは一枚の茶色い封筒を差し出してきた


「これは?」私は受け取らずに三船さんに問いただすと


「我々の代表である、不動 けんいち様よりお預かりして、あなたに渡すように託りました」


私は驚く・・剣兄・・会社の代表もしてるの・・素早く三船さんから封筒を受け取るとクルクル回して確認したすると【雫様へ】とだけしか書かれてない


「!?こ、これ!私宛てでは無いの?」

私は剣兄から私宛ての手紙だと思ってドキドキしていたが、宛名が雫ちゃんへとなっていて内心ガッカリした。


「いえ、不動様は間違いなく琴音さまにお渡しする様にと仰りました・・」


剣兄の真意が判らない・・何故本人に渡さないのか・・


「あ、あの・・剣兄・・・不動さんへは・・直接お話しは出来ませんか?」


「申訳御座いません、不動様は狛田家と姫野家の誰ともお会いになりません、ご要望にお応えできず申し訳ございません」


そう言うと三船さんは再び深々と頭を下げる


「では私の用事は済みましたので、ここで失礼致します、突然お呼びたてして申訳御座いませんでした」


もう一度軽く会釈すると、車に乗り込みブラインドになっているドアが閉まっると静かに車は発進していった



私は手紙を暫く眺めて、ふと兄の部屋だった所の窓を見上げる・・


これは・・剣兄に試されてるのかもしれない・・雫ちゃんの手紙を勝手に見てしまうか

そもそも渡さないか

姫野家のポストに投函してしまうか

雫ちゃんに手渡しするか


剣兄の用意した道は4通り・・

どれを選ぶのか、そもそも正解があるのか又は全部不正解なのか・・・












私の決断は・・・・・



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