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いきなり音楽教室  作者: marron
うちの子編
66/200

16、聞こえる耳


ウチの子自慢をまた書く。

ウチにはあす君という超音感の良い子がいる。多分、私よりもずっと音感が良い。

あす君は何でもハモる。

一度曲を聞けばだいたい覚えるので、次に聞くときにはもうハモりを入れられる。


(すずめ)ちゃんが学校で習ってきた合唱曲を歌っていると、次の回からはもうあす君がハモりを入れている。でも、オリジナルハモりなので、合唱曲とは微妙に違うらしい。

そこで、学校から楽譜をもらってきて、私が伴奏してあげると、音楽室のように子どもたちが集まってきて、歌い始める。

とても楽しい、家族の時間である。



あす君にどうやってハモりをつけるのか聞いてみると

「僕は倍音が聞こえるから、そのとおりに歌う」

と言う。

倍音が聞こえる耳。

これは普通、訓練しないと聞こえてこない。いや、本当は聞こえているのだけど、それを意識するのは難しいし、意識して聞こえたところで、その通りに声を出すのもとても難しい。

私たち音楽家は、技術として訓練してできるようになるけれど、あす君はそれが自然とできる、なんとも羨ましいヤツだった。


ああ、うらやましい。

うらやましい。

母の心の声は、あす君には聞こえるだろうか。


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