表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

もう謝るしかない(お題:残念な小説の書き方)

 書きかけの小説があるのに、新しいネタが浮かんでしまってそっちを書き始める。そうしていると違うネタが浮かんで、書きかけの小説を放り出したまま、また違う小説を書き始める。

 一つも完結させられないまま、書きかけの小説ばかりが増えていく。


 言い訳しか浮かばない。

 これは小説なのか実体験なのか。


「なんだっていいじゃないの。書きかけを他人様に見せなければいいんでしょ! 完結したものだけを晒せばいいじゃない」


 部長に怒られた。


「完結したものがないんですう」


 僕は自嘲的に笑う。


「だったら、い・ま・完結さ・せ・な・さ・いよ!」


 部長が僕の制服のネクタイを引っ張って吊し上げる。

 喉がしまって「苦しいです。やめてください」とも言えない。

 このままあの世に行ってしまえば楽になるかな。

 そう思っていたのに、部長はトドメを刺さなかった。


「センセイが逃げ出しちゃったんだから、あんたがなんとかしなさいよ」


 部長が無茶ぶりする。


「僕の仕事は小説家ではありません」


 そう、僕の仕事は編集者。作家に逃げられた編集者。文芸部出身の文章模写だけがやたらに上手い編集者。作家の家に散乱する原稿をかき集め、小説の欠片を拾い集めて仕立て上げろと部長が命令する。

 そんなこと、できるわけないだろう。


「大丈夫! あんたはコピペの神だから」


 編集部に二人きり。

 嘘っぱちの原稿を仕立て上げれば特別報酬を出すという。


 展開に困ったら、SFかエロで落とす。

 それも残念な小説の書き方。書き方が残念でも読んで面白ければそれでいいのだ。

 面白くなければごめんなさい。




文字数:696字

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ