表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人人人皿毒  作者: 禍影
3日目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/95

49

 特に当てもなく、無駄に広い白一色の空間を練り歩く。

 一応やることは決めたものの、目的の人物がどこにいるのかは分からない。ムクロの案内がなくなった以上、とにかく足を動かして知っている人物に出会うほかなかった。

 一定間隔で置かれている一人用の個室トイレで用を足したり、誰が持ち込んだの分からない所有者不明のサッカーボールを蹴ったりしつつ、目的の人物――綾崎を求めて歩みを進める。

 なかなか人に遭遇できないことに不満を覚えつつも、見逃しのないよう集中力は切らさない。その甲斐あってか、まもなく二人の人物を視界に捉えた。

 綾崎の居場所を聞くために話しかけようとするも、ここがどういった場所だったかを思い出す。不用意に喋りかけた相手が、芥川のようにヤバい相手だったら。取り敢えず様子を見てみようと、近くにあった謎の巨大ぬいぐるみ(クマ)の後ろに隠れ様子を窺う。

 少し目を凝らすと、その二人が自分の知っている人物であることが見て取れた。一人はかの芥川。相も変わらず清々しい笑みを浮かべ、友好的に話しかけている。もう一人は頭に包帯を巻いた神月。頑丈だと言っていたのは嘘ではないらしく、痛みを感じていないかのような飄々とした態度で芥川に接している。

 正直どちらも話しかけたくない相手。ただ、この二人がどんな会話をしているのかはとても興味があった。

 俺は巨大なクマのぬいぐるみを押して少しずつ前進。二人の会話が聞こえる距離まで徐々に近寄って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ