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46 恋愛相談

名駅のおしゃれカフェ

窓から差し込む光が、テーブルのラテの泡をぼんやりと照らしている。



カップを握ったまま、目の前の麻美を見上げる。

「……好きなんだよね、松永さんの事」


麻美は一瞬だけ眉を動かし、それからため息をつく。


「マナ」

「……うん」



「やめときなよ」

はっきりと言われて、マナの指がカップの縁を軽くつつく。


「……でも」

「でも、じゃないよ」


麻美は静かに、けれど強い声で言った。



「10歳以上年上!バツイチ!職場の人!」


麻美は指を折って数えながら、マナに視線を向ける。


「その人、マナと同じ目線で恋愛を考えてないと思うよー」

「……うぅ」



「じゃあ、なんで?」

その問いに、マナは言葉を詰まらせる。



「だって……好きだし」


「好きなら何?」


麻美は少しトーンを落とす。

「向こうは何も言ってこないんでしょ?」



「……うん」

「じゃあ、片思いじゃん」


マナは黙り込む。


「それなのに、なんで期待するの?」

「……この前、『俺の事もう少し頼れ』って言われたから」



「うーん…シェフだし、年上だしさーそれくらい言うんじゃない?」


麻美はゆっくりラテを飲む


「その優しさが特別って、思い込みじゃない?」


マナは言葉が出なかった——。



「マナ、私がこんなこと言うの、嫌?」


「……ちょっと」

「だよね。でも、友達だから言うよ」



麻美はふっと息を吐く

「私は、マナが傷つくのを見たくない、それだけなんだよー」


その言葉に、マナの胸が少し締め付けられる


「片思いのままならいいよーでも、本当にそれでいいの? ずっと?」


「……。」


麻美は、静かにラテのカップを置く



「マナー、恋愛相談あるからって言われて

今日すごく楽しみにしてて、私が持ってる知識で全力で応援しようと思ったけどー」


「バツイチはやめたほうがいいよー。もしかしたら結婚したら、浮気したり、暴力とかなんかあるかもよ?借金とか……」


「そういう人に見えないけどな……」


「10歳以上離れてたら妹みたいにしか、絶対見てないってー、マナ可愛いし、めっちゃ良い子だし、他に良い人いるよー」




第三者からみたらそうなのか…

と少し落ち込んだ。


「彼の職場で良い人いたら紹介してもらおうかな」

麻美は1ヶ月前から3つ年上の警察官の人と付き合ってる



目を細めて苦笑いしながら

「マナの親族に…犯罪者とかヤクザさんとかいないよね?」


「えっ…」


「警察官と結婚する場合、身辺調査されるらしい」

「そっそうなの……でも…良いや…ありがとう」


「いつでも合コンとか紹介するから!私はマナの味方だからね」


「うん、ありがとう…」

マナは視線を落とす



───


名古屋駅の改札口で

「今日は、話聞いてくれてありがとう」

「じゃあねー」


別れ際のマナは暗い顔にみえた



麻美は

「まだ会った事もないのに、今日言い過ぎちゃたかな……」


と下を向いていた






次回へ続く

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