『異変』
オフェーリアが【ぼくちゃん】を寝かしつけて暫し、小ダンジョンの2階層の調査に向かっていたダグルたちが戻ってきた。
その姿は出発した時と変わらないが、心なしか疲れているように見受けられる。
「ダグル、ご苦労さまだったわね」
「ありがとうございます、フェリア様。
さっそくですが報告させていただきます。
……小ダンジョンですが2階層以降も広がっている様子で、3階層に降りる階段を発見しました」
「それは……」
あまりにも早い展開にオフェーリアに動揺が見て取れる。
一瞬考えたオフェーリアはすぐに命を下した。
「撤収の準備を急いで!
準備出来次第すぐに出立します。
ダンジョン島でも異変があるかもしれないけど、あちらの方が様子がわかっているし、なによりも人数が多いわ。
あちらで待機しましょう」
「承知いたしました」
「もう中には誰も残ってないわね?
数人を距離を取って監視をさせて、あとは支度を始めて。
ダグル、戻ってきてすぐで悪いけど朝には休憩させてあげられると思うから、もうひと頑張りお願い」
踵を返してダグルが出て行く。
そしてオフェーリアは自身も着替えて【ぼくちゃん】を起こしに行った。
今回の緊急事態を一番早く察知していたのは、実は飛竜たちであった。
いつもは暗くなると、大人しく休むのだが今夜はいつまでたってもそわそわして眠ろうとしないでいた。
それどころかこのグループのリーダーが警戒して見張りをしているところが尋常ではなかった。
なので普段なら飛竜たちに夜間の行動を強いるのは一苦労なのだが今夜は世話をしていた兵士がびっくりするほど協力的だった。
ぐっすりと眠っていた【ぼくちゃん】だったがオフェーリアに起こされて、すぐにその動物的な感覚で異常を察知したようだ。
ぐずることなく覚醒した【ぼくちゃん】はオフェーリアに言われるまま支度をした。




