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『吹雪の中で』

 生まれてからずっとこの町に住んでいる老人たちにしてもこの吹雪は体験したことがないほど激しいものだった。

 濃灰色の雲が垂れ込め、中庭でもランプが必要になるほどだ。

 その為オフェーリアが大量の魔導ランプを設置し、その下でジョーンズが薪割りをしていた。

 客室の各部屋では備え付けの暖炉で暖をとっていてそのための薪を補給しなければならない。

 ただ調理場はすべて魔導具で調理しているので、その分を暖炉の方に回せている。

 そして避難してきた老人たちの中には僅かに残った薪を持ってきたものもいて、この宿屋では今のところ逼迫しているわけではない。


「こんなんじゃ他はどうしてるんだろう」


 オフェーリアの呟きを拾ったジョーンズが肩を竦める。


「おそらくここのように何軒かが集まってやり過ごそうとしていると思う。

 暖をとるには最悪家具を壊してそれを焚べることができる。問題は食料だが、これも持ち寄って凌ぐしかないな」


 ジョーンズの考えではそれほど悲惨なことにはなっていないだろうとのこと。

 特に行政区では配給の準備も進んでいるだろうと予測していた。


「そう、雪が止んで外に出てみたら……」


 そういえば表の通りにいたゴロツキたちはあのままあそこにいるのだろうか、と思い浮かべたオフェーリアはゾッとした。



 一気に降り積もった雪を利用した雪洞は作った本人たちの予想を良い意味で裏切って、傭兵団のそれなりの人数が生き残っていた。

 深く掘られた洞の中に張られたテントの中で、大の男たちが肩寄せ合って寒さに耐えている。

 ただ彼らは色々な魔導具も持っていて、その中にはオフェーリアが使っている魔導コンロやストーブなどもあって、そのために凍死を免れていた。



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