『天候の激変2』
吹雪による待機を始めて丸一日、雪は降り止まず、吹き溜まりの積雪はあっという間に子供の背丈ほどになった。
オフェーリアの泊まっている宿屋でも屋根は傾斜があって積もりにくくなっているが、通り沿いの玄関口はおりを見て雪かきをしている状況だった。
完全に人々の営みを停止させた、季節外れの吹雪は国境随一の町を完全に機能不全にしていた。
「困ったわねぇ」
オフェーリアは密かに町の外に転移して空高く飛び上がっていた。
分厚い雪雲のさらに上空から見回すと、見渡す限り濃灰色の雲が広がっている。
それは気象を司る魔法を持たないオフェーリアでも理解できるほど拙い状況だ。
このルーシャの町は真冬以上の寒気団に襲われているようだ。
元々温暖な隣国との境の地域だったが今の季節では特異なことだった、
「でもいつまでも足留めは困るのよね」
一旦宿の部屋に戻ったオフェーリアは何食わぬ顔をして階下に降りていった。
朝から雪かきをしてそのあと職場である門に行っていた男が雪まみれになって戻ってきたところだった。
「どんな感じ?」
「朝よりは雪は収まってきている。
被害もあちこちで起きていて、そちらの方は憲兵隊が出て対処しているが、とりあえず俺はこっちの方が心配だから警備から外してもらった。
まぁ、門は閉鎖して最低限の人数しかいないからな」
まるで真冬のようだと男が罵りの言葉を吐いている。
辺境国バロアで最も南に位置するここルーシャは元々豪雪地帯ではないのだ。
「この様子では明朝もダメみたいね。
……もう一泊分払ってくるわ」
カウンターに向かうと、女将と料理担当の主人が深刻そうに話し合っている。




