『ベルダリオの停留所』
ベルダリオの停留所に降り立ったオフェーリアは思わずあたりを見回してしまった。
「何か凄いわね。
それぞれの行き先の発着場がこんなにたくさん……」
「お客様、よろしければ明日のご予約をお願いしたいのですが」
飛竜便に同乗していた職員に声をかけられ、オフェーリアは事務所へと足を向けた。
昨日からそれとなく気づいていたが、どうやらオフェーリアのことは毎日、同乗の職員が申し送りしているようできちんと翌日の予約をとってくれる。
「この出発前の計画書とは少し変わってしまいますがよろしいですか?
今、北部は天候不順で細かく乗り換えながら目的地を目指すことになります」
どうやら少々ややこしいことになっているようだが天候に勝つことはできない。
オフェーリアが承知すると、職員は地図に新しいコースを記入し始めた。
「今現在の計画はこうです」
最初のラインから迂回して、使用する停留所の数も増えた。
申し訳なさそうに運賃の増加を謝罪されたがオフェーリアにとってそれは些細なことだ。
とりあえず明日の便は今日より早い早朝、目的地である国境の町ヴェンダイクには夜の初めごろ(18刻〜21刻)到着予定だ。
「あら、到着が遅いのですね」
「はい、この区間は少し距離がありますので。
なので昼食のほかに軽食を用意された方が良いと思います」
なるほど、21刻到着となるとかなり空腹になるだろう。
オフェーリアは今夜のうちに弁当のストックを増やしておこうと思っている。
担当?の職員に礼を言って、オフェーリアは昼食を摂ることにした。
ぶらぶらと停留所を出てすぐ近くのちょっと小洒落た食堂に入ることにする。
そこは見るからに旅行者向けの、シンプルだが上品な内装だ。
店員に案内されて席に向かう途中、思いもよらない相手に声をかけられた。
「あれ、彼女。
これから昼食?よければいっしょにどう?」
思ったより事務所で時間をとられたため、再会を諦めていたまさかの若旦那3人組だった。




