『飛竜便1』
首都の郊外にある飛竜便の停留所は、オフェーリアの想像以上に大規模な施設だった。
乗り合い馬車から降り立って、キョロキョロあたりを見回していればすぐに職員と思われる男性に声をかけられた。
「いらっしゃいませ。
お客様は飛竜便は初めてですか?」
「ええ、はい」
オフェーリアはたった今飛び立っていく飛竜に目を奪われていた。
そう、さすがの彼女も飛竜とはワイバーンの事だと過小評価していたのだが、ここで言う飛竜とは風竜に近い種だと気づいたのだ。
「ではこちらへどうぞ。
目的地をお聞きして料金などの説明をさせていただきます」
そう言った職員に立派な建物に案内された。
まずはテーブルの上に広げられた地図を見る。
「こちらは当飛竜便の路線図でございます。
今回のお客様の目的地をお教え願えますか?」
「最終目的地はバロア辺境国北部地域です」
「なるほど、バロアですか」
職員はペンを取り出してまずはひとつ丸を付けた。
「ここが現在地です。そして……」
一般市民の家のダイニングテーブルほどある天板いっぱいの大きさの中大陸の地図の、中央より上よりのある一点、そして次は大陸のほぼ北の端のかなりの地区をぐるりと囲んだ。
「大体この辺りがバロア辺境国です。
北部地域はこの辺りですね。
そして当飛竜便の停留所は王都にございます」
またひとつ丸が増え、そしてここから説明が始まった。
「まずは目的地を目指すには何度か乗り継ぎをしていただくことになります」
彼は地図の余白に停留所の地名を書きながらその場所に丸をつけ番号を振っていった。
「こことこことここ。
3度乗り継ぎをしてその後バロアに向かいます。
まずはこの地から次のトルキーア。【コンタ】と隣国【サイベラ】との国境の町になります。
ここまでは順調にいくと明朝に出立して夕刻に着きます。
料金は金貨6枚いただきます」
さすが飛竜便、それなりのお値段がする。




