『アグジェント3』
「まぁ、その事は後にして先に結界を張っちゃおう。
アグジェント、外に出てる連中ってどのくらいいるかわかる?」
「今日は公休日ではありませんからね、ほとんどが校内にいるはずですよ」
「ん〜
じゃあもう閉じちゃってもいいかな。
正門のところにちょこっと隙間を開けとくから、アグジェントが重ねがけしてくれる?」
それは暗に『お前がここに留まり、もし逃げ帰ってきた学院関係者がいたら結界を開けて助けるように』と言っているのと同じだ。
「はあ、わかりました。
ではまわりを見回せる場所に参りましょうか」
アグジェントは転移はできないが【浮遊】はできる。
2人は揃って浮き上がり、かなりの速度で建物から飛び出していった。
「こんなところから町を見るなんて初めてだわ」
「私も滅多に来ません。
本当は、高いところはあまり得意ではありませんので」
今2人は大学院で一番高い建物である時計塔の尖塔に来ている。
そして一周回って町を見回していると、まだかなり離れてはいるが人が大勢集まっている場所に気づいた。
「あれが扇動された下級民……おそらく、もうすぐ暴徒になる連中ね」
「放っておいてよろしいので?
フェリア殿なら止めることも可能でしょう?」
「あ〜
あまり興味ないかな。
私はこの学研区が無事ならそれでいいし。
まあついでに行政区も結界内に入れたげる」
一般市民はともかく、下級民に関しては自業自得だと思っている。
なので助けは無しだ。
「行政区に避難してくる一般市民はいいけど、賊と一緒になって暴れているような輩は必要ないわね。
それと賊が外部から仲間を引き入れる可能性があるから、それも気をつけなきゃ」




