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『オークション部総括』

「フェリア嬢ではございませんか?」


 オークション部の部屋の中に入ってすぐの応接室で、奥から出てきたらしい老人が近寄ってきてオフェーリアの名を呼んだ。


「あなたは……ロバット?」



「ああ、やっぱりフェリア嬢だ。

 あなた様はお変わりなく、私めはこのように老爺になり申した」


 オフェーリアが以前ここに来ていた時にはまだペーペーだったロバット・シャンテルだが、今はオークション部の総括を任されていた。


「うふふ、ずいぶん久しぶりねぇ。

 それと、老けたわね。こんなに老け込む年齢でもないでしょうに……

 苦労してるのね」


「はぁ、人の上に立つのはそれなりに辛いものがあります。

 今はオークション部に移ってマシになったのですよ」


「そのオークションで相談に乗って欲しいのよ。

 そのために遥々やってきたの」


 ロバットは手振りでマリアに出て行くように合図すると、オフェーリアを伴って歩き始めた。


「さて、どのようなものをお探しでしょうか?」


 オークション部の奥の特別な上客様の応接室で、ロバットはオフェーリアに椅子を勧め、自分も腰掛けた。

 ノックがあってロバットの誰何のあとお茶を持った職員が入ってくる。

 そして2人に茶を出すと一礼して去っていった。


「単刀直入に言うわね。

【ツブネラアロン】の花粉が欲しいの。

 ……時期的に、もうギリギリのようだけど」


 ロバットが腕組みしてソファーの背もたれに体重をかけた。

 そして天井を見上げて考え込んでいる。


「……ツブネラアロン。また難しいものを」


「やっぱりオークションでも難しいかしら」


「ここ数年、オークションに出品された報告はありませんな」


 ふたりして『うぅむ』と唸ってしまった。


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