『安全地帯』
『あ〜あ』
ただ置いて行かれるのが嫌なのか、それとも長い時間離れるのが嫌なのか、一度決めたことを翻すのは褒められたことではないが、新婚なのでしょうがないと、すでに周りは諦めていた。
副官としてついてきていた文官にごめんなさいをするオフェーリアは、帰ってきたら手伝おうと決心する。
「フェリア、準備は?」
「異空間収納に準備万端整っておりますよ」
「今回は前回よりも長くなる。
最低でもひと月は見て欲しい」
王の言葉に周りは騒がしくなったが、それを抑えたのは他でもないオフェーリアだ。
「毎日ではないかもしれないけど、私が現状報告にくるわ。
それなら多少は安心でしょ?」
そう、この頃には一部の側近にオフェーリアが単独であるが転移できることを開示していた。
それもあって王のわがままが聞き入れられた次第だ。
「う〜ん、やっぱりふたりっきりはいいね」
第一層から第三層までは一気に駆け抜けた。
オフェーリアは【飛行】しているので楽にマティアスと同行することが出来、あっという間に第四層への階段にやってきた。
「今までの記録ではどうやら階層を繋ぐ階段の周囲が所謂“安全地帯”になっているようだね」
【安全地帯】については個々のダンジョンによって色々だが、比較的“やさしい”ダンジョンにはないことが多く、このダンジョンのように難易度の高いものにはバランスを取るようにあることがある。
「1日でここまで来れない者も多いだろうしなぁ」
マティアスは少し複雑そうだ。




