『帰路』
楽しい?時はあっという間に過ぎ去るという。
今回のダンジョン行も御多分に洩れず、引き返す時が近づいていた。
「むう、つまらないわね」
オフェーリアの周りでは兵士たちが撤収の準備をしている。
最終的にはすべてアイテムポーチに収めるため、今は細々としたものを片付けているだけだが。
「しょうがないじゃないか。
あの時と違って、今俺たちには立場ってもんがある」
2人が許された時間は10日間。
今日はもう折り返しの5日目になる。
「ちゃんと約束を守らないと“次”がなくなる。
10日か、ひと月か、一定の期間を空けて様子を見よう」
このダンジョンは出現して間もないので、何が起きるか、起きないかわからないのだ。
オフェーリアたちが戻ったあと、一度封鎖すべきかどうかも揉めている。
「うん、そうだね」
第六層は足を踏み入れただけで、一行は地上を目指すことになった。
朝、野営地を撤収して階段を上がる。
第五階層は密林、その様子は昨日と変わらないようだ。
そして往路でかき分けてきた道はそのまま残っている。これは一晩くらいでは修復されないということだ。
「固定型のダンジョンなら助かるんだけど」
「そうだな、こんな浅いところで迷うなんて笑いごとじゃない」
せめて“路”を通すことができたら、それなりの時間の節約になるだろう。
「とにかく、往きに野営した場所まで急ぎましょう」
そして相変わらず、あの魔獣はついて来ている。




