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『魔獣』

 “それ”の姿は見るからに異様だった。

 大きさはオフェーリアの肩までもない。

 およそ1m強というところか。

 全身は明るめの茶色をしている。

 見たところは人型で二足歩行をしていて、3つ又に分かれた尻尾がある。

 そしてその異様さとは主に頭部であって、本来頭部がある場所には瘤があり、頭は肩の部分にめり込んでいる。


「なんとも面妖な姿だな」


「魔獣の種を記録した図鑑にも記録がないわ。

 きっと新種ね!」


 たった一匹で深夜に出没するということは、それなりの強さを持つということ。

 オフェーリアたちとその魔獣は透明の結界を挟んで睨み合った。

 そして動いたのは魔獣の方だった。

 おもむろに動いた魔獣がオフェーリアたちに向かって突っ込んできたが、結界に阻まれて跳ね返されてしまう。


「グギャァァ」


 何が起きたのかわからないのだろう。

 キョロキョロと周りを見回し、またオフェーリアたちの方に突っ込んできた。

 だが再び弾かれてしまって吹っ飛んでいく。


「う〜ん、どうやら単純な打撃タイプのようね。

 でも念のため、もう一重増やしておきましょうか」


 取り出した結界石を内側に置いていく。

 最後の一個を置けば結界の出来上がりだ。


「ガアァァッ」


 今度は見えない壁に密着して押そうとしている。

 その姿形をオフェーリアはしみじみと観察し始めた。


「よく見るとこの魔獣痩せてない?

 肋骨が浮いていて、腿も細いわ」


「ダンジョンの魔獣に当てはまるのかどうかはわからないが、飢えているのか?」



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