『野営地』
オフェーリアとマティアスはコボルトとアンファレスを狩りながら先に進んだ。
今回は先にオフェーリアが探査をし、5階層への階段の位置は判明している。
各班には地図を渡してあり、最悪迷子になるのは避けられるようになっていた。
「この階層は昼夜があるようね」
空間に太陽?があるようには見えないが、見るからに明るさが落ちてきている。
「この先で2人、もう先に進むのをやめて後続を待っているみたい。
私たちはともかく、暗くなるまでにしんがりが追いつけないと判断したのね」
まだ彼らの姿は目視できない。
だが襲いかかってくる魔獣を蹴散らしながら、その位置は変えていない。
「さあ、さっさと追いついて野営地を作りましょう」
身も心もボロボロになったしんがり班3名の目に飛び込んできたもの、それは見るからに異様な野営地だった。
薄暗がりのなか、複数の灯りに浮かぶその野営地は3張りのゲルからなっていて、同僚の兵がひとりのんびりと佇んでいる。
あまりにも無防備なその様子に不審を抱くも、3名は残りの距離を走って行った。
「結界か?!」
無防備なはずだ。
野営地に駆け込もうとした3名は直前で止められ、内側から何かをしたと思えば中に入るよう促される。
そこで3名は、この野営地が結界で囲まれているのを理解したのだ。
「お疲れ様、夕食はできているわよ」
そこにオフェーリアが顔を出した。
「あなたたち、先にこちらにいらっしゃい」
3名は顔を見合わせた。
厳しい表情を浮かべたオフェーリアにゲルに入るように言われ、戸惑っている。
「擦り傷だけど治療しなきゃダメでしょう?
軟膏を渡すから、傷口を水で洗ってから塗りなさい」
見た目はたおやかな少女なのだが、その剣幕にタジタジだ。




