『普請』
ひと月ぶりのダンジョン、そしてダンジョンの周りはびっくりするほど変わっていた。
まず、縦穴の周りには急ごしらえだが集落と見紛うばかりの建屋が並んでいる。
これは殆どが石工や大工などの職人の他兵士などの宿舎である。
オフェーリアとマティアスが引き揚げるときには天幕などで休んでいたが、今は一応は家屋で休んでいた。
そこにはすでに商人が店を開いており、思いの外賑わっている。
そして冒険者ギルドも建築中で、職員と鑑定士が常駐していた。
下に降りるには昇降機はまだ完成していなかったが、飛竜によってゴンドラを降ろしているので問題ない。
階段やそれに伴う踊り場などもずいぶんと形になっているようだ。
「こちらの建物も順調なようね」
縦穴を降りた底、そこには昇降機のゴンドラを降ろす場所や飛竜用のそれなど、整備が進んでいる。
そして目を見張ったのは当初の予定よりも大規模な建屋だった。
「またずいぶんと大きな建物ね。
3階建なの?」
「ああ、予定よりも冒険者用の宿泊施設を増やしたんだ。
駆け出しなんかはほとんど住み着くようなことになりそうなんでな」
「そうね、いい考えだわ」
一応この縦穴もダンジョンの一部だが、今は見張りを欠かさないし、完成後には結界の魔導具を設置する予定でいる。
それはかなり大掛かりなものなので、都の魔導具工房との合作になる。
そんな遣り取りをしていると、第1層への入り口に到着した。
今回は10日ほどもぐるつもりで数人の護衛もいるのだが、はっきり言って足手纏いになりそうだ。
なので最初に言ってある。
『戻れと命令したら素直に従え』と。




