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『凶報』

「実は……」


 ダルメリアが言葉を選ぶように、一言一言話し始めた。


「我が国は、それこそ小さな岩場のような島を合わせれば無数の島で構成されています。

 その中で人が住める島は10にも満たないのですが、今回そのひとつの島で急に魔獣が湧いたのです。

 いえ、魔獣は勝手に湧くわけではありませんが“湧く”という表現がぴったりなほど突然の発現だったと言います」


「それって」


「最初はそれほどの数ではなかったそうです。

 島民が討伐できる程度の数と強さだったんです。

 そしてその報告も上がってきていたのですが、間もなく魔獣の数が急に膨れ上がって、その事を聞いた陛下が自ら討伐に向かわれたのです」


「その魔獣は海から上がったのかしら?

 それと飛行型は?」


「申し訳ございません。

 私ではそこまでは……」


 オフェーリアは嫌な予感がした。

 だが今は続報を待つしかない。


「その島に行くにはどのくらいかかるのかしら」


「船で丸一日、飛竜を使えば2刻ほどだと思います」


 島民の避難などは進んでいるのか、危惧することはたくさんある。

 そして最悪の場合に備えておくことは必要だろう。


「そう……

 少し確かめたいことができたから、今日のお茶会はここまでにしましょう。

 私はウッドハウスに入りますが、用があればドアをノックしてください。

 それでわかりますから」


 その場を片付けようとするのを遮って、彼女らの目の前で【洗浄】し、異空間に収納した。


「この間に休養していればいいわ。

 ひょっとしたら忙しくなるかもしれないから。

 ダルメリア、陛下は何名で向かわれたの?」


「飛竜で300名と聞いております」


 竜人の身体能力は特筆すべきものだと思う。

 だが平時にこの島から出ず、本格的な魔獣討伐をしたことのない兵士たちがどこまで出来るか、オフェーリアには想像出来ない。


「ポーションの在庫と補充をしておこう。

 増血剤とかもいるかな」


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