『次へ……』
駆けつけて来たギルド員と助っ人の冒険者たちに捕らえられ連れて行かれた男たちは、オフェーリアを脅して金を取ろうとしていたようだ。
そしてうまくいけば彼女を拉致してポーションの製法を自分のものにする、それほどのことを目論んでいたらしい。
冒険者ギルドでの取り調べで、そう白状した男たちは罪人として鉱山送りとなったが、その頃からオフェーリアは引き篭りがちになる。
最低限の薬の販売は続けていた。
だがよほどの場合以外は新しい患者をとらず、定期的にくる者に薬を渡すそんな日々を過ごして、月の大半は採取に費やした。
転移でどこにでも行けるオフェーリアだったが、以前暮らしたことのある町を訪れても知古の者はほとんどおらず、虚しくなるだけだった。
そう、心安まるのは都だけである。
あそこだけはいつも変わらない顔がオフェーリアを迎えてくれる。
そうして、ブランデルグの死が伝えられたのを機にこの町を去ることを決心した。
賃貸の店舗付き住宅にはある程度の薬を残して、その他の私物すべてを持って転移する。
30年以上暮らした獣人たちの国ではほとんどが平和な日々だった。
だが姿が変わらないこの身はどうしても目に付く。
それは人々に違和感を与え、やはり自分たちは故郷の都以外では平穏に暮らせないのだと思い知らされるのだ。
ちょうど冬季に向かっていたので思い切り辺鄙な場所で冬を越すことにした。
オフェーリアはいつでも転移で移動できるので、秘境の山奥であろうとへっちゃらである。
こうしてウッドハウス全体が雪に埋もれるほどの場所で過ごしていたある日、都から緊急の魔法通信が都への帰還を命令してきた。




