『捜索1』
3日分の距離をその街道沿いに異常がないか確かめながら戻るとすると普通以上に時間がかかることになる。
一行はこの村で馬を借り、ジニーとワランがそれに乗り、パンナと助手が屋根の上、ファントは荷物を積んでいる後部のデッキから後方を見て、そしてオフェーリアは御者台に乗って進んでいた。
「う〜ん、痕跡はないなぁ」
御者台の後ろ、馬車の屋根にいたパンナが呟いた。
視力の良い彼が街道についた馬車の車輪の跡を見つめている。
幸か不幸か雨が降り続いたため、後続の乗り合い馬車の便は追いついておらず、冬籠り明けにここを通ったのは自分たちの馬車以外は行方不明の馬車だけだった。
ただぬかるみが乾き始めていたこともあって、当時はさほど意識していなかったのが悔やまれる。
「じゃあ、もっと前なのか」
馬を駆って少し先まで進んでいたジニーが戻って来ていた。
どうやら何の痕跡も発見できなかったらしい。
「フェリアちゃん、このまま視界が効くまで進んで、野営は街道の側になると思うがすまないな」
「大丈夫よ。
食事とか他の細々とした事は任せて!」
オフェーリアは自重することをやめた。
街道沿いの馬車1台停められるほどの空き地での野営で、まずは馬にポーションを与えた。
そして御者と助手に馬に対するポーションを使ったマッサージを教えて夕食の支度に取り掛かる。
今夜はボリュームのある一口カツとパスタスープだ。
特にパスタスープは魔導コンロを取り出して、その場で作り始めた。
今夜は手先の器用なパンナが手伝いを買って出て、根菜の皮むきやカットなどを手伝っている。
「生野菜はまだまだ流通量が少ないから果物で摂ることにするね。
野菜はカットしたらどんどん鍋に入れていって」
具材は芋、カブ、人参、玉ねぎ、ニンニク、そしてハムとパスタだ。
もうスープとも呼べないごった煮の様相だが、ていねいにアク取りもされていて良い出汁も出ている。
味付けは塩胡椒とシンプルで万人受けする味の筈だ。




