『査定』
「なあ、コレの査定……俺たちが誤魔化さないかとか思わないわけ?」
今、解体人と鑑定士が慎重に査定している。
どうやらこのゲルトセルバコッパースネークは希少な蛇なようで、すでに買取後の予定を話し合っている。
「他国とはいえ、一応ギルドですし、それほどかけ離れた金額を示すとは思ってませんよ。
でももしそうなら……2度と売らなければいいと言うことです」
見た目は少女のなかに老練さを宿した醒めた目をして、オフェーリアは微笑う。
ドナヒュは背筋に冷たいものを感じて身震いをした。
「……なので信じています。
まあ、ぶっちゃけ、とりあえずの活動資金が手に入ればいいのです。
うふふ、なるべく高く買ってね?」
大の男が震え上がるような威圧をしておいて、今更何を言っているのか。
「とても状態の良いゲルトセルバコッパースネークでした。
何よりも表面に傷がなく、新鮮なのが良い。
ご存知だと思いますが蛇類の場合捨てるところがないほど、その素材には価値があります。
……普通体液や内臓などは傷みやすく、流通することは稀なのですが、この個体はまったく瑕疵がありません」
鑑定士は用紙に金額の数字を入れ、それをドナヒュに渡した。
「……フェリアちゃん、買い取り額が出た」
解体場の片隅にある事務所のような場所で、オフェーリアは解体人のおっさんと鑑定士の爺さんに挟まれて座っていた。
「なるほど、お嬢さんは幻人なんじゃな」
「どうやらここではそう呼ばれているようですね」
「古の、魔法をもたらした幻人なのか」
「さっきの蛇を運んできたのは魔導具かい?」
今オフェーリアは質問攻めにあっている。
「魔導具のバッグも持っていますが、アレ自体は【異空間収納】に入れてきました」
「ものは相談だが、その魔導具の収納バッグを譲ってもらえんだろうか」
おっさんと爺は真剣だ。
「ちょっと中を見て見ないと……」
都に戻っていくつか仕入れてきても良いと思っている。




