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『ダンジョン前にて』

 オフェーリアは人の流れに逆らわず、ダンジョンに向かって歩いていた。

 ここのダンジョンは王都の中にあるという、非常に珍しいダンジョンだ。


「と、いうより元々ダンジョンがあってその周りに人が住み着き、町になって都市となりそれが王都になったと言うのが正しいのかもね」


 神殿からの道中、騎士たちと話していた時に聞いた話だが、このダンジョンはかなり古いと言っていた。

 それは恐らく千年近く経っており、かなりの規模のダンジョンだと推察される。

 ちなみにまだ攻略されていないらしい。



「お嬢さんはひとりかい?」


 道なりに進んで到着したダンジョン入口には兵士が2人立っていて、そこでギルドカードを検めるらしい。


「入場料、銀貨8枚をもらうことになるんだが、持っているか?」


 どうやらこのダンジョンは潜るのに入場料を取るらしい。

 いつからの制度がわからないが、なるほど栄えるはずだ。

 銀貨8枚といえば中ランクの宿代くらいの値だ。

 それが新米冒険者ならそれなりに負担だろう。


「はい」


 オフェーリアはローブの下に着けていたウエストバッグ型のアイテムバッグから銀貨8枚を取り出し、先ほどから話しかけてくる兵士に渡した。

 すると小さな手帳のようなものを渡された。


「?」


「これはダンジョンの入場許可証だ。

 次回から潜るときにはこれを見せてくれ。

 そうしたらこういうふうに」


 手帳の最初のページにペタンと大振りの判子が押され、あとは手書きで日にちと大雑把な時間が書き加えられた。


「ほら、戻ってきた時も提示してくれ。

 こっちでも控えを取っているからな」


 ここは古いだけあって、こうした管理も進んでいるようだ。

 今度ミケルバに行ったときに提案してみようと思ったオフェーリアだった。


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