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『ダンジョン行、支度』

 オフェーリアは暫し考える。

 今日このままダンジョンに向かっても朝までの時間は限られている。

 これは日を改めて、せめて陽のある時間に行くべきではないかと。

 オフェーリアの場合、一度訪れたことのある場所には転移することができるため、初日にある程度進むことができたら、次からはわざわざ入り口から入らなくてもよいのだ。


「そうね……

 今日は大人しく帰りましょう。

 明日にでも、昼間にちょっと抜けてきたらいいわよね」


 今夜は迎賓館の部屋で寝むことにする。




「今日は少し複雑な調薬をするので、夜まで戻ってこないかもしれません」


 朝食の後オフェーリアはドーソンにそう言った。

 もちろんいい顔はされないが、こうなれば行ったものの勝ちである。

 もう固定された扉をくぐり、ウッドハウスの居間の空間に出たオフェーリアは、辛うじてひとりで脱ぎ着できるドレスを脱ぎ去り、ダンジョン行に相応しい着衣に着替えはじめた。


 まず肌着の上に精巧に編まれたミスリルの鎖帷子を着る。

 レギンス自体にもミスリルが織り込まれていて、矢尻すら通さない。

 チュニックにはオリハルコンが織り込まれていて、重要な臓器が傷つかないように守る構造になっている。

 足を守るブーツは長年履きなれたドラゴンの革製だ。

 そして両手に手甲を嵌め、最後にローブを羽織ると準備万端整った。


「さて、参りましょうか」



 冒険者ギルドの近く、目につかない場所に転移したオフェーリアは、そのままダンジョン入口に向かって歩いていった。

 やはりこのダンジョン都市もご多分に漏れず周辺には冒険者御用達の店が立ち並んでいる。


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