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メイドとビビり

『まもなく魔導列車マギトレインが発車しまーす。閉まるドアに腕や荷物が食いちぎられないようにご注意くださーい』

「物騒だな⁉︎」


 すでに魔導列車マギトレインへと乗り込み、四人で座れるボックス席で寛いでいるご主人様、私、フィル、アオイの中でアオイだけがアナウンスに反応します。


「脅しみたいなものですよ。たまに無理やり乗り込もうとする馬鹿がいるものですから冗談みたいなものです」

「そ、そうなのか?」

「はい」


 しかし、実際のところは魔導列車マギトレインの扉は挟んだものは喰いちぎるんですけどね。駆け込んで乗り込んで上半身だけが魔導列車マギトレインに乗るのに成功した輩も少なくありません。その場合はもちろん死んでいますが。

 それにしてもアオイの奴は落ち着きがありませんね。やたらとソワソワとしてますし、メイド服の皺を伸ばしたり、手にしてる刀を鞘から半分出してはしまうという動作を何度も繰り返してという危険行為を繰り返してます。


「アオイ、落ち着きない」


 アオイの横に座るフィルが嫌そうな顔をしながら鞘から覗く刃を見て告げます。確かに少し手元が狂えばフィルに突き刺さりそうですからね。


「すまない…… 俺、魔導列車マギトレインには初めて乗るんだ……」

「そうなの?」


 これは意外ですね。

 私が収集した情報では銀狐は護衛依頼も受けると見たのですが。


「そんなに怖いですか?」

「ああ、だって鉄の塊が凄い速さで動くんだぞ⁉︎ なにが起こるかわかったもんじゃないだろ!」


 ああ、ようはビビってるんですね。

 しかし、護衛の任を放り出さなかっただけマシというべきでしょうか。


「他の国とか街にはどうやっていってたの?」

「馬車だな。辻馬車の護衛をしたりして街から街へと移動してた」


 馬車は大丈夫なのに魔導列車マギトレインはダメなんですね。


「特に魔導列車マギトレインはアルバーン製のパーツを使ってる比率が多いから余計な嫌だな」

「どれだけアルバーンをがらってるんですか……」

「昔、戦場であいつらには広範囲魔法で味方ごと攻撃されたことがあるからな」


 魔導国家ですからね。あの国は接近して戦うなんて野蛮だと考えてますし。


「指揮官は叩き切ってやったがな。お陰で俺はアルバーンではお尋ね者扱いさ」

「それ、困るんじゃないの?」


 確かに。フィルの言う通りアオイがアルバーンでお尋ね者だと街でのご主人様の護衛に支障が出ます。フィルの戦闘力はあくまでそれなりといったレベルですし。


「あー、大丈夫大丈夫。あの時は狐の仮面つけて銀狐として動いてたし。俺の顔を知る奴なんていないからな。いたとしても全部斬った」


 ならば安心でしょう。

 アオイにはご主人様に群がる害虫を叩き切って貰わないと困りますからね。

 安堵していると魔導列車マギトレインが少しばかり揺れ、外から悲鳴のような声が聞こえてきました。

 しばらくして汽笛のような音が長く響きます。


魔導列車マギトレイン発車しまーす。食われたお客様の掃除を職員はお願いしまーす』

「あーばかな奴がいたねー」


 少しばかり楽しげにご主人様は笑いながらお菓子を口へと放り込みます。

 対してアオイはというと面白いくらいに顔面が蒼白になっています。ついでに言うと体が地震が来たかのように揺れてます。多分、震えてるんでしょう。


「く、喰うのは冗談って言ったじゃないかぁぁぁぁ!」


 そんな涙目になりながら言わなくても……

 本当に男ですか? メイド服も着てるから女にしか見えないんですけど? ま、ご主人様の可愛さには及ばないので写真は撮りませんがね。

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