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メイドとメイドのお仕事5

「ばかな…… お前は剣を手放したはずだろう……」


 信じられない物を見たかのようにジャルダンの奴が目を見開いていますがこれは現実です。その証拠と言わんばかりにジャルダンの胸元から姿を見せている刃を伝うようにして血が流れ床に血の湖を作り上げようとしています。


「刃の感触は本物だろう?」


 ニヤニヤと笑みを浮かべているアオイの奴が埃を払いながら床から立ち上がるとばかにしたような表情を浮かべてて血が流れすぎたせいか手にしていた大剣を手からこぼれ落とすと膝つきます。


「なにをしやがった!」


 うずくまるような姿勢、それも致命傷に近い傷を負ったにも関わらず殺意の篭った眼をアオイへと向けています。

 その元気さには感心してしまいますね。


「? 刺しただけだが?」


 それに対するアオイはというと当たり前のことを言うかのようにキョトンとした顔でそう告げます。

 確かにアオイからしたらそうなんでしょう。ですが私の見たままの説明をするのであればアオイが天井へ向かい放り投げた刀が狙い澄ましたかのようにしてジャルダンの背中へ向かい落下し貫いたわけなんですが、そんな事は背中に瞳が付いていない限り理解できるようなものではありません。


 刀が突如として軌道を変えてついでに刃を下にした状態で自分へと突き刺さってきた。


 ジャルダンはこう考えたのでしょうね。


「くそが」


 アオイの奴は何をしたかは教えるつもりはないようですね。何かしたのはわかりましたがそれが何かは私にもわかりません。

 刺された部分だけでなく口からも血を吐き出し始めたジャルダンはもう長くない感じです。

 虫の息、まさにそれがぴったりとくる状態です。



「ご主人様にちゃんと代金を払っていたらよかったものを」

「あんな業突く張りに誰が!」


 そんな血を吐き出しながら言わなくても……

 よほどご主人様にコケにされたのが気に入らないようですね。と言ってもあれは完全にご主人様をばかにした発言をしたこいつが悪いのですが。


「まぁ、自分がばかであったことを後悔しながら死んでくださいね? アオイ」

「ああ」


 私がアオイへと言葉を投げかけると心得たと言わんばかりにいつの間にジャルダンの背中から抜いたのか血塗れの刀をメイド服のスカートで拭っているのを見つけて思わず睨みつけてしまいます。


 ご主人様からいただいた服でクズの血を拭うなんて! なんてことをしてるんですか!


 そういう念を込めてアオイを睨んでやるとそれを感じ取ったかのようにアオイの奴は体を震わしながらスカートについた血をはたきますがすでに滲んで染みになりつつあります。

 あとで染みが落ちるまで洗濯さしてやります。


「てめぇら絶対に殺……」

「はいはい」


 再び呪いのこもったような声を上げようとしたジャルダンに対してアオイが一切の躊躇などみせずに手にしていた刀を振るい、首を体と分離させます。

 わずかに血の線を引きながら宙を舞うジャルダンの顔は自分が死んだことには気づいていないようでまだ口を動かしてなにやら言葉を発していましたがそれは聞こえませんでした。


 まぁ、首と体が離れていて喋れたらすごいですよね。

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