82.せいねんが ひとり おりました
謎掛けのような回が続いていてすみません。
アリスの物語のような、レミの夢のような何か。
(読み飛ばしても支障ありません)
= = =
おやまを こえて たにを こえ もっと たくさん むこうがわ
せいねんが ひとり おりました
おひさまの ひかりが さんさん
せいねんは だいすきな おんなのこを つまにした
せいねんは いいました
〝あなた だけを あいしてる〟
せいねんの つまは いいました
〝ああ わたしの たいせつな あなた〟
せいねんは つまをあいし せいねんの つまは かぞくを あいしています
せいねんの なまえは ●●と いいました
つまは せいねんを だんなさまと よびました
だんなさまに なった せいねんは だいすきな つまと ふたりきり
だんなさまに なった せいねんは つまがいるので しあわせでした
おひさまが だいだいいろに なったころ せいねんの つまが たおれます
つまは ねむったまま
よんでも ゆすっても おきません
せいねんの つまは もう なにも はなしません
●●は つまと ふたりきり
けれど ●●と よぶものは おりません
つまが たおれて ひとりきり
もう だんなさまと よぶものも おりません
= = =
= = =
おつきさまが かおを だすと ●●は いいました
〝だいすきな つまを よびもどそう〟
もう せいねんで なくなった ●●はいいました
〝つまの ほかには なにも いらない〟
かつて せいねんだった ものは
わるい かいぶつに なりました
つまとあいした ○○を おいだして せいねんだった ●●を けしさって
としおいて わるいかいぶつになった ●●は もうだれも しんじません
●●はもう ひとりきり
やまも たにも くにも たみも みんなみんな しらんぷり
〝だいすきな つまに また あいたい〟
おねがいごとは ひとつだけ
かなえるのは ●●の やくわりです
よびもどす つちを てにいれに ●●は やまを だまします
よびもどす みずを てにいれに ●●は たにを きりくずす
よびもどす そらを てにいれに ●●は くにを かたむけて
よびもどす くさを てにいれに ●●は たみを おびやかす
わるいかいぶつになった●●は ずっとそうして ひとりきり
つぎはあのこを つかまえに ●●は かじを きりました
おさない かれらは てのひらの うえ
ただ きまぐれに
せいねんだった ●●に にた あのこ
ほんの すこしの おてつだい
〝ぼくも おなじ ことをした〟
〝ぼくは きみの みかただよ〟
= = =
答え合わせはこれからのお話で少しずつ。
次話からはまたステラちゃん中心のわちゃわちゃに戻ります。





