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六十二話 「霧の中で」

イズナと共にダンジョン探索を行うようになってからアッシュ達のダンジョン攻略は加速した

ベルの特訓と新たな装備で強くなった自分達の前に立ちはだかる魔物は次々と葬っていった

広大な樹海ダンジョンも八割は探索を済ませ様々な魔物とも戦ってきたが、それでも未だにダンジョンボスの存在を確認できないでいる

着々と地図の作成も進んでいき、ダンジョンボスを見つけるよりも先に地図が完成しそうだった



『ここにもダンジョンボスがいなかったか。どこにいるんだろう』


『オイラも探してるんだけど全然見つからねぇなぁ。本当にここにいるのか?』


『それは間違いないだろうけど・・・ここまで探して見つからないとなるとやっぱりどこかに隠れてるのかな?』



ここのダンジョンボスは今まで戦ってきた植物系統だというのは分かってるので、見落としがないよう気をつけながら探索を行ったがそれらしきものも見つからなかった

このままダンジョンボスに辿り着く手がかりが見つからないのであれば他の冒険者達から情報を買うしかなくなってしまうが、それは本当に手を尽くした後の最終手段として残しておきたい



『とにかくまだ行ってない場所があるんだしまずはそこをちゃんと調べてからだな』



アッシュ達は引き続きまだ足を踏み入れていない場所へと向かいダンジョン探索を行った

行けども行けども似たような森の中を進んでいっては魔物をひたすら狩る

次第に時間が過ぎていき今日はこのままダンジョンで野宿を行おうかとした矢先、アッシュ達の周囲で異変が起こる



『ん?なんだこの音は?』


『どうしたのイズナ、音なんか聞こえないけど・・・』


『いや、確かに聞こえるぞ。何かが吹き出してる音だ。あっちの方からだな』



異変を感じたイズナが音がするという方角を指さす

するとその先から白い霧のようなものがこちらに迫ってきていた



『アッシュ君、奥から(きり)が!』


『毒かもしれないから吸い込まないように!』



突如発生した謎の霧に警戒し吸い込まないよう口を息を止める

魔物の仕業かと思い見渡すが周囲にそれらしい気配はなし

そうしている間に霧はアッシュ達を飲み込んでいった



『アッシュ大丈夫だ。この霧は毒性のものじゃない』


『ぷはっ!ありがとうイズナ。急に出てきたけど一体どこから発生してるんだろう』



イズナの嗅覚によって霧に毒性がないことは分かったが突然現れたこの霧がただの霧とは思えない



『魔力の探知ができないな。多分ミストジャミングっていう魔法だな』



ベルが言うミストジャミングというのはどうやら魔力を霧と共に散布させることでこちらの魔法に干渉してきて魔力探知の他一切の魔法が使えなくなってしまうらしい

実際に試してみたがやはり魔法を放った瞬間霧に妨害されてしまった



『アレッサは後ろにいて』


『う、うん』



アレッサの背にしながらアッシュは鞭に魔力を込めて動かせることができるか確認をする

幸い体外に放出せず武器に魔力を留める程度であればミストジャミングの効果外のようだ

まずはこの霧を出してる相手をどうにかしたいところ

警戒をしながら進もうとした瞬間、何かを感じ取ったイズナがすかさず全員に向けて警戒を促す声をあげた



『気をつけろ!何かこっちに来るぞ!』



イズナの声を合図に戦闘態勢に入る

すると羽音のようなものが聞こえてきてこちらに迫ってきているのが分かった

前方だけでなく後方からも・・・いや恐らく全方位から迫ってきている

やがてアッシュ達の前に姿を表したの手のひらサイズ位の無数の虫

頭の部分は(はさみ)のような形状をしていて返しまである

あれに突き刺されたら簡単には抜けなさそうだ



『ベル、クウ、イズナ。そっちは頼んだよ!』


『任せろ!』


『こんな虫けら余裕だぜ』



クウの相槌と共に四方から攻撃を仕掛けてくる虫の魔物に迎え撃つ

ベルは魔法を封じられていても虫よりも遙かに速いスピードで次々と葬っていく

イズナもズバ抜けた動体視力と身体能力で危なげなく魔物を倒していった


そしてクウ。クウはあれから成長したことで新たな魔法"アースクエイク"という土魔法を覚えた

地面を自分の意のままに動かせることができる魔法で、魔物の前に壁を作り出した

これも地面を操作する魔法の為ミストジャミングの適用外のようだ

壁に魔物が突き刺さり身動きがとれなくなったところにもう一つの壁を作り出して圧殺

この魔法を覚えたのは最近のことだが、これだけ使いこせていることからもしかしたらクウは土魔法との相性がいいのかもしれない



『こっちもそろそろ終わりだ』



アッシュは鞭に魔力を込めて高速で回転させ、魔物の前に盾のようにして構えた

聖龍の髭の強度に相手が勝る筈もなく、こちらに向かってきた魔物は全て粉々にされていった

そうしてアッシュ達は無数に襲いかかってきた虫の魔物を全滅させることができた



『皆怪我とかはない?』


『あぁ、この通りピンピンしているぞ』



急襲され少し焦りはしたが全員が冷静に対処した事で無傷で切り抜けられた

他に魔物が来る気配も無さそうだしあとはこの霧から抜け出すだけだ




ご拝読いただきありがとうございます!毎日20時に最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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