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五十四話 「新装備完成」

ベルが持ってきてとんでもない素材をヴォルフに見せると当然だがとても驚かれた

流石に龍の髭なんて素材を武器にするのは初めてだったらしく最初こそ驚いていたが、その素材を自分の手で加工できることにかなり興奮していた

アッシュとアレッサの武器が完成するまではまた魔法の特訓が始まった

相変わらず過酷ではあったが、新たな装備が待っていると思うと活力が湧いた

それから数日が経ち、武器が完成したと組合から言伝で聞いたアッシュ達は一目散でヴォルフの工房へ向かった



『ほれ、これがお前さんの新しい武器じゃ』



ベルが持ってきた聖龍の髭は見事にヴォルフの腕によって鞭の姿と変わっていた

素材自体が文句なしの超一級品なので髭の部分には余計なものは取り付けず、先端には以前話していた大きめな(やじり)のような武器が取り付けてあり、それには武器に使用する鉱石としては最高級のミスリル鉱石が使われているという



『柄の先を軽く捻って引っ張ってみろ』



ヴォルフに言われた通り柄の先を捻り引いてみるとなんと柄には短剣が隠されていた

しかもその短剣にもミスリル鉱石が使われていた

ミスリルは非常に軽い鉱石だが岩をもバターのように切り裂く切れ味と刃こぼれ一つつかない丈夫さを併せ持つ

だがこの鞭にはまだ隠された機能があった



『それだけじゃないぞ。この鞭にはとっておきがあるんじゃ。鞭にお主の魔力を込めてみるんじゃ』


『魔力を?こうかな・・・』



ベルとの特訓のお陰でまだ未熟ではあるが他の物に魔力を流せるようになっていたアッシュは鞭に魔力を流してみた

するとまるで鞭が生き物のように動きだした



『凄い!魔力の込めると動くんですか!』


『ワシも驚いたがどうやら鞭の素材にしたこの髭が魔力を帯びているからできる芸当じゃな。これなら筋力なんて関係無いし自在に操れるじゃろ』


『ありがとうございますヴォルフさん!』



無償にも関わらずこんなにも素晴らしい武器使ってくれたヴォルフには感謝しかない

この髭の持ち主であった聖龍にも足を向けて寝られないな

大事に使うのでどうか怒りを鎮めてくれますように・・・



『さて、次は嬢ちゃんの方じゃな。嬢ちゃんのは家にあった素材を使わせて貰ったぞ。杖の素材はユニコーンの角と魔石、杖自体は前より小さくなったがユニコーンの角は魔力を込める効率が良くなり前よりも少ない魔力で魔法を放てるようになるじゃろう』


『凄い・・・持っただけでいい杖だっていうのが分かります』


『あとはこのローブ、クリスタルバタフライの羽根を使ったもので魔法耐性は()る事(なが)ら物理耐性もそこらの鎧にゃあ負けないぞ』


『こんなに軽いのにそんなに頑丈なんですね』



アレッサの装備はユニコーンやクリスタルバタフライといったダンジョンにはいない地上の珍しい魔物の素材を利用した一品

こちらも普通に購入したら相当な金額になるだろう

それに加えてヴォルフは二人に疲労を軽減してくれるというブーツまで用意してくれていた



『あの、本当にこんな素晴らしい物を貰っちゃっていいんでしょうか?やっぱりお金払いますよ』


『気にしないでおくれ。この人から言い出したことなんだから』


『あぁ、男に二言はない。言ったじゃろこれは詫びでもあると』



人伝で聞いた話だがヴォルフも昔は誰にでも分け隔てなく装備を作っていたらしい

だがある日、ヴォルフの武器を買った客が謂れのないイチャモンをつけてきたという

その客というのがまた厄介で自分の力量に見合わない武器を乱暴に使ったことで壊れたというのにヴォルフにナマクラを買わされた、あそこはボッタクリ店だと周りの者達に言いふらして営業妨害紛いのことをしてきたそうだ

それで自分のプライドを傷つけられたヴォルフは自分の武器を持つに値する相手にしか武器を作らないようにしたということらしい



『では有難く使わせてもらいます。本当に何から何までお世話になりました』


『おう、何かあったらいつでも来るんじゃぞ』



お世話になったヴォルフ達に深々と頭を下げ、アッシュ達はその足でそのままダンジョンへと向かった

お互い新しい武器を早く試したくて仕方がなかったのだ

ダンジョンに着くとまず最初に現れたのはトレント、初めて戦った時こそ慣れない動きに苦戦したが今は敵ではない



『じゃあまずは僕がいくね』



そう言うとアッシュは新たな武器、鞭を手にしてトレントに向かっていく

ヴォルフに教えてもらった通り魔力を鞭に流し込んでトレントに攻撃を仕掛ける



『それっ!』



アッシュが鞭を振るうとトレントに襲いかかっていく

トレントは向かってくる鞭を自身の根や枝を一点に集めて防御しようとするが先端につけたミスリル製の鏃型武器によりそのまま貫通、そしてその勢いのままトレントに風穴を開けて仕留めることができた



『凄い!短剣で戦っていた時とは考えられない威力だ』



自在に操るには練習が必要だが確かにこれなら力も必要ないし今まで以上の戦果が期待できる

アッシュが鞭の威力に感動していると奥からまたトレントが現れる



『今度は私がいくね。ファイア・ボール!』



アレッサはトレントに向けて三発同時でファイア・ボールを放つ

前なら一度にそれだけ撃ったらかなり疲労していたが、今のアレッサから全くその様子が見られなかった



『同時で三発も撃ったのに全然疲労感がない・・・この杖も凄いよ!』


『よしっ、もっと色々試してみよう!』


『うん!』



アッシュ達は新しい武器の凄さに夢中になり、その勢いのままダンジョンの奥へとどんどん進んでいった




ご拝読いただきありがとうございます!毎日20時に最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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