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四十五話 「課せられる軽罰」

『私はこの組合の長を務めているウィリアムと言います。以後お見知りおきを』


『僕はアッシュといいます』


『アレッサです』


『で、こちらが私の従魔でスライムと・・・ドラゴンです』



ベルの紹介をしつつ様子を窺ってみると、やはりまだ機嫌が直っていないようであからさまに怒りの感情が顔に表れていた

ウィリアムはそんなベルを見ても顔色一つ変わっていない

流石冒険者組合を統率する組合長といったところか

紹介の挨拶を終えるとアッシュは一連の流れをウィリアムに説明した



『という経緯でああなってしまいまして・・・』


『なるほど、事情は分かりました』


『あの、怪我をされてしまった方は大丈夫でしょうか?』


『お仲間の方がすぐポーションを使って回復させたそうなので問題ないそうですよ』



その言葉を聞いて安堵する

とりあえず人殺しの烙印は押されずに済んだようだ

せめてもの償いとしてポーションの弁償はしておこう



『騒ぎを起こしてしまい申し訳ありませんでした。従魔を止められなかった僕の責任です。あの、どのような処分になるでしょうか?どうか冒険者資格剥奪だけは・・・』


『あっちが悪いのにどうしてこちらが謝る必要があるんだ。こっちはトカゲと呼ばれたんだぞトカゲと』


『ベルはちょっと黙ってて』



ベルは不満気な顔をしていたがこれ以上揉め事を起こされては困るので大人しくしてもらい、ウィリアムの答えを待った



『安心して下さい。冒険者資格を剥奪したりはしませんよ』


『そうですか、よかったぁ・・・』


『ただ相手に危害を加えたことに関してお咎めなしというわけにはいきません。まぁ知らなかったとはいえ相手もそちらのドラゴン殿を貶していたわけですから。そうですね・・・鉱山で一日労働をやってもらいましょうか』



鉱山での労働か。ダンジョンに挑む日が一日遅れてしまうがそれで今回の件が片付くのなら安いものだろう



『分かりました、やらせてもらいます』


『相手の方にも注意しておきますのでドラゴン殿もどうかそれで気を静めて頂けないでしょうか』


『次はないからな。他の奴らにもしっかりと伝えておけよな』


『寛大な御心感謝致します』


『では僕達はこれで失礼します。本当にすみませんでした』



渋々納得してくれたベルを連れてアッシュ達は深々と頭を下げた後部屋をあとにした

部屋にはウィリアムだけが残り暫く沈黙が流れる

アッシュ達の気配が完全になくなった事を確認すると、ウィリアムは脱力してテーブルに突っ伏した



『ぶはぁぁぁぁ!!き、緊張した・・・』


『失礼します・・・ってだ、大丈夫ですか組合長?』



入ってきたのは先程の受付の女性

疲弊しているウィリアムに持ってきた飲み物を渡すとそれを一気に飲み干した



『まさかドラゴンを従えるテイマーがやって来るなんて・・・ここで組合長を務めて十年は経ちますがこんな事初めてですよ。常に殺気を向けられていて蛇に睨まれた蛙のような気分で生きた心地がしませんでした』


『それは・・・大変でしたね』


『これ以上面倒事が起きないといいんですが・・・胃腸薬も買っておいた方がよさそうですね』



ウィリアムは一日でも早くアッシュ達がダンジョンを攻略することを祈り、ストレスでやられないよう薬屋へと足を運んだ

一方のアッシュ達は現在組合所を出て町中にやって来ていた



『はぁ・・・部屋から出た途端他の人達からの視線が集中して凄い気まずかった』


『怪我した人のパーティの人達なんてポーションを渡そうとした時震えてたね』


『ベル、頼むからもう手を出さないでよ?次同じ事したら食事抜きにするからね!』


『ちぇっ、分かったよ』



本当に分かってくれたのかいまいち信用できないがあまりしつこく言っても逆効果になってしまいそうなのでこの話は終わりにし、アッシュはこの後アレッサ達と別行動をすることを伝えた



『僕ちょっと行きたいところがあるから悪いんだけど宿の確保と食事できる場所探しておいてくれないかな』


『分かった、じゃあここで待ち合わせにしよっか』



用事を済ませた後で落ち合う事にしてアッシュは一人である場所に向かった

アッシュがやって来たのは神殿、ここに来た目的は自分の恩恵を再確認する為だ

神殿の中に入ると聖職衣を纏った男性に出迎えられる



『ようこそお越しくださいました。本日はどのようなご用件でしょうか』


『恩恵を見てほしいのですができますか?』


『可能ですが・・・こちらになります』



恩恵を確認は幼少期の頃に済ませるが一般的なので神父には珍しいものを見るような顔で見られた

神父に案内され神様の姿を模した彫像の前にやって来ると、膝をついて像に向かって祈りを捧げた

そうすることで自身に授けられた恩恵が何かを神父伝いに知ることができる

暫く祈りを捧げていると神父がアッシュに恩恵の名を告げてきた



『貴方の恩恵は使役者とのお告げがありました』


『そうですか・・・ありがとうございました』



やはりこの神殿でも結果は変わらず

村で見てもらった時の結果が実は何かの手違いで間違っていたのではと思い再確認をしてもらったが、どうやら手違いではなかったようだ

そもそもベルがこの恩恵を見るのは初めてと言っていたことを今更だが思い出した

神殿で分からないのならやはりこの恩恵を見つけたベルからもっと話を聞いた方がいいかもしれないな




ご拝読いただきありがとうございます!毎日20時に最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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