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三十六話 「出立」

ボーゼスから直々に頼まれ護衛の依頼を受けたアッシュ達は支度を整え、いよいよルートの町を出る日を迎えた

出立の日にはグンダやナタリアがわざわざ泊まっている宿の前まで見送りをしにやって来てくれた



『達者でなアッシュ』


『お体には気をつけて下さいね』


『ありがとうございます、お二人には本当にお世話になりました!いつかまた会いにきますね』



この二人の存在はアッシュにとって本当に大きかった

二人がいなかったらきっと道半ばで挫けていただろう

まだまだ未熟だが必ず今よりも立派になって帰ってこよう


ちなみに二人とは別にお世話になったモリンは昨日の夜に別れの挨拶をしに宿にやって来た

朝早くに起きる自信がないからというなんともモリンらしい理由だったが、そこで餞別にと回復アイテム等々を貰ってしまった

モリンが作ってくれたアイテムがなければジャイアントオーガとの戦いがどうなっていたかも分からないので彼女にも感謝の念が堪えない


グンダ達と別れの挨拶を交わし待ち合わせ場所である門の所まで行くと、荷物を積んでいる一台の馬車を見つけたので声をかける

すると荷台の方から男性が顔を出してきた



『どうも、君達が町まで護衛してくれる冒険者の人達だね。セグエンテに到着するまでの間よろしく頼むよ』


『はい、こちらこそよろしくお願いします。僕達も積み荷運ぶの手伝いますね』



荷台に積み荷を運び終えると東にあるルルネの町を目指し出発した

ルートの町がどんどん小さくなっていくのを見てアッシュはこれまでの思い出が走馬灯のように浮かんできた

あの町では辛かった記憶の方が多いだろう。だが決して辛いだけではなかった

長いこといたあの町を離れるのは少し寂しくもあったが、これから先まだ見たことのない世界が待っていると思うと高揚感の方が勝った

ボーゼスが言うにはルルネの町まではここから三日、調べたところによると山を二つ越えた先にあるらしい

ここから暫くは整地された道が続き、獣や魔物が現れることは滅多にないので途中までは荷台に乗せてもらった

勿論あくまで護衛の仕事だから最低限の警戒は怠らない



『ルルネの町ってどういうところなんだろうね』


『どうだろう、僕も行くの初めてだから楽しみだよ』



ルルネがどんな町なのかと楽しみにしつつその日は特に問題が起こることもなくのんびり馬車の旅を満喫して終わった

まだ日沈にはなっていないが明るいうちにテントの設営や食事の準備等をしなくてはいけないので、森に入る手前で停まり一夜を過ごすことに

野営の準備は初めてで少し手間取ったが、これからは必要になってくることなのでいい経験になった

前のダンジョンは十階層までで野営をする必要なんてなかったが、これからのダンジョンでは必要になってくるスキルだ



『よし、こんなもんかな』


『おっ、そっちは問題なさそうだね。料理の方も出来たからちょっと早いけど食事にしようか』



野営の準備が完了すると依頼主が担当してくれていた料理の方も完成し夕食の時間がやってきた

依頼主の趣味が料理らしく、この護衛の間は料理を担当してくれるとのことなので遠慮なくご馳走になった

報酬を貰える上温かい料理まで食べられるなんて有難いことだ

食事を終えたらアッシュ達には見張りの仕事が待っている

片方が見張りをしもう片方がその間休憩、これを夜明けまで交互に行っていく



『じゃあまずは私が先に休ませてもらうね』


『うん、時間になったら起こすから』



アレッサがテントの中に入っていくとアッシュは焚き火を見つめながら物思いに耽る

考えていたのはジャイアントオーガ戦での戦い方について



『はぁ、もっと強くなるにはどうすればいいかな・・・』



オーガを倒せたのはあくまでアイテムとアレッサの魔法、そしてクウのフォローのお陰であってアッシュ自身の力でオーガ相手に何かできたことは一度もなかった

最初の頃に比べたら着実に実力は上がっているだろうがそれも微々たるもの

テイマーは魔物を従えて戦うのだからテイマー自身に戦闘能力は必要ないと考える者もいるが、メンバーの少ないアッシュ達は事情が違う

次のダンジョンではきっとこのダンジョンよりも手強い魔物達が待ち構えているはずだ

このままではアッシュだけが確実に足手まといとなるだろう



『やっぱり接近戦向いてないのかな。でも短剣以外の武器なんてまともに使ったことがないしなぁ』



アッシュは一通り武器を試しては断念を繰り返し、比較的扱えていた今の短剣のスタイルに落ち着いている

なので短剣以外に扱えそうなのはパッとは思い浮かばなかった

大前提としてまずは己の基礎能力を上げないとだが、セグエンテで武器を作る職人に聞けばもしかしたら短剣の他に自分に合う武器が分かるかもしれない

その為にまずはここから北にあるルルネに行ってからだ



『北・・・北といえばあの占いのお婆さんもなんか言ってたな』



アッシュはふとダンジョンボスと戦う前日に出会った老婆の言葉を思い出した

北に行けば良い出会いがあると言っていたが、図らずとも老婆の占いに従う形になったことになったことになる

ダンジョンボスが復活することを的中させたしもしかしたら本当に・・・とも思ったが、やはり占いは占い

鵜呑みにせず心の隅にでも置いておくだけにしておく

その後アッシュ達は予定通り見張りを交代で行っていき、何事もなく朝日を迎えることができた




ご拝読いただきありがとうございます!毎日20時に最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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