二十七話 「防具の新調とアイテム作成」
ダンジョンボスが倒された事を知った翌日
アレッサの提案によりダンジョンボス復活までの期間を利用し防具の新調することにしたアッシュは、以前今の防具を買う為に訪れた防具を専門的に取り扱っている店にやって来た
防具新調以外にも寄りたい店があったので、アレッサにはクウをボディーガード代わりとして預かってもらい別行動中だ
店の中に入るとカウンターの奥で防具の修理を行っている店主がいたので声をかけた
『すみません、素材を防具に加工してほしいんですが』
『ん?どれだ?見せてみろ』
そう言われアッシュは店主に以前ダンジョンでドロップしたポイズンスネイクの鱗を見せた
ポイズンスネイクは八階層攻略中に手に入れたドロップ素材
この鱗は丈夫な上に軽いので軽装備を好むアッシュにピッタリで今よりも格段に防御面が向上する
店主は素材を見た後アッシュの身体をじっくりと見てから口を開いた
『作るのは鎧みたいな全身を守る防具じゃなくて肩や肘、膝の関節部分を守る防具と胸当てに籠手といったところか?』
『え?そうですけど・・・よく分かりましたね』
『ははっ、伊達に防具専門でやってねえぞ』
今日はダンジョンに行く予定がなかったので装備一式は宿に置いて来ていたので、それ等を見ずに身体を見ただけで使っている装備を言い当てられたのには驚いた
この人に任せればきっといい防具を作ってくれるだろう
しかしアッシュが持ってきた鱗だけでは全ての防具を作るには足りなかったので、店に残っていた同じポイズンスネイクの鱗を足して作ってもらうことになった
『仕上がりは四日後になるがいいか?』
『はい、それでお願いします』
この日は寸法だけ測ってもらい、防具の完成を楽しみにしつつ店をあとにした
防具のオーダーを済ませた後はもう一件の用事を済ませにアッシュはモリンの店へとやって来た
『こんにちはモリンさん』
『おぉアッシュ、また何か買いに来たのかな?羽振りがいいようでこっちも有難いね』
『すみません、今日は別の用件で来ました』
『別の用件?』
モリンの店にやって来たのはダンジョンボスを相手にする時に使おうと考えているアイテム作成を頼む為
昨夜ダンジョンボスをどうやったら倒せるかと色々と考えているうちにいくつか使えるかもしれないアイテムを思いついた
しかし発想が浮かんでもそれを実行に移すだけの技量がない
そこで調合師の恩恵を持つモリンに白羽の矢が立ったというわけだ
モリンであれば自分が考えている以上の物を作ってくれる。そう思い依頼をした
『私は薬師であって道具士じゃないんだけどねぇ』
『そこをなんとか!こんな事頼れるのモリンさん位しかいないんです!なんでもするのでお願いします!』
『へぇ・・・なんでもねぇ』
モリンのその言葉でアッシュは口を滑らせてしまったことを後悔した
だが今更訂正することなんできない
不敵な笑みを浮かべるモリン。一体何を要求してくるのかと待っていると、モリンはアッシュに何を頼むか思いついたようでその内容を口にした
『じゃあ今度薬草の採取でもしてもらおうかな』
『え?そんな事でいいんですか?』
『他の人のだとどうもいまいちでねぇ。アッシュが採ってきた薬草が一番鮮度がいいんだよ』
薬草採取で頼みを聞いてくれるなら安いものだ
アッシュは当然モリンの提案を受け入れ、考えていたアイテムの説明をした
『なるほどねぇ、まぁ素材があれば問題なく作れると思うよ。素材集めの方は任せることになるけど大丈夫かな?』
『勿論です。では素材が集まったらまた来ますね!ありがとうございました!』
『薬草も忘れないでねぇ』
それから数日間アッシュはアイテム作りに必要になる素材の採集に明け暮れた
アイテムの事を話すとアレッサとクウも協力してくれ、分担で採集することができたので予定より早く素材は集まった
アレッサにその素材を渡してあとはアイテムが出来るのを待った。勿論薬草の事も忘れていない
防具のオーダー、アイテム作成の依頼。これ等を済ませるとアッシュはやることが無くなってしまった
ダンジョンボスが復活するまでにはまだ数日はかかる見込み
あとは体が鈍らないようダンジョンに潜る位のことしか思いつかない
何か他にできることはないかと宿で朝食を食べながら考えていると、アレッサがある提案をしてきた
『アッシュさん、今日は一日遊びませんか?ほら、私達って普段ダンジョンに行くかそれ関連のお店に行く位じゃないですか。たまには冒険者稼業から離れて目一杯羽を伸ばすのもいいと思うんです』
『確かに・・・いいですね、行きましょうか』
『良かった♪じゃあちょっと準備してきますね』
そう言い残してアレッサは上機嫌で部屋へと戻っていった
遊びに行くのならとそれ用の服装に着替えに行ったようだ
思えばこのルートの町に来た頃から最近まで一日の生活費を稼ぐのに必死で遊ぶ余裕なんて全くなかった
たまにはダンジョンの事を忘れて思い切りリフレッシュするのもいいかもしれない
そんな思いを馳せながらアッシュは残る朝食を平らげアレッサの準備が終わるのを待った
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