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二十二話 「二度あることは三度ある」

翌日、ベッドでグッスリと眠ることができたアッシュは予定していた通り六階層へとやって来ていた



『アレッサさんすみません!一体そっちにいきました!』


『任せて下さい!』



今戦っているのはニードルラット、四足歩行の魔物で背には無数の鋭い針がある

アッシュのようなリーチの短い武器を使う者にとっては相性が悪いが、そこはクウのパラライズでカバー

ニードルラットは強い刺激を与えると弱点であるお腹を向けて倒れる習性があるので、パラライズで痺れさせて倒れたところをアッシュが止めを刺していっていた

それでも複数いる相手全てを足止めすることは出来ず、素早いニードルラットはアッシュ達の間を抜けてアレッサの方へと向かっていた



『ウィンド・カッター!』



アレッサは迫って来るニードルラットに向けて風属性の初級魔法"ウィンド・カッター"を放つ

風の刃によって接近してくる魔物を容赦なく両断した



『ふぅ・・・すみません、一体アレッサさんに向かわせてしまって』


『いえ、それより剣の方は問題なさそうですか?』


『はい、すぐに慣れると思います』



昨日アレッサから貰った短剣を早速使わせてもらっているがやはり新しい剣は切れ味が段違いだ

前のよりも若干刃が長いのでまだ使っている最中に違和感を覚えることはあるが、それも魔物と戦っていればすぐに感じなくなるだろう

余計な攻撃が減ることで体力の消費も防げて正に一石二鳥だ



『さっ、この調子で六階層もドンドン攻略していきましょう』


『そうですね・・・ん?』



良い流れのまま次へ進もうとしたところでアレッサが突然立ち止まり、遠くの方に何かを見つけたのかテンションを上げてアッシュにその正体を伝えてきた



『見て下さいアッシュさん!あんな所に宝箱(ドロップボックス)がありますよ!』


『えっ!?本当ですか!』



アレッサの指差す方を見てみるとそこには確かに宝箱(ドロップボックス)があった

ダンジョンには宝箱という希少な素材や高価な魔石といったものが入っている箱が稀に出現することがある

アッシュも実物を見るのは初めてだったのでテンションが上がったが、冷静に考えてみるとこのダンジョンで宝箱を見つけたという話は聞いたことがない

それにこんな見つけてくださいと言わんばかりの場所に置いてあるのも不自然だ



『何が入っているんですかね。早速開けてみましょう!』



宝箱を見つけて浮かれているアレッサは何の疑問も持たずに無警戒で宝箱に近づいていく

その様子を見てアッシュは宝箱の正体に気がつき、慌てて止めに入った



『待って下さいアレッサさん!』


『えっ?ど、どうしました?』



アレッサを引き止めた後宝箱から一旦距離を置き、小石を拾いそれを宝箱目掛けて投げつける

小石は狙い通り宝箱に命中、直後衝撃に反応して宝箱が大きく口を開き暴れ始めた

それを見たアレッサは驚愕していた



『な、なんですかあれは!?』


『やっぱり・・・あれはミミックだったみたいですね』



宝箱に擬態し近づいてきたところを狙って襲いかかってくる魔物ミミック

箱から出ている長い舌には毒があり、少しでも危険を感じると頑丈な箱に閉じ(こも)って身も守ってくる面倒な魔物だ

幸いこちらから近づかない限り向こうから襲ってくることはないので、ミミックだと分かった場合は相手にしないのが定石だ



『そ、そんな魔物もいるんですね。知りませんでした・・・よく分かりましたね』


『昔読んだ本が役に立ったみたいです』



いざという時の為に魔物の事について書かれている本を読んでいたのが今回功を奏した

ミミックの様なトリッキーな魔物は恐らく現れないだろうが、この先手強い魔物が相手になるのでこれまでより一層注意せねばならない


その後アッシュ達は魔物を倒していって六階層の中間地点まで辿り着き、現在は幾つかの分岐に分かれている中の最短コースである一本道を進んでいる

この道を抜ければ七階層は目と鼻の先、七階層に行けばあの魔物が待っている

そう思うと体が自然と小刻みに震えた

他の魔物と戦っている時は何ともないが、ミノタウロスに対してだけは未だに苦手意識を感じているらしい

この苦手意識は対象であるミノタウロスでないと払拭することはできないだろう


これから先戦うであろう相手の事を考えていると、アッシュ達の前に行く手を阻む音が聞こえてきた

魔物だ。それも一体や二体ではない



『あれは・・・レッサーアントですね。一体一体はゴブリンより弱いですがあの数で一斉に襲われたら対応し切れません。引き返すしかないですね』


『そうしましょう。うじゃうじゃいて気持ちが悪いです・・・』



二人は気づかれる前に来た道を戻ろうとする

だがその時に立てた僅かな音にレッサーアントが反応

標的であるアッシュ達を見つけると一斉に向かってきた



『走って下さい!』



ザッと見ただけでも百近くはいるだろう群れに追われるのは中々の迫力があった

こんな数を相手にできるわけがない

そう思いアッシュとクウは逃げに徹しようとした

だがアレッサはあまりの数が一斉に襲ってきた事で混乱してしまったのか、その場に留まり魔法を連発し始めた



『こっちに来ないでええええ!!ファイア・ボール!ファイア・ボール!ファイア・ランス!』


『お、落ち着いて下さいアレッサさん!あの数相手は無理です!』



アッシュの制止する声も届かず迫り来るレッサーアントに次々と魔法を放っていく

当然そんな事をしたらアレッサの魔力はあっという間に無くなり魔力枯渇(マナロスト)を起こした

だがそれによりレッサーアントの死骸が障害となってこちらに向かってくる動きが鈍くなった

その間にアッシュはアレッサを担ぎ全力でその場から撤退した




ご拝読いただきありがとうございます!毎日20時に最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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