29祝賀会でデレた俺に待っていたのは陽葵ちゃんの意地悪だった……でもこれご褒美じゃない?
「むぅううううー」
「ごめんって、陽葵ちゃん」
俺は陽葵ちゃんに謝り続けていた。祝賀会で神絵師の美玖さんにハグされたり胸をグイグイ押し付けられたりして俺のHPが削られたけど、陽葵ちゃんはデレた俺に腹が立ったらしい。彼女だもん……。当然だよな。陽葵ちゃんも負けじと胸を押しつけてきたから俺は半分美玖さんに感謝した。二人共胸が柔らかすぎて俺の理性がやばかったです。
「もう、先輩には罰ば与える」
「わ、わかったよ。どんな罰でも受けるよ」
俺はグイグイ来る美玖さんにだらしなくデレデレしてしまったので、陽葵ちゃんに申し開きできない。ここは罰を受けて許してもらおう。
「しょんなかねぇ先輩は彼女のうちがおるにも関わらず他ん女ん人とデレデレして……やけんこりゃ罰ばい。うちが耳元で囁くけん、それよりもっと素敵なこと言うてくれん」
「え?」
耳元で囁く? もっと素敵なこと? 理解が追いつかないけど、陽葵ちゃんは俺の耳に顔を近づけると……。
『先輩……好き』
陽葵ちゃん、何ニマニマしてるの? 何をそんなに口元を緩めてるの?
『うふふふっ♪ 言うてしもうた、言うてしもうた。うち、告白してしもうた♪』
これ、罰なの? ご褒美みたいに陽葵ちゃんが可愛いだけど。
「ひ、陽葵ちゃん、これ罰なの?」
「罰ばい。先輩はうちにボソッと愛ん言葉ば囁くんや」
「そんなことしてたら俺、陽葵ちゃんのことめちゃめちゃ意識しちゃう」
「だめなんですか?」
「いや、俺はその……」
『うちは先輩のこと意識しとー♡』
いや、この帰りのハイヤーの中の声って例の黒服のおじさんに聞こえてないよね?
運転席とは壁ができてるけど、防音効果まであるの?
俺達、すごいバカップルに思われん?
『こりゃ頑張ったご褒美ばい』
「陽葵ちゃん、距離近すぎない?」
「なんでと? うちんことエッチな目で見よーんと?」
俺をエッチな感じで意識させる気? 車の中で?
「いや、俺は、陽葵ちゃんのこと大事にしたいから」
『うちゃ先輩んことエッチな目で見よー♡』
またボソっと陽葵ちゃんがデレる。
「もう、先輩ぃー、恥ずかしかよー」
何これ? めちゃめちゃ可愛いだけど? これのどこが罰?
「今度は先輩ん番ばい」
「うん、わかった」
俺は『可愛いよ』とささやいた。
「もう一回♪」
これ絶対わかっていて言ってるな?
でも、俺は陽葵ちゃんのリクエストに応えた。
「わ、うちんこと……あいらしかって言うた……う、嬉い。今度はうちん番♪」
陽葵ちゃんはまたボソッとデレた。二人は密着してしまう、他人から見たら完全にバカップルだと思われる。でも、このハイヤーの中だと外から中は見えない。
運転手さんのおじさんには見えてない、聞こえていないと信じたい。
ぷるんとした柔らかな陽葵ちゃんの唇が愛の言葉をボソッ紡ぐのはかなり心地いい。
俺もほんとは陽ちゃんがなんて言ったのかわかっていたけど、陽葵ちゃんと同じことをした。
「き、聞こえなかったなー」
「しょうがなかねー。先輩、絶対わかっとって言いよー♪」
「い、いや、そんなことないよ」
陽葵ちゃんは『愛してる』と言った。
何度も互いに甘い言葉を囁きながら言うと、いつの間にかキスしていた。
最後に陽葵ちゃんは俺に身体を預けて来て。
「陽葵ちゃん……俺、これ以上だとエッチなことしない自信がない」
「先輩……私もエッチなことしない自信なか」
……やっぱり?
「陽葵ちゃん……まさか俺の身体狙ってるとかないよね?」
『狙うとー♪』
陽葵ちゃんはボソっと言った。
流石にこれ以上はヤバい。俺の理性が持たない。俺は陽葵ちゃんを大事にしたいんだ。
まだ高校生の俺達はキス以上のことは早すぎる。
「ひ、陽葵ちゃん。この罰はもう止めよう。俺、自制できない」
「もう、先輩はヘタレさんやなあ。陽葵はよかとに……でも、陽葵んこと大切に思うてくれとるんやなあ?」
「そうだよ。俺は陽葵ちゃんのこと大好きだよ。愛してる。だからそんな簡単に手を出せないよ。大切だから」
「先輩!」
俺達は二人でギュッと抱き合った。
「先輩、じゃ、ポッキーゲームしよ」
それもエッチなやつなような気がする。俺は悶絶して爆死したのである。
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