ビーコン泥棒 ⑴
「C.T.………!!!!!!」
猛吹雪の中にあるビーコンのど真ん中で
叫びまくるガルム。
それもそのはず。なんと、ガルムがのっているビーコンの
一部が吹雪によってめちゃくちゃ揺れているのだ。
「全く寒くはないのだが…!普通に死んじゃいそう!」
『大丈夫です。ジェットスイングもあるので、高所からの
落下については問題ありません。しかし、その他の
問題も発生する可能性もあるので、死亡率は約4%です。』
「普通に当たりそうなパーセントやめてくれ…
そういえば、今そっちはどうなってる?」
ガルムとC.T.が別々に行動し始めた後、C.T.は
ビーコンの建物の内部へと進み、制御室を目指していた。
『現在、制御室の場所を捜索中です。
そして、ほぼ生身の敵兵しかいないようです。
安全性はかなり保証されるため、そのまま捜査を続けます。』
「了解なのだが、俺は次何をすればいい?」
『そのままビーコンの上で落ちないように頑張ってください。』
「は?」
*
「僕はできる僕はできる……」
真っ白な廊下を呟きながら歩く人。
「ノアかぁ…絶対タイタン持ってたら負けちゃう
気がするんだよなぁ…」
すると、彼は無線を取り出して喋り始めた。
「こ…こちら、ムーブ…し、侵入者を確認した…
今から排除に向か…」
『ムーブ!!絶対その侵入者を殺せ!そいつ、
ノアから逃げてきたやつだ。なんとしても殺せ。絶対だ!』
『おいおいコバレス…そんな大きい声出しても意味ないでしょ…でムーブ、そいつ絶対殺せよ…?』
「は、はい!絶対に仕留めて見せます!」
『これはオーバースターズの物語だ。それを終わらせたら
承知しないからな…?』
無線がブツっと切れた。
「はぁ…オーバースターズねぇ…入ったからにはなぁ…
やるしかなのかなぁ…殺したくないなぁ…」
なんとも言い難い気持ちを抑えて、彼はヘルメットを
被った。
*
「やっと吹雪が収まったか…」
ビーコンの床に這いつくばるようにして吹雪に耐えていた
ガルムは安堵のため息をついた。
「4%を当てなくてよかったぜ…」
すると、ヘルメット無線から声が、
『パイロット、もう少しで制御室と思われる場所に
到着します。そちら側の準備を。』
「了解だ、C.T.」
ガルムはビーコンの中心についている制御盤を
開く。
「ビーコンって確か、パスワード必要だったよな…?」
『はい。ビーコンを動かすにはパスワードが必要ですが、
それは現在制御室にある模様。なので、私がパスワードを
パイロットに送信します。なので、すぐパスワードが
打てるように準備してください。』
「了解だ。」
よし、タイピングはかなり自信があるからな…
とそんなことを思っていたその時、無線から
C.T.ではない他の人の声が聞こえる。
『え?タイタン単体?あれ?パイロットは?』
『敵のタイタンを発見、あれはオーバースターズの
タイタンです。』
「なんだって???」
『今画像を送信します。』
ヘルメットの画面に映し出されたのは、C.T.と
同じく真っ白な体に「Over stars」と書かれた外装、
片手には斧、もう片方には大きな盾を持っているタイタン。
『まあ…いいや、タイタンだけならまだ気が楽だ。』
『敵が戦闘体勢に入りました。このまま私も
戦闘を行います。』
『じゃぁ、パパッと終わらせて、帰らせてもらうよ…!』
「C.T.気をつけろよ!」
『安心してください。私、"最強"ですから。」
こんにちわ、葉月ネルです。
えー…一週間サボりましたm(_ _)m
色々事情があって…まあ大変でした。
今回は少し短めのお話。吹雪の中、落ちないように
頑張って耐えているガルムの様子から始まり、
C.T.が謎の敵と接敵し、戦う直前までを書きました。
ここで人物整理のコーナー!!!!
Over stars:ムーブ
???:コバレス
この2人ですね。
ここである謎設定(笑)を紹介します。
「C.T.」はタイタン(人間ではない)ですが、人物として
出しています。しかし、敵のタイタンはこのようにして
出すことはありません。
理由は、そのタイタンの持つ意思を
伝えるためには「無線」を通してではないと、伝えれない
という設定があります。その設定があると、
ガルムには彼の無線を通してC.T.の声が聞こえるから1人の人物として扱えるのですが、ガルム側からすると、敵のタイタンの
声なんか一ミリも聞こえないわけですよ。なので、
敵のタイタンは人物扱いできない。というわけです。
しかし、視点が敵サイドの時は、その敵自身が
聞こえているのであれば、そのタイタンは人物として扱えますので、敵視点のお話があるときは、敵タイタンが登場する
可能性があるという訳です。
浅い設定のようで、かなり深〜い設定なのが、
わかってもらえると思います。
このような設定が他にもいくつかあるので、
順次他の話でお話しできたらなと思います。
それでは、また来週!




