私も好きです。
古賀さん視点
千堂君は、真剣な顔つきだ。
もちろん、それは私も。
「……古賀さん」
名前を呼ばれただけで、どきりとしてしまう。
「…えと、…なに、かな…」
それは決して、雰囲気だけのせいじゃなく、千堂君だから。
「古賀さんは、……」
「古賀さんは?」
次に言われるセリフはわかる。
解ってしまう。
だから、余計に胸の鼓動が速くなる。
呼び出されたのは朝で、猶予も十分にあったはずなのに、言葉が見つからない。
たぶん、ここで彼を満足させる言葉はあるだろう。……いいや、知っている。
私も言いたい!
けど、私が納得いかない。許さない。
私と千堂君は、初めて会った時から今は、せいぜい三ヶ月ほど。
でも、その間に、千堂君はできるだけ人との距離を作り、関わらないようにしていたのを憶えている。
しかし、その反面で、クラスのみんなとは仲良くしたいというのも、千堂君の目線を追っていけば、すぐに分かった。
とは言っても、相変わらず顔だけは見せてくれなかったけど。
案の定、私には優しく接してくれるし、どこまでもお人好しだ。
千堂君は、人として尊敬できた。
一方でそんな彼に、嫉妬していた私が居る事を、私は知っていた。
私は、貧しい家の家庭だから、勉強だけは誰にも負けないようにと今まで努力し続けてきた。
小中と、全国学力テストでは、いつも一桁台に入っていたし、友達には勉強を教える役割だった。
周りでは、いつも私が一番だった。
けれど私は、高校に入って初めて負けを知った。
それも何回も何回も、成績表を見る度に学年二位で、悔しくて悔しくてしょうがなかった。
今思えば、゛醜い゛の一言で片付いてしまう。
そんな些細な事。
でもその考えが変わったのは、つい最近だった。
千堂君が、こんな私を拾ってくれて、千堂君と一緒に過ごす中で…
千堂君は、尊敬に値する。
それは変わらない。
でも、決して遠くない存在だとは思わなかった。
゛さくら゛さんの一件やダブルデート,誕生日会準備など、私に歩み寄ってくれたのは、他でもない千堂君だったから。
そして、私応えるように、一緒に楽しんだ。一緒に食べた。一緒に笑った。一緒に闘った。……
゛この一緒に゛が、ずっと続いてほしいと思った。
けど、それは今の私じゃ、絶対に務まらない。役者不足。言い切れる、から。
変わらなきゃ。
変えなきゃ。
変わりたい。
ずるいままの私じゃいやだ。
醜い私じゃいやだ。
たとえ、千堂君が許しても、私が許せない。
「あ、」
もし、
もしも、
許せたのなら、
変われたのなら、
強くなれたのなら、
この場所に、もう一度いる資格が欲しいです。
「古賀さん、僕と、結婚してください。」
えっ、……
!?…
……で、でも、
…私は変えない。
変わるために。
「……ごめんなさい。」
私の判断が、間違っているかどうかは、全て、これから。
私を肯定するのは、私じゃなければいけない。
わがままで、本当にごめんなさい千堂君。
だけど、…好きです。
ごめんなさい。
どうでしょうか?
更新が遅れてごめんなさい。
感想,アドバイス等ありましたら、お待ちしております。
※更新が遅れたのは、テストが近いからです。




