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美少女+ゴツい武器=何故かテンション上がる ③


 吹奏楽部の朝練がある聖はパクパクと朝食を口に放り込んでいく。

 米をかっ込み、魚の切り身を丸呑みにして、湯気を上げている味噌汁を迷うことなく喉の奥に流し込む。


「ご、ごひほうはまでひた……」


 口の中を火傷してしまったらしい。

 聖は口元を手で押さえながら箸を置いた。椅子から立ち上がり、鞄を掴んで玄関に向かう。


「それでは行ってきます……今夜は帰らないかも」


「帰って来い。もしくは二度と帰ってくるな」


「わかったわ、ダーリン」


 無表情のまま不気味過ぎる呼び名で俺を呼んで、パタパタと玄関から出ていった。

 騒がしい奴がいなくなって、ようやく月城家に平穏が戻ってきたようだ。俺は溜息と共に肩を落とす。


「まったく……毎朝、騒がしい奴め」


「本当に……お兄、あの子のどこが良くて付き合ったの? 絶対に紗耶香さんの方が良いと思うんだけど?」


「いや、だから俺達は付き合ってないんだよ!」


 俺だって紗耶香さんの方が良いに決まっている。

 性格はもちろん。大きなおっぱいと長い脚、怜悧な美貌。おまけに育ちが良くて、山を所有しているほどのお金持ち。非の打ち所がないとは彼女のためにある言葉だろう。


「ふうん……紗耶香さんだったら、私も歓迎できたんだけどな」


「ん?」


「ほらほら、お兄もさっさとご飯食べて学校に行きなよ。遅刻するよ」


 真麻は聖が食べ終えた食器を片付ける。

 俺は首を傾げつつ、言われたとおりに朝食をたいらげた。

 朝食を終えた俺は後片付けを真麻に任せて、鞄を手に取って玄関から出る。

 いつもは遅刻ギリギリの時間に学校に着くのだが、今日はわりと余裕がある時間帯だ。コンビニによってジャ〇プを立ち読みできるくらいの余裕があった。


「俺ももう高校生だし、ジャ〇プの立ち読みは卒業するか……いや、ジャ〇プは心に少年を残しているから読むんだ。年齢は関係ない」


 というか、立ち読みじゃなくて買えよという話である。

 最近はわりと懐にも余裕がある。小遣いが増えたわけではないのだが、先日の退魔師試験以来、『結社』から仕事を回されるようになっていた。

 山で大量の猿と戦ったり、海で船をひっくり返している海坊主と戦ったり、高速道路を猛ダッシュしている謎のババアを追いかけまわしたり……様々な仕事を押しつけられるがままに解決しており、口座には結構な金額が振り込まれている。


「そういえば……『甲種』とかいう免許も送られてきたんだよな。あれ、どこにやったっけ?」


『結社』が送ってきた退魔師認定免許とやらはもう無くしてしまった。

 絶対に家の中にはある。本気で探せば見つかると思うので、そのままにしている。


「ジャ〇プもそうだし、ヤ〇マガも買っていいかな。月曜日だし。ヤ〇マガはエッチなマンガが多いからコンビニで買うのに勇気が…………ん?」


 ふと不穏な気配を感じて頭上を見上げた。

 見上げた空には雲がかかっている。特に不審なものはない。

 ない。無いはずなのだが……。


「何だ……このプレッシャーは。まさか、宇宙人でも降りてくるのか?」


 空の彼方から奇妙な気配が感じられた。

 何かが近づいてくる。まるでミサイルのような勢いで、猛スピードで突っ込んでくる。


「来る……!」


 俺が意味深につぶやいた瞬間、眼前にそれは着地してきた。

 ズドンと市街地に大きな音が鳴り響く。アスファルトで舗装された地面が破壊されて、粉々になった破片が飛んでくる。

 俺はもちろん、それをまともに喰らうことはせずに受け止めた。

 幸いなことに周囲に通行人の姿はない。街路樹や民家の外壁にアスファルトの破片が突き刺さった以外、特に被害は無さそうである。


「目的地に到着。任務を遂行します」


「お……?」


 周囲に飛び散った砂ぼこりのカーテンの向こうから声が響いてくる。高いトーン、若い女性の声だった。

 徐々に砂ぼこりが晴れていき……そこに現れたのは銀色のロングヘアをなびかせた美少女である。髪の色から考えるに間違いなく外国人だ。

 俺と同年代……10代後半ほどの年齢の彼女は身体にスタイルがはっきりとわかるレオタードのような服を着ており、大きな胸が激しく自己主張していた。

 表情は乏しく、どことなく人形じみている。キャラ崩壊する前の聖とどことなく似た印象だった。


「え、ええ……嘘おっ」


 俺は顔を引きつらせた。

 地面には小さなクレーターが生じており、その中心に女性がいる。間違いなく空から降ってきたのはこの人物だろう。

 空からレオタード姿の美少女が降ってきた。これが神様からのご褒美でないのなら、何らかの事件の始まりに違いない。


「どうしよう……空から女の子が降ってきたってのに、全然ワクワクしないんだけど……」


 ジ〇リ映画だったら、女の子が降ってくるというのは物語の始まりなのだが……現実で目の当たりにすると恐怖しかない。

 とはいえ、この状況は見てみぬフリをするにはインパクトがあり過ぎた。俺は恐る恐る、その女性とコンタクトを試みる。


「えっと……君はいったい、何者なのかな?」


「……民間人と思われる男性を発見。魔力の測定を開始します」


「はあ?」


 女性がこちらに視線を向ける。

 機械的な目つきだ。話し方もどこか抑揚がなくて、まるでAIが話しているようである。


「魔力値を測定……測定不能。身体能力も測定不可。何らかの方法で鑑定を遮断しているわけではなく、保有しているエネルギー量が多すぎるためと思われる。体内に神格因子を発見。目の前の対象が人間である確率……………………0.001パーセント未満」


「へ……?」


「Aランク級の抹殺対象の人外生物と判断。これより排除を開始します」


 銀髪女性がこちらに右手を向けてくる。

 すると、女性の肘から先がメタルのような銀色に染まって、見る見るうちに変形していく。


「うおおおおおおおおっ!?」


 女性の手に現れたのはバズーカのような銃口である。

 黒い穴がまっすぐと俺に向けられて……次の瞬間、青白い破壊光線を放出されたのであった。


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