140.そして伝説へ!!! ⑭
ドラゴン〇ールで1度生き返った人間はもう生き返れないから注意しようね!
「やっべ! 走馬灯が走ったよ、今!」
左右から挟み撃ちにされて、何かすごい攻撃を浴びせられてしまった。
もしも妖精の加護で得たスキルがなければ、俺はこの瞬間にあの地球人ことク〇リンのごとく粉々に吹き飛んでいたことだろう。
「焦ったー。また向こうの世界に飛ばされてたら超気まずいじゃん! さっき別れてきたばっかりだよ、マジで!」
「ま、真砂君……?」
焦り過ぎてテンションが上がりまくる俺に、1人の女性が声をかけてきた。
聞き覚えのある声に振り返ると……少し離れた場所にあるマンションの屋上に沙耶香が座り込んでいる。
「ああ、沙耶香さん! 無事でよかった。心配しましたよ!」
俺は沙耶香が座っているマンションの屋上まで飛んでいった。
そういえば、さっきからナチュラルに空を飛んでいるのだが……いつの間に舞空術を修得したのだろうか?
「真砂君!」
「おわあっ!?」
屋上に降り立つや、沙耶香が胸の中に飛び込んできた。
年上の美女に抱き着かれてしまいました。
胸にあたる柔らかくもハリのある感触。サイズはクラリスのものよりもやや小ぶりだが、十分に存在感のあるおっぱいが押しつけられている。
「よかった……生きていたんだな!」
「ういっす……ほんっとに生きてて良かったです……」
「真砂君……?」
胸の中から戸惑ったような声が聞こえてくる。
視線を下ろすと、沙耶香が涙に潤んだ目でこちらを見返してくるが……その瞳がふと怒ったようにつり上がる。
「真砂君……怒るぞ」
「へ……?」
「感動の再会の最中に、セクハラはよくないと思うのだが。いくら温厚な私でも怒ってしまうぞ?」
「セクハラって……うわあっ!?」
沙耶香からの指摘に気がつくが、無意識のうちに両手が沙耶香の身体をまさぐっていた。
右腕は豊かな胸を揉みしだき、左手は形の良い臀部をガッチリとホールドして撫でまわしている。
「ええっ!? 何でですか!?」
「いや、それはこっちのセリフなのだが……人の身体を触りまくっておいて、どうしてそっちがビックリしているのだ」
「クッ……まだ生まれ変わった身体のコントロールができていないとはっ!? 不意打ちを受けたせいで生存本能が働いて、無意識下で子孫を残そうとしているのだろうか!?」
「『しているのだろうか』とか言われてもな! くっ……とりあえず、私のパンツを下ろそうとするのはやめてくれないか!?」
沙耶香が頬を赤らめて抗議の声を上げる。
沙耶香は今日も先日と同じく巫女服を着ていたが……現在進行形で俺の両手によって服を脱がされようとしていた。
すでに緋袴は帯が解かれてずり下ろされており、俺の左腕がグイグイとパンツを脱がそうと引っ張っていた。
沙耶香は両手で必死にパンツを抑えて抵抗しながら、上目遣いでこちらを睨みつけてくる。
「くそうっ! 妖精の加護にこんな副作用があったとは! まさか自分の意思とは無関係に沙耶香さんを全裸にひん剥こうとしているなんて!」
「いや、完全にわざとやっているだろう!? どうして生き返ってセクハラに磨きがかかっているのだ!?」
「己の最大の敵は自分というわけか……自分の欲望に負けるな、月城真砂!」
「今の私の敵は君だぞ!? 全ての女の敵になりつつある男が格好をつけるんじゃない!」
「ぐふっ!」
沙耶香が拳で俺の顎を殴りつける。
身体強化スキル──【神鋼】を身に着けたおかげでさほど痛くはなかったが、それでも理性を取り戻して沙耶香へのセクハラを止めることに成功した。
「ふう……危ないところだった。かつてない大ピンチだったぜ……大丈夫ですか、沙耶香さん?」
「……大丈夫ではなかったな。危なかったのも大ピンチだったのも私の貞操のほうだ」
沙耶香は先ほどまでの感動の再会は何処に行ってしまったのだろう。あからさまに俺から距離をとりだして、乱れた服を直している。
誓ってわざとやったわけではないのだが……こうやって他人行儀にされるとちょっと悲しい。
「まったく、本当に君という男はしょうがないな……だが、おかげで君が幻ではなく本物だという確信が持てた。あの状況から、どうやって生き残ったんだ?」
「んー、話せば単行本3巻分くらいの長い話になっちゃうんですけど……とりあえず、神様に助けてもらったというところですかね?」
「神様……?」
沙耶香が怪訝な表情になる。
このまま、ゆっくりと話をしたいのは山々だったが……先にやるべきことを片付けるべきだろう。
「まあ、その話はおいおいということで。それよりも……ちょっと待っててくださいね。すぐに終わらせてしまいますから」
「真砂君……まさか君は、また……」
「大丈夫ですよ。心配はいらない」
慌てて引き留めようとしてくる沙耶香に、俺はニッコリと笑いかける。
「俺は負けないよ。最近のブームに便乗して言うと…………だって俺、最強だから」
どこかのマンガに登場するグレートティーチャーのように断言して、俺は沙耶香を置いてマンションの屋上から飛び立ったのであった。
短編小説を2本投稿いたしました。
どうぞこちらの作品もよろしくお願いします。
・「ごめんなさいね。私と彼は運命の赤い糸で結ばれてるのよ!」と元・婚約者が言っているが、お前の赤い糸は何本あるんだよ?
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